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魔法少女☆岩田さん  作者: 山田ミミィ
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第二話変なオッサン

まーったく魔の星から四時間かけて宇宙警察で一晩泊めてもらい八時間かけて地球、ペーパードライバーの俺にはキツ過ぎるぞ。まあ無事に地球にたどり着いたからまあ良しとしよう、にしても地球という星は綺麗な星だよなあ。ウチの星じゃ飛行機何て殆ど飛んでないからな。まあ場所によるんだろうが平和な星だな。まったく贅沢な星だよここは。あとすげぇ暑いな。

とりあえず東京って場所を目掛けてやってきたつもりなんだが、いちおうこの六人の女の子の家回ってみるか?東京に住んでいるのは、この大橋佳純おおはしかすみちゃんって子だけか。えーと東京の渋谷ってとこだな。つーか本当にここは東京なのか?いちおう聞いといた方がいいな、あっちに人がいるから聞いてみよう。確かガイドブックによればこう訊くんだったよな。

「あのどうもすいません、ここって何県ですかね?」

「あっここは横浜ですよ」

「ヨコハマですか、ありがとうございます」

おお、ここはどうもヨコハマという県らしいぞ、やっぱり東京では無いみたいだな効いてみて良かったよ、ちと間違えてしまったかな?えーと地図で見てみよう地図で、ヨコハマ県って無いなぁ、えーと東京ってのは日本なんだよな、なら日本にヨコハマ県ヨコハマ県、見つからねえなあ、何故だ?えーととりあえず東京の周りは千葉、埼玉、山梨、それと、神奈川県?って、えっ?まさか全然違う場所に来てしまったのか俺は?いやもしかしたらさっき俺が聞き間違えたのかも知れない、他の人にも訊いてみよう。

「あのすいません、ここって何県ですか?」「えっ、横浜ですよ」

「ですよね、ありがとうございます」

いやいやヨコハマってしか聞こえないんだけど、えっ?ヨコハマ県って何処にあるんだ?

地図を見てもまったく見つからないんだが。まあでも誰かに訊いてみないことには前に進めないよな、息子が地球に来てしまったら大変なことになってしまうからな、急ごう。

「すいません」

「わー!なっ!わー!」

なんだこのオッサン!後ろから話しかけたら、話しかけたオッサンが凄い驚いたんだが、そんな驚くところか。

「すいません、急に話しかけて」

「いえいえこちらこそビックリしすぎてごめんなさい」

あーでも凄いニコやかで優しそうな人だな。

「あのここって何県ですかね?」

「あっ、もしかして大喜利ですか!ちょっと待ってください、えーとここはもちろん前売り券です!って前売り券って」

えっ?今何て言ったんだこいつ?えっ?もしかして自分でボケて自分で突っ込んだのか?ちょっとわかんなかったな、てかすげぇ見つめてくるんだがこのオッサン、何かヤベェ人に声かけてしまったんじゃないのか?

「あっ面白くなかったですか?」

「えっ?いえ、あっ、えっ?」

やっぱボケたんだな、そして自分で突っ込んだみたいだな、何かわからんがあまり関わっちゃいけないような人の気がするなあ。

「じゃあ、お手本が見たいなあ」

えっ?お手本?

「あのここって何県ですか?」

えっ?ヤベェぞこいつ!初対面で逆に質問してきたんだけど何なんだよ。まだ地球に来たばかりなのに、ただ俺はここが何県か訊きたかっただけだっつーのに。何なんだこのオッサンは。

「えーと、えーと」

でも何か答えとかないと不自然だよな。つーかすげぇ見つめてくるじゃねーか、そんな期待して見ないでくれ、まったく何なんだこのオッサン変わりすぎだろ!それとも地球つーのはこんなのがいっぱいいるのか?いや前に来たときはこんな人いなかったからきっとこの人が変わっているんだ、絶対にそうだ。

