ノックスv.s地龍 1
「この声は…お前か。」
『いかにも。力を持つ貴様ならば必ずや我の元へと来るだろうと考えていた。』
「…やはり誘い込まれたというわけか。だがなぜだ?」
『簡単なこと。我の暇つぶしだ。』
「お前が俺たちに害をなす生き物でなければ戦うつもりはない。」
『だろうな。貴様は我の寝込みを襲わなかった。卑劣な人間とは違うようだな。だがこのまま戦わずして帰すつもりはない。』
「戦うしかないと?」
『その通りだ。安心しろ。貴様の仲間には手を出さん。』
「……ならば仕方ないな。だが、どちらが死んでも恨み言はなしだ。」
『当然だ……ゆくぞ!!』
ノックスは抜刀し、戦闘態勢へ。
こうして地龍との戦いの火蓋が切って落とされた。
地龍はノックスに向けて火炎ブレスを吐く。
高熱により大地が溶ける。
ノックスはすでにそこにおらず、高速で地龍に駆け寄る。
地龍もノックスを見失ってはおらず、駆け寄ってくるノックスに向けて翼をばたつかせて風を送る。
風圧で吹き飛ばされそうになりつつも踏ん張っていたところへ、地龍から再度火炎ブレスが放たれる。
ノックスは氷結魔法にて氷の壁を作るも、火炎ブレスによりたちまち溶かされる。
が、その間にすでに別の場所へと移動し、反撃に雷魔法を地龍に放つ。
地龍はそれを感知し、空中へと飛び立った。
地龍が空中へと飛び立った風圧によりノックスは思わず後方へと受身を取った。
『ふはははははは!!!!さすがだ!!これほど楽しい戦いなど久しいぞ!!もっと我を楽しませろ!!!!』
地龍が高らかに笑う。
ノックスは空中にいる地龍にむけて風魔法を唱えた。
「切り裂け!!」
風魔法により形成された風の刃が地龍を襲う。
地龍は翼をさらに羽ばたかせ、向かってくる風の刃にさらなる風圧で相殺する。
さらにそのまま地龍はノックスの元へと飛び、火炎ブレスを大地に向けて放つべく息を吸い込む。
近寄ってきた地龍に向けて、ノックスは次なる魔法を行使した。
「地に伏せろ!!」
するとノックスを中心に超重力が形成され、地龍はそれに巻き込まれ大地へと落ちた。
『ぬう!!』
ズシィィィィンと大地へと落ちた地龍へと駆け寄り、刀を振るう。
キィィィィン!!!!
刀は地龍の鱗により止められた。
あまりの硬度に柄を握っていた手が痺れる。
『効かんわ!!!!』
地龍は起き上がりつつノックスに向けて爪で攻撃する。
ギリギリ刀で攻撃を受け止めるも、吹き飛ばされて地面に転がった。
『重力魔法とはおもしろい…我もそろそろ本気を出そうか。』
「俺もそうしよう。」
ノックス対地龍の第2幕が始まった。