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異世界の宇宙連邦?剣士  作者: 炉里邪那胃(惰眠狼)
新版・第一章
8/29

1-8.仲間

剣士ゼファと二人きりだ。

「そうか、()()()では師匠以外の人には会った事が無いのか。

その師匠はもう・・・?」

想定外の質問だったので返事に詰まってしまった。

死んじゃったことにしていいのかな?


「すまん、悪いことを聞いたな・・・そうか」

あ、そう解釈するよな、間が空けば。

いいヤツみたいだな。



転生者は生まれた瞬間からこの世界にいる、つまりこの世界の人間である。

宇宙というのは、一般には存在しない概念だ。

普通、転生者ならそのくらいの常識はある。

このような言葉を使うのは、故意に何かを探る目的も有り得る。


ゼファは違和感を感じ、一旦二人きりにさせたのだろう。

しかし・・・


俺が登録早々に、弱い魔物とはいえ完璧に狩っていること。

これは異常であり嫌でも目立つのに。

また、普通ありえない「ジャージ」としか見えない服装。

腕時計にしか見えない何か。

転生者のくせに、不用心に『剣技』持ちだとバラしてしまった事。


これらは山奥?で師匠と暮らしていた故のとんでもない無知によるもの。


結局全て考えると、俺の無知による天然発言だと納得したようだ。

これ以上意味のない疑念は持たないことにしたらしい。




全員部屋に戻して話を続ける。

メンバー2人もラミアさんも「ゼファの事」は周知だと言う。

もちろんギルド職員は本人が明かすまでは守秘義務を守る。



「つまりだ、資質をもった新人が出ても多くは便利に利用されるだけだ。

たまにリーダーとなれる者が出ても、多くは仲間を庇って死んだり。

生き残った中の一つが俺たちだ」


ラミアさんに頼んで、目立つ新人を探していたらしい。

身勝手な冒険者に使い捨てられないように。

そこへ「破格」の活躍を見せたのが俺だった。


しかも『剣技』持ちだという。

本当にそうなら普通は公言などしない。

大概は少しでも強いパーティーに入りたいための嘘だ。

道場で習ったりある程度練習して繕うが、そのうちバレる。


言葉の件といい、“常識に欠ける”ための天然の行動。

それが解った時点でゼファは決断したようだ。

その他の細かいことは保留してくれた。


「魔道具がダメになったらしいが、『剣技』持ちだけで十分だ。

これを選ぶ奴はレア・・・稀だ」

「もしかして、あんたもあそこで?」

女神っぽいガイジンを思い起こす。

今やガイジンだらけだが。


「ああ。

それよりだ、『目指せ、竜の撃墜王』に入ってくれるか?

当分基礎練習や、恩恵上げになるが」

「恩恵上げ?」

「女神の恩恵で強くなるためだ、まあ・・・レベル上げみたいな」


彼の言葉を信じるなら、願ったり叶ったりだ。

ガジェットの力を失った今、強くなりつつ生き残るため。

そのレベル上げ、で強くなれるということなのか?


ラミアさんを見ると、すぐ答えが返った。

「堅実で信用出来る人たちだと保証します、名前はアレですが」


「じゃあ、俺なんかで良ければお願いします」

「よっしゃあ!

あ、こっちの赤いのが魔法士のバンティ、最初の音は濁音だから注意な。

あっちの青いのは治癒士のヤリマ、・・・ノーコメント」

色は衣装の事だ、職業はそのままで分かりやすい。

紹介に気になる部分が。

「今の紹介って、元の現代風?

