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【完結】理不尽に殺された子供に転生した  作者: かるぱりあん
第1章 悪魔の口
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地中のドラゴン

 地魔法を行使し、地中に穴を開ける。


 暗い穴蔵の中でも暗視のスキルがあるために苦もなく進んでいく。



 1時間ほど掘り進んだところで、やがて穴は別の地下空洞に繋がった。


 地下空洞はかなり広く、そこかしこには鍾乳洞が形成されていた。



 だがまだ気配はそこからさらに地下深くに感じる。


 ノックスに付いてきたスケルトン4体はどうもその気配にカタカタと小刻みに震えている。


 地下空洞にはモンスターどころかネズミ1匹とて見つからなかった。


 さらに気配のする方向へと歩みを進める。



 1時間後、地下空洞の壁に付き、そこからはまた地魔法で穴を掘って進んでいく。




 掘り進めて2時間後、驚異的な気配がかなり近い。

 スケルトン達はさらにカタカタと震えている。


 ノックスは穴を大きく広げ、腰を落ち着かせた。


「お前たち、ここで休んでいても構わないのだぞ?」


 そうスケルトンに問いかけると、スケルトン達は身振り手振りで

「我々も共に参ります!!」

とでも言っているかのようだ。


 まあスケルトンなら回復魔術でもって浄化されなければ死ぬこともないが。




 休息を済ませた後、再度地魔法により掘り進める。


 気配が近づいてきたため、慎重に。


 やがてまた大きな地下空洞に繋がった。


 が、今度は先程の地下空洞とは違い、さらに広く、鍾乳洞も生えてはいなかった。



 暗闇の中目を凝らすと、異常な気配の持ち主を確認することが出来た。


 ドラゴンだ。


 ドラゴンは地面で丸くなり、静かに寝息を立てていた。


 あまりの迫力と恐怖により、スケルトン達は立てないでいる。


「お前たちはここにいろ。」


 スケルトンが何かを言い返そうとするよりも先にノックスはドラゴンの元へと歩み寄る。



 距離にしておよそ100メートルほど離れた場所にてドラゴンを観察する。


 いくら暗視スキルがあるとは言え、最初見た地点からも見えたのはドラゴンのサイズが30メートルもある。

 それと、近づくにつれて分かったことだが、このドラゴンは内包する膨大な魔力により若干発光しているようだ。


 自身の気配を完全に殺し、ドラゴンを見やる。


 もしこのまま寝てるだけならわざわざ叩き起して戦闘するまでもない。


 仮に起きたとしても、ドラゴンが人に害をなす生き物でないなら無益に戦う必要も無い。


 ノックスはそう判断し、スケルトン達の待つ穴へと戻ろうと踵を返した。



 スケルトン達は穴の中からこちらへ手を振っていた。


 そこまで心配せずとも…と微笑ましくもあったのだが、近づくにつれて異様さを感じる。


 スケルトン達は手を振っているわけではなかった。


 パントマイムのように、見えない壁に手を当てている。


 どうやらスケルトン達はこちらに来ようにも見えない壁に阻まれていたのだ。


 ノックスは急ぎ穴へ駆け寄る。


 すると、地下空洞と穴の境界には確かに壁があった。



 そして


『待っておったぞ…我と戦うに見合う者を…』


 と脳内に声が響く。


 驚いて振り返ると、先程まで寝息を立てていたドラゴンが起き上がり、こちらを睨めつけていた。


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