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魔法少女☆岩田さん  作者: 山田ミミィ
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第一話宇宙警察

「ふざけんなバカやろう!こっちは朝から四時間かけて来たんだぞ!」

あーもお宇宙警察に来たのはもう二十年ぶりくらいになるというのに警察は何も成長してないな、二十年前も嫌な対応されて受付で怒鳴った記憶があるよ。だいたい相談者の数がこんなにいるのに対応してくれるのが一人ってふざけんじゃねーよって話だろ。それにこっちは緊急事態だからわざわざ遠くの星から慣れない宇宙船に乗って遠路はるばるやって来てんだぞ、しかも大事な話しだからしっかりスーツで正装してきてやったのに、なのに何だこの対応はまったく。まあでもここは一旦落ち着こう昔とは俺も違うんだもう来年で五十歳になる、こんな小娘相手にイライラしてる場合ではないんだ、ここは大人の余裕というやつを見せていこう。

「あのね、息子が地球を滅ぼすって言ってるの、地球人滅亡計画を考えてるの、ヤバいでしょ地球人が滅亡したら、大変なことになるでしょ、でも俺みたいな小柄なおじさん一人じゃ何も出来ないじゃない、だから宇宙警察って凄いじゃない!もうねー凄い宇宙船も持ってるし、施設も凄いでしょ、あっ!あと最近発表したロボット!あれ何か凄いよね、だからさ宇宙警察さんにね、何とかして欲しいってわけよ!どう?」

「無理です」

「何でだよ!てかこっちはいっぱい喋ったのに四文字で返すとかやめて!」

まったく何なんだこの態度は宇宙警察だからってイイ気になるんじゃねーぞ、こっちは毎年とんでもねぇ額の宇宙税払ってやってんだぞ。受付のネエちゃんが可愛いから精一杯気持ちを抑えて言ってやってるけど、こんなの普通だったら殴ってるぞ。

「あの次の方がいらっしゃいますので、そこを退いて貰えますか?」

「いやいやだからね!地球が大変な事になるんだって!」

「退かない場合警備のものを呼びますがよろしいですか?」

「ああ!どんとこいだよ!」

俺は絶対にどかねーぞ、1ミリも動かねえからな。とか気合いを入れて居座ろうとしたんだが、その後体のデカい男に掴まれて小さな部屋に連れて行かれちまったよバカヤロー。そんで掴んできた男は結構なオッサンというよりジイさんだったんだが力がとにかく強くてよ必死に抵抗してんのに小柄の俺は何も出来なかった。何なんだこのデカいジジイは!

「離せクソジジイ!」

「わかったわかったから落ち着け」

このクソジジイは俺を部屋にあった黒いソファーに放り投げやがった、だから直ぐに立ち上がって反撃してやろうと思ったんだが。

「何があったか知らんがあんたまあまあいい歳してんだろ、落ち着けよ」

まあ確かに来年で五十歳になるし一旦落ち着こうとは思うが、たださっきの受付のすげぇ可愛いネエちゃんの態度に俺は怒りを抑える事ができないでいた。俺は一旦座ってまた直ぐ立ち上がって、

