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【完結】理不尽に殺された子供に転生した  作者: かるぱりあん
第9章 ウィンディア防衛戦
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宿での作戦会議

 作戦会議室に静寂が訪れたところで、改めてガンベルが口を開いた。


「では改めて作戦会議だ。奴らは今後、またこの国へと攻め込んでくるだろう。先と同じ規模か、おそらくはそれ以上のな。

 そこで、まずは鳥人族が上空より偵察。その後は竜人族・獣人族により迎撃。巨人族・ドワーフ族は後衛。エルフ族はさらにその後ろから支援だ。」


「ちょっと待て!!そこの魔族らはどうすんだ!?」


 作戦を聞いていたシリュウが声を上げた。


「ノックス殿らはエルフ族らよりもさらに後ろ。というよりも基本的に戦いは控えてもらう。」


「な…!?ふざんけじゃねぇ!!グルーガの言うようにそんだけ力があるんなら手伝いやがれ!!」


「ふざけているのは貴様だシリュウ!!ノックス殿らはこの先この国を旅立つ者。その者に頼ってどうする!!

 この国は我らの国!!我らの手で守らなくてなんだと言うのだ!!」


「…チッ…!わかったよ…」




 その後、ようやく作戦会議が終了し、解散となった。



 ガンベルやグルーガに指摘されたものの、まだしこりが残っている者も多く、去り際にはノックスたちを睨めつける者もいた。



「お前が俺の肩を持つとは意外だったな。」


 ノックスはまだ会議室に残っていたグルーガに声をかけた。


「…フンッ!肩を持ったわけじゃねぇ!……ただ、アンタがいなけりゃ死んでた……もう少し早く助けて欲しかったがな……」


「フッ。お互い様だろう?それと、オーウェン殿は?」


「あの行商人なら、重症の俺らに高い値段で薬を売りつけてきやがったさ……くそっ!」


「それもお互い様だな。」


「……それだけか?俺を笑いに来たんならもういいだろ?」


「護衛戦にはお前も出るのだろう?」


「当たり前だ!!こんな傷など…」


 グルーガの言葉を最後まで聞く前にノックスは治療魔術で傷を完全に癒した。



「…なっ!?」


「次は向こうもかなりのモンスターを連れてくることが予想される。それまでに血を回復させ、戦いに備えておけ。」


 ノックスはそう言い、グルーガを背に部屋を立ち去ろうと歩き出した。



「お、お前っ!!」


「礼はいらん。」




 その後、ガンベルの案内により他の衛兵たちを治療した。


 牛乳代をぼったくった鳥人族の女は泣きながら土下座し、ぼったくった5000ダリルをそのまま返すだけでなくさらに1000ダリル上乗せして返してきた。


 さらにその後、回復されたことですぐさま牛乳を買いに飛んでゆき、1ガロンの牛乳を届けてくれた。


「ここまで超特急で買いに行ってくれた礼だ。」


 と言い、1000ダリルのチップをあげると女はまた泣いて土下座して感謝していた。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 宿を取り、ノックスたちはようやっと部屋で寛ぎの時間を満喫していた。



 マジックバックに入れっぱなしのノアを外に出すと、ピョンピョンと飛んで走り回っていた。


「ノアちゃぁぁん♡ほら、ボールでちゅよ〜♡」


 アインは宿を取るまでに立ち寄った店でいつの間にか購入したボールをノアに与えて甘えた声を出していた。


 ノアは与えられたボールに抱きついては転がって遊んでいた。


「はぁぁ…俺の癒しッス〜♡」


 アインはノアにメロメロのようである。



「ノックス様、これからどうされるのですか?」


 ノエルが今後のことを尋ねた。


「モンスターの大群からの防衛戦、か。ノエルはどう思う?」


「この国の衛兵は質こそ悪いですが、数は膨大です。相手の勢力次第かと。先のモンスター程度であれば数の力でなんとかなるかもしれませんが、今度はあれと同じレベルのモンスターを寄越してくるとは思えません。」


「確実に上位のモンスターを引き連れてくるだろうな。」


「あのシリュウとかいうムカつく竜人族、自信満々そうだったッスけど、ホントにやれるんッスかね?」


「各々の特性を活かして連携が取れればある程度のモンスターなら倒せるはずだろうな。…ま、あまりそれは期待できそうにないが。」


「奴らがいつ襲撃に来るか分からん以上、今から仲良く連携の訓練など期待できそうにもないだろう。」


「そうですね。ちなみにノックス様の感知スキルでは近くにそのような者らの気配などは?」


「試してみたが遠すぎてわからん。森の中にはいくつも村があるようで、ここからではどれが首謀者なのか検討も付かない。」


「左様ですか。次の襲撃時に首謀者も来ると思いますか?」


「先の襲撃が先発隊ならば、次は本陣で攻めてくるだろうな。」


飼い慣らし(テイム)スキルなんッスけど、強いモンスターを飼い慣らし(テイム)するなら近くに術者が来るはずッスよ。」


「なるほど。……ノエル。奴らが襲撃に来た時はお前は気配を殺して奴らの後方へ回り込めるか?」


「可能です。」


「よし。だが見かけたとて直ぐに攻撃は仕掛けるな。もしかすると裏には大物がいるやもしれん。」


「12使徒とかッスか?」


「あぁ。一国を攻め落とそうというのだから、それなりの有力者が絡んでいるだろう。本人が来るかどうかは不明だが。」


「了解です。」


「アインはエルフの後ろで待機だ。」


「了解ッス!ノックス様は?」


「俺は国の入口付近の塔にでもいる。ノエルへの攻撃の指示は上空に火魔術を放って行う。アインへの指示は雷魔術で知らせる。」


「「了解です(ッス)!!」」

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