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いってきます
ガチャッ バタンッ
「ふぁぁあ…ねむ…」
大きな欠伸をしながら家をでる
家から学校まで
歩き10分、電車5分、歩き3分、
学校バスで40分の、
少し長い道のりだ
駅のホームについたとたん
「おはよ!」
声をかけられるリッカ
「おはよう、セツ」
リッカの顔には笑みが浮かんでいる
セツと呼ばれているのは
犬居 雪 イヌイ セツ
リッカよりも背の高い顔の整った青年だ
リッカの彼氏でもある
「リッカ、寝癖ついてるよ」
微笑みながらリッカの寝癖を直すセツの
姿は見るものすべてを魅了するだろう
「ありがと、今日も
変わらずかっこいいね」
「ありがとう///」
「顔が」
「顔なの?!いや、
ありがとうだけど!いや、うん、
まぁ、ありがとう?!」
「どういたしまして」
おはようからここまでが毎朝の
リッカとセツのルーティーンなのだ
ルーティーンを終え、電車に乗る彼女ら
ラッシュ時ということもあり満員電車のなか
ガタンッ
「うわっ!」
ドサッ
「おっっと、リッカ俺に
掴まってて」
彼女を守るセツにときめいている人がいるのは
彼らには秘密だ