「何なんだあの受付のすげぇ可愛いネエちゃんの態度は!こっちは魔の星から遠路はるばる五時間かけて来てんだぞ!」

と少し盛ってしまったがジジイに俺の怒りを全力でぶつけた。そしてそのときに気が付いた。俺だけじゃ無くて目の前のジジイも。

「お前さん魔の星って、あのアゴルンモアから来たのかい?」

「ああ」

「もしかして松ちゃんか?」

「ああ、そうだけど、えっ?もしかして茂さんか?」

「そうだ!久しぶりだな松ちゃん」

俺を捕まえたジジイは俺の知り合いだったと。まあ知り合いつっても。

「確か松ちゃんが地球を滅ぼすって言ってたのが二十年以上前だから、それ以来だよな」

「そうだな!つーか茂さん老けたなもうジジイじゃねーか」

「もう六十歳過ぎたからな、今は警察を退職して警備員やってる、松ちゃんももういくつになった?」

「俺か、俺ももう四十九歳だよ、来年で五十歳だ」

「もうそんななるのか早いな、じゃあ息子ももう大きくなったろう」

「まーな、ただ大きくなったはイイが俺に似過ぎちゃってな、あの頃の俺と同じこと言い出しちまってさ」

「ははっ!それで宇宙警察に相談しにきたのか!そっくりじゃないか!」

てな感じで茂さんとの会話でマスを埋めてたんだが、この人は俺にとっては恩人みたいな人でな、もう二十年以上前の話しになるが、俺も昔地球人を滅亡させてやろうと思った時期があってそん時必死なって俺を止めてくれたのがこの茂さんなんだ。まだあの頃は俺も若かったし力も強かった、それに我々が住む魔の星アゴルンモアは他の星に比べてマントルが地上からかなり近い場所にある、しかも他の星では溶岩などでマントルの力は抑えられているが、我々の星には溶岩が無いのでマントルの力がそのまま吸収できる、つまりマントルの力を使って地球人がいう魔法というものを我々は使うことが出来る。でもそんな俺を茂さんは体を張って止めてくれたんだ。最終的には茂さんがきっかけで地球人滅亡計画を中止にしたわけでは無いが、俺はあん時地球滅亡というとんでもないことをしなくて良かったと今は心から思う、だから息子にもそんな事はしてほしくない。

「まあいずれは松ちゃんの後を継いで魔の星の大王になるわけだしな、地球人を滅亡させた何てなったら宇宙警察が捕まえて牢獄ろうごくから一生ださないだろうからな」

「そうなんだよ、息子だしさ気持ちは凄くわかるんだけどさあ、口で言っても聞かないのよ」

「まあお前さんも当時、俺の言うことは全く聞いてなかったもんな」

「若かったんだよ俺も」

「確かにな。ていうか息子が地球に怒ってるつーことはまだ続いてんのかい?例の宇宙ゴミが?」

「まあな」

俺が二十歳の時にオヤジが死んだ、降ってきた宇宙ゴミに当たって。笑うやつもいるぐらい珍しい出来事だったし、オヤジは魔の星の大王なだけあっていつもボディガードがしっかりと付いていたのにだ。うちの星はもともとマントルの力のせいなのか隕石とかが宇宙から落ちてくることは凄く珍しいことではなかった。でも我々も地球人と同じように当時は地上で暮らせるぐらい本当ごくたまに落ちてくるくらいだったんだが。俺が魔の星の大王となってから年々その数は増えていき、オヤジの死から五年が経過したころには我々魔の人間は地上に住むことが出来なくなってしまった。オヤジの死から何故急にこんな宇宙ゴミが増え出したのかはわからないが、その宇宙ゴミの殆どが地球というブラックホールを越えた先にある星のものだと知ったときは怒りが爆発しそうだった。地球は急激に発展している星で沢山ロケットや衛星を飛ばしていて、そのゴミの殆どが我々の星に流れ着いてしまっていた。死者も沢山出た、地獄の様な光景を沢山見てきた。だからこの星の大王として地球を何とかしなければという思いがいっぱいになった。しかも地球人は魔法も使えない人間だという、なら魔法を使って痛い目にそう思って、1999年7月に私は地球を滅ぼす為に地球に向かった。

