表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】理不尽に殺された子供に転生した  作者: かるぱりあん
第12章 リームス
144/322

邂逅

 ニオイを辿り、王国外へと出たノックスとノア。


 ニオイの元が強くなって来たのか、やや駆け足となってくる。




 やがて、遠目からでも1軒の廃屋が見えてきた。


 それと同時に異様なニオイを感じとる。



「ミャウ!!」


 ニオイの元はあそこだ、と言わんばかりにノアがノックスに語りかけた。



「そのようだな。しかし、これは……」



 ノックスの感知スキルでは廃屋に1人、外に1人。



「……血の臭いだな……」



 廃屋へ近づくと、中から若い男が両手を真っ赤に染め上げて現れた。



「あ!え、えええと!あの!そそ、その!」



 その男の背後には見るも無惨な死体が転がっているのが見て取れる。



「こ!こここ、これはですね!」


「こんにちわ。」



 廃屋の外にいた者が会話を遮る形でヒョイと現れた。



「私はリームス。こちらはクーロです。」



 ノックスは何かまとわりつくような気配を感じる。



「…こんなところで何を?」


「ここに、ウィンディア国の王子を誘拐した者どもがいましたので、僭越ながら私どもが懲らしめて差し上げたのです。」


「お前たちが手引きしていたのでは?」


「ふふ……何を根拠に仰いますかねぇ。」


「教会の者たちだろう?わざわざこんな回りくどい事をして、俺に何の用だ?」


「申し遅れました。貴方様の仰る通り、我々は教会の者です。今回我々が来たのは、先日こちらに侵攻してきたズーグの件で。」


「ほう?」


「仮にも12使徒であるズーグを屠った者に、少々興味がありましてねぇ。」


「それは俺だ、と言ったらどうする?」


「いえいえ!どうするも何も!報復などを考えてここに来た訳ではありませんよぉ。」


「ではなんだ?」


「先も申し上げた通り、一目お会いしたかっただけです。」


「それだけの理由で誘拐事件を引き起こし、利用した賊どもを始末したのか。」


「ふふ。貴方様は誤解していらっしゃる。私共は何もしていないと申し上げているではありませんか……」


「それで通すのならもういい。貴様らはこれで全員か?」


「全員、と申しますと…?」


「透明化している者がいるはずだが。」


「これは失礼。出てこないと失礼ですよ…エンリ…」



 やがてスゥーッと女が現れた。



「…失礼致しました。」


「気を悪くしないでくださいねぇ。貴方様方は我々教会の者を敵視していると考え、少々警戒してのことですよぉ。」


「敵対する意思は無い、と?」


「我々に他意はありませんよぉ。ほら、エンリ。そちらの賊たちが接収していた身代金をお渡しなさい。」



 エンリと呼ばれた女が身代金をノックスへと手渡した。


 その際、軽く手が触れる。



「要らないのか?」



 ノックスの言葉にエンリがビクッと驚いたような反応をした。



「たまたま通りがかっただけですからねぇ。ふふ……それでは、我々はこの辺でお暇いたしますねぇ。」



 リームスはマジックバックからスクロールを取り出し、その上にリームスたちが乗る。



「他の連中に伝えておけ。報復をしたいなら俺はアステル島にいる、と。」


「ほう…アステル島ですか…ふふ。伝えておきましょう。」



 やがて魔法陣から光が放たれ、3人を包み込む。



「それではご機嫌よう、ノックス殿。」



 そうして光が収まると3人は姿を消し、残されたスクロールは燃え尽きていた。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 ウィンディア領の僻地にリームス達が現れた。



 予めここには退却用にスクロールを用意していたのだ。



「…ふぅ。なんとか無事に目的を達成することができましたねぇ…」


「だだだ誰も死なずなんて、さ、ささ、さすがリームス様ですぅ!」


「モーロックも、そろそろ姿を現しても構いませんよぉ。」



 そう言われ、モーロックがスゥーッと姿を現した。



「…任務完了。」



 普段は物静かで無骨なモーロックだがこの時は少し表情を緩めているような顔つきである。



「…エンリ?どうしました?」



 クーロやモーロックと違い、エンリは冷や汗を滝のように流し、青ざめていた。



「…リ、リームス様……あの者は一体…!?」



 ただならぬ表情のエンリの姿にクーロやモーロックにも軽く緊張が走る。



「…そうですねぇ……色々と収穫はありましたが、よもやここまでとは……ふふ……ふふふふ………これは教会も本腰を入れねばならいですよぉ……」



 リームスは話しながら、喜んでいるのか恐れているのか、どちらとも取れるような表情をしていた。



「リ、リリリ、リームス…様…?い、いいい一体何がわわわ分かったんですぅ…?」


「…我々教会は、とてつもなく強大な力を持った『魔王』と戦争になる、ということですよ……ふふふふふ……」


「えぇぇ!!?ま、まままま、魔王!!?」


「…それも、とてつもなく強大な、ですよ……アステル島に行くというのは、あながち出鱈目では無さそうですしねぇ。」


「…火龍討伐…?」


「そそそそんなの可能なんですかぁ!?」


「私の『鑑定』によると、レベルは2000を超えていますし、それに……」


「……そ、それに……?」


「…彼はすでに、地龍を倒しているようですよぉ。ふふふふ……」



 リームスは鞄から羊皮紙を取り出すと、自身の『鑑定』で見たノックスのステータスを書き起こした。



━━━━━━━━━━━━━━━


【名前】ノックス

【種族】ハーフデビル

【年齢】18

【性別】男

【レベル】2046

【HP】507856/507856

【MP】472680/473012

【力】20971

【すばやさ】18654

【スタミナ】24006

【魔力】46424

【スキル】斬撃耐性9 衝撃耐性10 自然治癒10 弓術10 槍術10 剣術10 格闘10 鍛治6 錬金6 料理5 短剣術9 毒耐性10 麻痺耐性10 呪術耐性10 精神耐性10 恐怖耐性10 暗視10 威圧10 隠密10 灼熱耐性10 極寒耐性10 雷撃耐性8 暗殺10 裁縫6 魔力制御10 残存思念解読 詠唱破棄 魔力感知10 気配感知10 手加減5 罠作成8

【称号】地龍殺し 魔王


━━━━━━━━━━━━━━━

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