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【完結】理不尽に殺された子供に転生した  作者: かるぱりあん
第6章 国王との謁見
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ノックスv.sワーグナー

 闘技場ではすでにワーグナーが腕を組んで待ち構えていた。


「ガッハッハッ!ノックス殿、ここまで来て後戻りはできんぞ!」


「後戻りするつもりはない。それより、ザリーナ殿は?」


「彼奴なら後だ!俺が先に相手する。が、彼奴とお前が戦うことなど無い!」


「なるほど。まぁいいだろう。」



 ワーグナーは木製の剣を右手に、斧を左手に持ち、既に臨戦態勢へと入っていた。


 ノックスも帯刀していた木剣を抜き、ワーグナーへと対峙した。



「両者共に準備はよいか?」


 国王が拡声魔法を使用したのか、声が場内に響き渡る。



 2人とも武器を構え静かに佇む。



「それでは、始め!!」


 国王により手合わせではあるものの開始の合図がなされた。



 ワーグナーは開始の合図と共に地を蹴り、巨体に似つかわしくない速度で一瞬でノックスへと近づき、右手に持っていた木剣で突いた。


 ノックスは横へと躱し、左手を(かざ)してワーグナーへと火魔術を放った。


 ワーグナーは火魔術を左手の斧を盾がわりにして受け止めた。


「ふん!効かんわ!!」


 立ち上った爆煙をかき分け、ワーグナーが現れる。


 ワーグナーは右手の木剣でノックスに対して無数の攻撃を仕掛ける。


 ノックスはそれをひらりひらりと躱しながら反応を見ていた。


「ちょこまかとすばしっこさだけは1人前だな!…だが、これならどうだ!!」


 ワーグナーはノックスから一旦距離を置き、なにやらボソボソとノックスに聞こえない声で呟いたかと思うと、いきなり右手に持っていた木剣をノックス目掛けて投擲した。


 ノックスは木剣を自身の木剣で払い落としたが、その瞬間すでにワーグナーが距離を詰めて木斧で上から叩きつけた。


 ドガァァァン!!という重い音と共にワーグナーから繰り出された斧により闘技場にヒビが入る。


 斧攻撃を躱したノックスへ、さらにワーグナーが蹴りを見舞った。


 ノックスはそれを木剣で防いだ。


「…なるほど。付与魔法か何か、か。スピードが上がっているな。」


「ガッハッハッ!!避けるばかりで何も出来んとは!それでよく火龍を倒すなどと(のたま)ったものだな!!」


 ワーグナーは木剣を拾い上げ、再度ノックスへと構え直した。


「ならば次はこちらからいこう。」


 ノックスは宣言し、ワーグナーへと距離を詰めた。


「むっ!?」


 ノックスから繰り出された剣戟を斧で防ぐ。


 だが想像以上に重い攻撃により、ワーグナーの体ごと後方へと吹き飛ばした。


 ワーグナーはすぐさま体勢を立て直し、応戦すべくノックスを探すが、見当たらない。


「こっちだ。」


 ノックスはすでにワーグナーの後方へと移動しており、ワーグナーの振り向きざまに横薙ぎに木剣を見舞った。


 繰り出された木剣は脇腹付近に当たり、ワーグナーの鍛え上げた肉体をいとも簡単に骨ごとへし折った。


 衝撃でワーグナーは吹き飛ばされ、地へと伏せた。


 勝負ありかと思ったが、ワーグナーは口から血を吐きながら気力で立ち上がる。


「まだ…!まだ終わっておらぬ…!!」


「その気概、見事だ。」


 ノックスは立ち上がったワーグナーへと一瞬で詰め寄り、情け容赦なく袈裟斬りを見舞い、グシャッと骨が砕ける音と共にワーグナーを場外へと吹き飛ばした。


 場外へと吹き飛ばされたワーグナーは息はあるもののノックスからの攻撃により完全に失神していた。



「勝負あり!!勝者はノックス!!」


 国王が高らかに宣言した。




 待ち構えていた医療班がすぐさまワーグナーの元へと駆け寄り、容態を確認する。


「これはひどい…肋骨が折れて肺に突き刺さっているだけでなく、鎖骨が粉砕してしまっている…!」


「と、とにかく早く手当を!!」


 などと医療班が慌てていた所へノックスが現れ、

「治療せよ。」

 と回復魔術を行使した。


 するとみるみる内に折れた肋骨は戻り、粉砕された鎖骨が元の形状に戻り、大きく腫れ上がっていた患部は完治した。



「…は?…え!?え!?」


 医療班は有り得ない回復魔術を目の当たりにし、信じられないような顔をしていた。


「しばらくすれば意識も戻る。医務室があるなら運んでやってくれ。」



 その様子を見ていた国王だけでなくハルバートやフランク、ザリーナまでもが驚異的な回復魔術に驚嘆した。

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