「えーと、あっ、ヨコハマ県!」

最悪な答えだがもうこれしか思い付かなかったよ。地球人じゃない俺にとってはまずボケになるのかすらわからんが。

「おもしろーい!めちゃくちゃおもしろいじゃないですか!えっ?まさかあなたは笑いの天才ですか?」

いやいや天才じゃねーし、何処が面白いと思ったんだよ。

「あっ!もしかしてツッコミ待ちでした?ごめんなさい!じゃあツッコミますね!いやいや何を言うてまんねん、ヨコハマ県やなくて神奈川県やないかい!」

いやいや別にツッコミ求めてなかったからね、急にツッコまれても困るだろ!って、

今このオッサン神奈川県って言わなかったか?言ったよな神奈川県って。

「あっ!ちょっと待って!」

「はい」

神奈川県って確か地図にあったよな、確か、千葉、埼玉、山梨で後一つ、神奈川県!よしやったぞ、ここが神奈川のどの辺かわからないが東京に近いぞ、順調に到着してるじゃないか、よしまず最初はこの東京に住んでいる大橋佳純ちゃんに会いに行こう、えーと写真も準備して。

「あの?そんな子供の写真持ってもしかしてあなたロリコンですか?」

「ロリコンじゃねーわ!あっごめんなさい反射的に言っちゃっいました、ごめんなさいね」

しまった、ついツッコミを入れてしまった、何かこのオッサンといるとリズムが狂うなあ、適当に挨拶してこのオッサンからひとまず離れよう。

「あっ、ありがとうございました、それでは失礼しますね」

よしダッシュだ!こっちが東京かわからんがあの変なオッサンから逃げないと、そう思って何年ぶりかわからないが俺は全力疾走をしたんだが。

「待ってえ!」

いやいやいや後ろからあの変なオッサンが追いかけてきてるんだけども、えっ?どうすりゃいいんだよ?何て考える前に。

「もう無理、走れない」

ダメだ久しぶりに走ったら死にそう、とりあえずあの小さな公園で休もう、じゃないと死んでしまう。いかんなオッサンが走るもんじゃないな。

俺はフラフラしながら公園のベンチに倒れ込んだ。前に来たときも思ったんだけどさ、地球という星は暑すぎじゃねーか?

「大丈夫ですか?こんな七月の暑い日にオッサンが走ったら死にますよ」

そう変なオッサンに言われたが、このオッサンは見た目は六十歳越えてそうなのに息もきれる事なく走ってやってきたが、何故息が切れてないんだ?こっちは返事すら出来ないのに。

「あの何か飲み物買ってきましょうか?」

「お、お願いします」

「じゃあ飲み物はカレーがいいですか?ラーメンがいいですか?」

死にかけの俺にはそのボケにツッコミを入れる元気はなかった。なので少し間を開けて、

「いやいや何を言うてまんねん、それどっちも飲み物ちゃうやないかい!」

と変なオッサン自らツッコミを入れて何処かへ走って行かれた。

俺は動けないので空を見てることしかできないでいた。そして思ったまだこの地球という星にはセミがいるんだなあと鳥も。昔は魔の星にも、何て昔を思い出していた。

昔は魔の星でもこうやって地上に出て空を眺める事が出来ていたのに、今はそんな事をしていたら死んでしまう、それくらい宇宙ゴミの量は増えて、そして落ちてくる威力も凄まじい、正直あの星から出ることですら命懸けだった。魔法は使えないが地球という星が本当に羨ましいと思う。空から何か降ってくる恐怖が無い何て本当に羨ましすぎる。いつか魔の星も元の様な姿に戻ってくれたらな。

「買ってきましたよ、カレーとラーメン、どっちがいいですか?」

変なおじさんが戻って来たみたいだが、まだ俺はツッコミを入れる事が出来なかったので、

「いやいや何言うてまんねん、さっきも言いましたけど、カレーもラーメンも飲み物ちゃいまんがな」

自分でツッコミを入れていた。

「あっ水飲みます?」

「飲みます」

このオッサン変なオッサンではあるが、優しい人みたいだな。俺は変なオッサンが買ってきた五百ミリのペットボトルに入った水を貰うと一気に飲み干した。

「ありがとうございます、助かりました」

この変なオッサンがいなかったら俺はこのまま公園で倒れて死んでいたかも知れない、これは全力で感謝せねば。と思ったが、いやていうかこの変なオッサンから逃げるために走ったわけだし、しかも追いかけて来たから逃げたわけで、俺が死にそうなのはこの変なオッサンが原因だといっても過言では無いはずだ。

