転生?
っ...。空からの眩しい光で目を覚ました“唐木龍輝”
おい、ここどこだ...。洞窟か?
なぜか動きにくい体を無理に動かし辺りを見渡してみる。吹き抜けの洞窟。空からは眩しい光がさしている。とても幻想的で日本とは思えないような場所だ。
マレーシアのバトゥ洞窟かよ..。
そんな誰も分りもしないような、つまらない小言を考えていた。
日々つまらない人生を送っていたので脳みそもつまらなくなっているのかもしれない。
とりあえず辺りを探索しようと起き上がろうとした。
あれ...?動けなくね?
唐木は異変に気付いた。
「うあー」
??
赤子の声がした。
いや違う。俺の声か?
体も思うように動かねえし赤子になってんのか俺...?
そんな時でも、たいしてつまらないリアクションをしてしまうのは唐木の今までの人生の事柄しょうがないことであった。
これって転生ってやつ?
唐木のつまらない人生の中でも本だけは心の拠り所となっていたため、この手の転生物の小説は読んでいたため状況の理
解が早かった。
もっと驚いてもよかったと思うが、つまらない男である。
唐木は思った。
こんな秘境の地で生身ひとつの、しかも赤子の体って...もう人生終わってね?。転生って言ったら前世で死んだまんまの体で来るもんじゃねーのかよ...。赤子転生とか不条理の極みだな。食べ物もあるか分からねえし...。いやそもそも赤子の体じゃ食えなくね?
また長々とつまらないことを考えている唐木であった。