慣れない宇宙船を運転してやっとの思いでブラックホールまでたどり着いたとき、そこで初めて茂さんと会った。最初俺は茂さんに、

「何でここでゴミを止めないんだ!お前ら宇宙警察だろ!こっちは結構な金額の税金払ってだよ!それぐらいしろよ!」

とワーワーギャーギャーと暴れた覚えがある。茂さんは、

「すまんな、何も出来なくて」

そう俺に何度も謝ってくれた。そして茂さんはまだ若かった俺にこう言ったんだ、

「地球を滅ぼす何てことをするな、もしそんな事をしたら、地球にいる少女達がお前と戦わないといけなくなるだろ!お前はどうでもいいが少女達が可愛そうだろ!」

ってね。

まあそれを聞いて余計に腹が立ってそのまま地球に向かって、結局何もせず戻ってきたんだが。ちょっと待て。

「茂さん!」

「なんだ?」

「昔、俺が地球に行こうとしてた時、茂さん地球にいる少女達が俺と戦わないといけなくなるだろって言ってたよな?」

「俺とか?」

「茂さんとじゃねーよ!俺だよ!俺!」

「松ちゃんとか?あーそうだったけなあ?」

「覚えてねーのかよ!」

「最近もの忘れが酷くてなあ、確か魔の星の石を触ると魔法が使える可能性がある中学生くらいの女の子が六人いて、その子達がお前と戦う予定だったまでは覚えてるんだけどな」

「しっかり覚えてんじゃねーかよ!」

てな感じで茂さんは相変わらずボケたのか、ボケてんのかはわからないが、とりあえずこの情報はいい情報だ。

「茂さんその女の子達の住所とかわかんねぇかな?」

「何だお前ナンパすんのか?」

「するわけねーだろ!」

「じゃあ何すんだ?」

「決まってんだろ!戦ってもらうんだよ!」

「誰と戦うんだよ?」

「うちの息子とだよ!」

「はあ?おいおい松ちゃんいくらなんでも、そりゃ難しいんじゃねーか?」

「何でだよ?」

「今この子達が何歳だと思ってんだ?」

「三十歳半ばくらいだろ」

「いいか三十歳半ばつったらもう皆結婚して子供がいてみたいな状態だぞ、戦うってなったら命かけなきゃならないんだぞ、皆もう母親になってるそんな相手に命を張れとは言えないだろ」

茂さんの言うことにはさすがに何も言い返せなかった。確かにウチの星の都合なのに何も関係ない地球人に手伝ってもらおうと考えた俺がバカだったよ。ウチの星の奴らに頼みたいが大事おおごとにしたくないんだよなあ、言ったら逆に地球を滅亡させよう!みたいな奴らが集まって逆に危なくなりそうだしなあ。ウチの星の奴らは地球嫌いな奴多いからなあ。はあ、一人で何とかするしかないかなあ。

「いちおう渡しとくよ、彼女達の住所だ」

そう言って茂さんが古びた紙を渡してくれたんだが。

「いやいやあんだけ説得しといて住所渡すのかよ!」

「それを使うかはお前次第だからな、俺は知らん」

「無責任だなあ」

「あと写真もあるぞ当時の写真だがな」

「写真まであんのか、これは助かるよ」

「ちなみに俺の推しはだな」

「推しがいんのかよ」

「この岩田沙恵ちゃんだな!他の子も可愛いが俺がプロデューサーだったらこの子を絶対にセンターにするな、まずこの目の輝き方が素晴らしいだろ、そしてこの口角の上がり方!こんなの十年に一人、いや二億年に一人の逸材だ!」

「いや逸材すぎるだろ!」

てな具合にいちおう写真と住所を貰ったが、一応向かうとするか地球に、今更魔の星に戻ってもな。

今息子は地下の深い場所でマントルのエネルギーを体中に溜めている頃だろう、エネルギーが溜まったら息子が地球にやってくる、その前に地球で出来ることはしておきたい。息子が地球を滅ぼすような犯罪者になってほしくないし、地球の人も誰一人と死んでほしくない。どうにかそうなるよう俺が頑張ってみないとな。

「松ちゃん!他にも岩田沙恵ちゃんの写真あるけどみるか?」

「いやいや!他にもってんの!てか百枚くらいあんじゃねーか!」

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