「あの何か落としてますよ」

そう変なオッサンに言われたが何を落としたのかわからなかった、ベンチに倒れるとき落としたのであろう。そう思いながら変なおじさんの方を見ると。どうやら俺は茂さんから貰った女の子達の写真を落としてしまっていて、変なおじさんはそれを手に取ってじっくりと眺めていた。

「やっぱりロリコンじゃないですか」

「ロリコンじゃねーわ!」

反射的にツッコミを入れてしまったが、写真を何枚かめくった変なオッサンはある一枚の写真を見て手が止まった。

「ちょっとロリコンさん、あなたなんで沙恵ちゃんの写真を持っているんですか?」

えっ、沙恵ちゃんつーのはあれか、茂さんの推しの子か?てか何でこの変なオッサンが知ってんだ?まさか沙恵ちゃんつーのは有名人なのか?確かに見た目はかなり可愛い子だったしアイドルとかにいてもおかしくないというか、すげぇ人気が出そうな顔をしていたしな。

「まさかロリコンさんあなた沙恵ちゃんのファンとかですか?」

ファン、ということはやはりこの岩田沙恵ちゃんという子はアイドルなんだな、これは流れ的にそうだと言った方がいいな絶対に。

「そうですね、実はそうなんですよ」

「やっぱりそうなんですね!ではどうぞうちの家に来てください」

「えっ?」

みたいな流れで何故か俺はこの変なオッサンの家に来てしまったのだが。めちゃくちゃ良い家だな広いし庭もあるし、後奥さんも凄い良い人だ。つーか地球人は庶民でもこんな良い家に住めるのかうちの星とは大違いだ羨ましいのお。でも早くこの女の子達六人を見つけないと息子が地球に来てしまう、こんなところで時間を無駄にする訳にはいかない。俺には時間が無いんだ。

「あの、僕ちょっと時間が無いので帰りますね」

「待って待ってロリコンさん」

「そうですよロリコンさんせっかく来て頂いたんだからご飯くらい食べて帰ってください」

「奥さんの方にロリコンさんって言われるはちょっと」

「そうですか?」

とりあえず最初はこの東京に住んでいる、まあまだ住んでいるかわからないが、大橋佳純ちゃんの実家に行ってみないとな、まあもう結婚して子供もいるかも知れないが、行くだけ行ってみよう。

「ロリコンさん待って、鹿児島の親戚から芋焼酎送ってきたから一緒に飲みましょうよお」

「それはもしや焼酎というやつですか?」

「もしかしてお酒はお嫌いでしたか?」

「大好きです!!!」

今から色々と話すが、先に言っておこう言い訳は一切しない。まず私は一口だけ飲むつもりだったんだ、一口だけ、これは地球を視察する為であり、もしかしたら息子が地球に来たときに交渉で使えるかもと思ったからだ、確か息子は普段全くお酒は飲まないらしいが、もしかしたらがあるかもしれないので、味見程度いや毒見程度で頂いたつもりだったんだ。だからこれは仕事みたいなもんだな。

「ロリコンさん昨日は楽しかったですね、ロリコンさんの飲みっぷり本当素晴らしかったなあ、僕が止めてもガンガン飲んでましたもんね」

「そうでした?そうだったかな?何かすいませんでした、ご迷惑をかけてしまって」

「何言ってんすか、全然迷惑なんかじゃないですよ、なあお前もそう思うだろ」

「そうですよ!あんな楽しい時間を過ごせたのはロリコンさんのお陰です」

「そうですか?なら良かったです」

まあ色々言いたい人もいるであろうが、凄い良い人達でついな。

「それではお世話になりました」

「はい、それではお気を付けて、また遊びに来てくださいね」

「はい、それでは」

こういう事があると心の底から思うよ、地球を滅ぼさなくて良かったって。

よし岩田沙恵ちゃんの今住んでる場所も教えて貰ったし、さあ向かうとするか。ていうか何であの夫婦が沙恵ちゃんの住所知ってんだ?

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