しかも、最後の感じ・・・日本人?」



答えはイエスだった。

あの名前はまずいよな・・・。


彼らが俺に関して知っている情報は、天然で変わっているのと狩りの成果。

完璧に信用したわけではないはずだ。


ゼファは『気配感知』だけは所持を教えてくれた。

お互い認め合い、信用出来るようになれば他の事も分かるはず。


俺の特技、『剣技』はギルドの書類からは削除された。

知るのは一部の職員と『竜の撃墜王』メンバーだけになった。





「まずはなるべく「常識」ぽい事中心に教えてよ」

「いいとも、いいともー。

さっきはいきなりだったな、許せ」

どう見ても『ゲッツ』ぽいポーズだ。

いや、もっと昔のお下劣少年漫画・・・は無いか。

いいともは放置で。

『転生者』に会え、しかも仲間に出来た事が嬉しくて堪らないようだ。

既に3人とも多少酔っているよう。

歓迎パーティーというやつだ。


泊っている宿屋の食堂だ。

宴会用の豪華メニューだが、Cランクなら余裕か。

ここなら間違い無い、うまいものが食えそうだ。


俺は身内の昔の話を簡単にし、飲まないと酒には手を付けず。

ここでも似たような事があるのか、全員解ってくれた。


「常識に関してはヤリマをつけるから、存分に教わりなさい。

わたしはそれ以外教えてあげる、お姉さんとお呼び!」

「お、教えますけど・・・バンティ、それ以外ってなんですか」

バンティは酒に弱そうだ。

新人らしくお願いしておく。

「よ、よろしくおねがいします」

「だからそれ以外って?」


ちょっと気になったので小声でゼファに尋ねる、何気に大事だ。

「3人はどういう関係?」

酒を吹きそうになったゼファはなんとか耐え、答えた。

「メンバーで結構長いが、それ以外はちっとも少しも全く関係無い」

答えがしつこいが、気持ちは分かる、気がする。

事実だろう。

「だがこれから2対2だ。チャンスはある!」

確定だ。



勘違いというか、泡立つ飲み物を飲むとシャンパンのような物だった。

ふわっとした感覚になった、アルコール入りか。

バンティの仕業っぽいな。

気分は悪くはないが、こんなもので人生を駄目にはしたくない。


その後もどうでもいい話は続く。

他の冒険者の誰が格好いい、美人だという話に終始した。

意外と役立ったのはその彼らの魔法の話だ。

定番というか、ファイアアローなど魔法の矢が実用的らしい。

氷柱とか、魔法は呼びやすい名前になっている。

アイスシールド、つまり氷盾が有用でこれが速く正確だと凄いらしい。


普通の剣技や剣全般の話はほぼ出なかった。





部屋に戻り体を拭き肌着を着替える。

体拭きセット返却は扉横に置けばいいらしい。

さっきゼファに聞いたとおりだ。

思ったとおり同じ宿。

転生者であるゼファのアドバイスは的を射ていてマジ助かる。


横になって、エルのことを思い出すがどうしようもない。

明日からどうなるのか、遠足に行く前夜の気分でもある。

複雑だ。



~~~~~~~~~~~~




「朝だぞ―、起きてるか―」

ドアが叩かれる音と声で目が覚める。

残念ながら男の声、ゼファだ。


食堂に4人揃った、昨日より遅いくらいか。

サンドイッチを頼む、皆似たような軽食だ。

「先に話さないとな。

コウの待遇は決めてあるが、気に入らなければ遠慮なく言ってくれ。

まず稼ぎは4等分。」

「ちょっと待って」

「最後まで聞け、位置はバンティと同じ中堅または安全圏だ。

コウが危険な獲物は避ける、とりあえずは。

狩りは早めに切り上げ、技術向上の対練に付き合うことも条件だ」

「しかし、稼ぎ4等分は多すぎじゃ」

ゼファはニヤッと笑う。


「8分の一とか出来高とか、考えたらきりが無い。

俺たちがお前を強くする、お前はただ生き残ってずっとメンバーでいる。

単なる取引、先行投資なんだ」

「・・・分かった」


「今まで倒した魔物は?」

「昨日ラミアさんが言っただけ」

「うん、ほぼ最初・・・いや脱初心者レベルだな」

「魔道具が壊れてまた初心者スタートだから、忘れないでくれよ」





「コウの装備だが、色々おかしいな」

外で俺の装備を確認するが、それ以前の問題だ。


「自覚してる、魔道具の盾のおかげだったから」

「それ、防御の付いたローブなのかと思ってたよ」

バンティだ。


「剣は・・・」

同時に俺は『棒』を取り出してみる、ずっと忘れてた。

取れない。

「魔道具の棒が使えない、ほんとは伸びるんだけど」

「レイピアの突きと聞いてたが、棒だったか」

「突きも出来るよう、先が尖ってたからな」



武具屋で買ったのは・・・。

最低限だが、流れ弾(魔法?)やまれに乱入する雑魚で死なない装備。

扱える重さの剣と、和式っぽい全身鎧をジャージの上に着る。

ジャージの下はほぼ地肌なので仕方ないが、密着しないし暑くもない。

2ゴールド(40万円?)いかないが、手持ちでは足りない。

パーティーの積立、というか共同の金からだ。

メンバーになった以上異論は認めない、と全員に迫られた。

いいやつらだ。




「もう確認事項は無いよな」

「なんか起これば分かるっしょ」

ゼファは意外と細かいが、バンティは適当そうだ・・・。

ヤリマはおとなしい。


「対練が楽しみだが今は我慢だな」

「期待しないでくれ」

ゼファを先頭に、バンティと俺、ヤリマの順に狩場らしき方向へ。



さて、何が出るのか。

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