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【完結】理不尽に殺された子供に転生した  作者: かるぱりあん
閑話
212/322

山羊

 おぉ……


 偉大なる我らが神、ゼディウスよ……



 我の罪をお赦しください……



 今、あなた様の元へ憐れな山羊が参ります……



 何卒、その慈愛に満ちた手で、その山羊らをお救いください………




 我らが神、ゼディウスよ………




 我らをお赦しください………



 またもやこの世界に【魔王】の出現を許してしまいました……



 あなた様のために、立派な山羊を贈りましょう……



 そしてどうか、我らをお赦しください………




 我らはあなた様の忠実なる下僕にございます……



 あぁ、我らが神よ………




 彼らの血肉は、我の糧となることをお赦しください………



 そして、これからも、あなた様のために山羊を捧げましょう………




 どうか、罪深き我をお赦しください………




「……様、もうよろしいでしょうか?」


「………待ちたまえ………まだ、祈りが終わっておらぬ………」


「……了解しました。」


「………………」




 あぁ我らが神よ!!!!


 罪深き我をお赦しください!!!!


 あなた様に捧げる祈りの途中で、邪魔が入ったことをお赦しください!!!!


 我はあなた様の従順なる下僕にございます!!!!


 どうか…どうか……!!



 罪深き我をお赦しください……!!!!



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「…まだ終わらんのか?」


「はい。まだ、祈りの途中だと。」



 2人の男が建物の外で祈りが終わるのを待ちわびていた。



「……全く……狂信者め。」


「…ここんとこずっとこうですよね。祈りだかなんだか知らないけど、急がされるこっちの身にもなって欲しいもんですよ。」


「……そうは言っても仕方ないだろうが。12使徒ってのは全員こんなやつらばっかりかよ。」


「……はぁ〜……めんどくさいですよねぇ……しかもこんな陰鬱な場所に何時間もお祈りとか、馬鹿馬鹿しいったらねぇ……

 ……って、聞いてます?」


「んん」


「…え?なんですその声は……って……!!?」



 振り返ると、そこには後ろから手で口を抑えられ、背中から刀をズブリと刺し貫かれていた。


 声を出すことも許されないまま、男は無慈悲にも祈りをしていた男により殺された。



「我が神を侮辱するとは許されん………!」


「……ハ……ハデス…様……!!?」


「貴様も我が神の元へと誘ってやろう………」


「……や……やめ…………」





 あぁ、我らが偉大なる神よ………



 今また我は罪を犯したことをお赦しください………



 慈愛に満ちたあなた様なら、罪深き2匹の山羊もきっとお救いくださるでしょう…………





 我らが神、ゼディウスよ………




 どうかお赦しください…………

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