初めての魔法
光に包まれた唐木は5歳に成長していた。
「今の力じゃ5歳が限界かしらね」
「あー、あー、喋れる...」
「あら、立派な龍語じゃない」
え、おれ龍語で話してたの?
《アドバイザー》特殊スキル【龍語】の効果により自動的に翻訳されています。
なるほど...便利な能力だな。
「それよりあなたの名前はカラキ リュウキよね?長いからリューって呼ぶわね」
勝手に決められた...。まぁ呼び方はどうでもいいか
「あぁ、わかった」
「ふふ、それじゃ早速特訓ね!」
「おいおい、そりゃまた急だな」
「私だって、もう年でずっとは生きていられないわ。そのあとからは、リューが一人で生きていかなきゃいけないのよ?」
「それもそうか...」
「それはそうと、さっきステータス確認させてもらったけど、スキルスチールってどんな能力なの?私の今の力じゃ詳細まではわからないのよ」
「見たもの、体に受けたものをLv.MAXの状態で獲得できるものらしい」
「それって...」
「ん?どうした?」
「い、いえなんでもないわ」
なんなんだ?
「このバド洞窟を出ると、マング森林が広がっているから、そこへ特訓ついでに魔物を狩ったりして今日のご飯は探しにいきましょ」
「魔物?いや待ってくれ、こんなステータスでどう戦うんだ」
—————————————————————————-
種族:人間(?)
呼称: リュー
性別:男
年齢: 5歳
状態:通常
LV.:1
HP:25/25
MP:200/200
攻撃力:8
魔法力:12
防御力:7
素早さ:8
特殊スキル:
【龍語Lv.MAX】【ステータス】【アドバイス】【スキルスチール】
通常スキル:
称号:
【つまらない男】
—————————————————————————-
年齢が上がったせいか基本的なステータスが上昇している。
だがそれでも魔物の強さはわからないが、とてもじゃないがこんなステータスで勝てるとは思えない。
「それもそうね。どうしたものかしら」
「ドラゴンのスキル、魔法とやらを見せてくれないか?スキルスチールでスキル獲得して最低限戦えるようにしておきたい」
「いいアイデアね!そうしましょ。でもドラゴンじゃなくてお母さんって呼んでちょうだい」
「くだらないこと言ってないで早くスキルを見せてくれ。」
「もう、つれないわね。いいわよ。ついて来て」
洞窟の裏手に回ると一般的な体育館5個分は、あるであろう広い場所に出た。
「こりゃすげーな...」
「ふふっ!驚いた?私も昔はここで魔法スキルの練習してたものよ」
このドラゴンはずっとここに住んでいたのか。
「とりあえず出来るだけの魔法スキルを見せてくれ」
「了解よ」
—————————————————————————-
通常スキル【火属性魔法Lv.MAX】を獲得しました。
通常スキル【水属性魔法Lv.MAX】を獲得しました。
通常スキル【土属性魔法Lv.MAX】を獲得しました。
通常スキル【光属性魔法Lv.MAX】を獲得しました。
通常スキル【闇属性魔法Lv.MAX】を獲得しました。
通常スキル【重力魔法Lv.MAX】を獲得しました。
通常スキル【治療魔法Lv.MAX】を獲得しました。
特殊スキル【古龍魔法Lv.MAX】を獲得しました
特殊スキル【龍魔法Lv.MAX】を獲得しました
—————————————————————————-
あらかた覚えることはできたが、【龍の牙】【龍の爪】は覚えることができなかった。
牙と爪が無ければできないということだろうか。
「どう?魔法を覚えた感想は」
「ああ、なんか膨大な情報が頭に入ってくる感じだ」
「それはあなただけよ。他の者たちは練習してコツコツできるようになる物だもの。まさか龍魔法、古龍魔法まで覚えるとは思ってなかったわ」
「それってすごい魔法なのか?」
「さっき見せた技は一番威力の小さい物よ」
おいおい、さっき見たやつでも洞窟の壁に穴空いてんぞ...。それが一番威力の小さい物って。
「龍魔法と古龍魔法は出来れば使わないでおいてちょうだい」
「ああ、わかった」
とりあえずリューは、覚えた魔法を使ってみることにした。
「魔法は詠唱が必要よ。たぶんそれは自然と頭に情報があるはずよ」
「たしかにあるな。どんな魔法か、どんな詠唱か」
「とりあえず、最初はショット系の魔法かしらね。特別高い威力も無く、少し壁に傷がつくぐらいよ」
ショットを打つときは最初に属性を唱えなければいけないらしい。
“ファイア”
そう唱えると掌に拳大の火の玉が浮かんだ。
「驚いたわ、最初からそのサイズの火を出せるなんて...」
続いてリューはこう唱える。
“ショット”
—————————————————————————-
攻撃系魔法を認識しました。特殊スキル【???】が発動しました。
!?
すると目にも追えない速さで火の玉は飛んでいき、洞窟の壁に着弾した。
遥か上空から大岩を落としたような轟音と共に洞窟の壁が吹き飛んだ。
その時に割れた岩がこちらに向かって吹き飛んできた。
「危ないっ!」
すると人化を解いた白銀のドラゴンが壁となり変わりに岩受け止めた。
「お、おい!大丈夫か!?」
「ええ、このくらい問題ないわ...」
するとシュウゥゥゥと音と煙と共に傷が塞がっていく。
—————————————————————————-
通常スキル【自然治療】を獲得しました。
脳内にいつもの無機質な声が響いた。