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016.3つのお約束

 家に帰ると久しぶりに停滞していたプログラムをくみ上げて行った。


 パソコンの開発は出来ることが多すぎて、ひとりで楽しむには時間が掛かりすぎる。


 このため、俺は出来ることが比較的制限されている携帯アプリのプログラムをしている。


 先日は東方もかくやというほどのシューティングゲームを作っていた。


 だが、飽きたため今日は905iから搭載されている直感ゲームのアーキテクチャ「ジェスチャー・リーダー」を使った実用的なアプリを完成させようとパソコンを起動した。


 iアプリの場合、開発環境はいろいろあるが、特に不便は感じないため俺は標準のものを使っている。


 この辺から一行が長くて嫌になり始めてきたwww


 w


 www


 wwwwww


 wwwwwwwww


「ふぅ」


 草植えている間に出来たwww


 マジ、俺天才www


 実行ボタンを押すとアプリがパソコンの中で起動する。


 パソコンにつけられたWEBカメラが携帯のカメラの変わりになる。


 適当に動かすとジェスチャー・リーダーで取得された移動量が画面に表示された。


 面白いwww


 パソコンの画面上で動いている数値で興奮している俺はニューメリックwww


 プログラムをタイプして、実行ボタンを押したときに思ったとおりの動作をする。


 これがプログラムの醍醐味www


 パソコンはすでに俺色www


 っていうか、俺の携帯アプリをダウンロードしたら、そいつの携帯も俺色www


 マジきもいwwwうぇっwwwwwww


 やっぱ、今日は寝よwww


 グッナイwww


 


「おはよー」


 今日も眠いななんて思って歩いていると、優里が後ろから声をかけてきた。


「おは」


 俺は手身近に挨拶を返す。


「これ全部読んだよ」


 昨日貸した『はじめてのC#』を手渡してきた。


「すごいな……」


 内容まで理解できたとしたら、その才能はすごいものだ。


「でも、あんまり理解できなかったから、部活で教えてね」


 優里はなぜか微笑んでいた。


 まるで部活をするのが楽しいかのようだ。


 女の子ならプログラムなんて面白くもないだろうに。


「でも、これだけは覚えたよ」


 そういって目の前に三本の指を立てた。


「処理・分岐・繰り返し! すべてのプログラムはこれで出来てるんだよね」


 そこが理解できていれば後はたやすい。


 もしかしたら開始2日目にして素数かどうか判定するプログラムを組めるようになるかもしれない。


「じゃあ、今日も放課後部室に集合な」



 


 


 


 俺は優里の成長が早くも楽しみになっていた。


 高校に入ってからはじめたプログラムだが、周りの友達には仲間となりえる奴がいない。


 そうは思っていなかったが実際に仲間と呼べる優里が入ったことで、少しウキウキしている自分を見ると、やっぱり寂しかったんだなと理解できた。


 さて、頑張って部活やるぜwww


 俺は次第に優里の影響を受け始めていた。


 


 これからの俺はビwンwビwンwだぜ!!


 

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