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人生の詰み
少年“唐木龍輝”は途方に暮れていた。
腹減ったー。喉乾いたー。
目を覚ましてから5時間程は経っただろうか。
もちろん時計なんて物はあるはずもなく完全な体内時計のみである。
俺どーなんの...。転生して新しい人生だと思ったら出だしから詰みかよ。やっぱりつまんねえ。
唐木はしばらくして眠気に耐えられずにその場で眠った。
すると辺りが一瞬暗くなったことに気づき目を覚ました。
なんかいま一瞬暗くなったよな...?
なんかでかい影が掛かったような...。
!?
おい...なんだよあれ...。馬鹿でけえドラゴン?
いよいよ詰みじゃねーかよ。
第二の人生を諦め始めた唐木の前にドラゴンが降り立った。
体調はおよそ50mはあるだろう大きな体に、白銀のとても煌びやかな鱗のあるゴツゴツとした肌。
羽を広げたら体調よりも大きくなるであろう羽。
白銀の肌の中で唯一の他の色をした紅色の瞳。
極め付けは、人を何十人も飲み込めそうな大きな口。
唐木は諦めた。
これやっぱり詰みじゃん...。