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異世界の宇宙連邦?剣士  作者: 炉里邪那胃(惰眠狼)
新版・第一章
6/29

1-6.ここが現実世界・・・

「ここはVRじゃないよ、間違いなく。

レンズ…ガジェットの高度な解析が示してる」


いやいや、もしVR内なら当然そう言うんだろ・・・。

だが、そんな野暮な指摘はしないでおこう。

俺自身、解析など無くともちゃんと実感してる。

現実だ。


VRでこんな状況を作っても意味など無い。

いずれにせよ、ここで困らないようやっていくしかない。



ある意味最悪。


だって、恐ろしい事実――カニ宇宙人の襲撃――を伝えられて。

VR無料体験させられて。


多くの人を助けられる可能性があった。

いや、俺ひとりでは無理に決まってるが・・・。

その時は絶対見届けたかった、どんなに残酷な状況でも。



確かにこういう世界への憬れもずっとあった。

スキルとガジェットの相乗効果で強くなれるかもしれない。

でも、それは虚しいだけだ。


『帰る方法』を探すしかない。

どうしてあそこで「女神」に戻すよう食い下がらなかったのか。

今更ながら悔やむ。




無事に宿は取れた。

ベッドに上半身を投げ出し、エルと話している。


ゴブリンは解体・破棄料を引かれても新鮮な素材なので5シルバー。

計15シルバーになった。


4シルバーでこの宿で1日生活出来るギリギリだそう。

宿泊が2シルバー、食事50ブロンズ。

シルバーが千円、ブロンズが10円くらいかな?

食事500円とすると・・・。

宿屋が安いな、場所が違えば物の価値や値段は違って当然だが。


他の冒険者は自分で獲物を解体し、ヒイヒイ言って運んで1日分。

何匹狩れるか分からないし、命の危険もある。

そういう意味では文句の言えた義理ではないな。




あのあと解体職人の証言もあり即Eランク、金属カードを貰った。

ランクは最上級のAから、文字は違うがアルファベット順だ。

A、B、C、D、E、FのやっとEか。


ランクが上がれば優遇され、帰る目的に近づけるかもしれないが。

まずは焦らず情報収集するべきか。



とにかく現実を受け入れ、こいつと一緒に過ごすしかない。


「こいつ呼ばわりだけど、落ち着いたみたいで安心したよ」

「なあ、お前って何なんだろうな」

「テツガク的な話? まあ私はわたし」

「人工知能、機械なんだよな」

「・・・」


悲しみ、やるせなさが伝わってきた。

こんな事を言うのはもうやめよう。

「ごめんな」



晩飯を食いに食堂へ。


サラダとスープと芋に、ステーキ。

肉は塩胡椒だけの味付けだが、焼き加減がいいのか肉も脂もうまい。

イノシシだそうだ。

宿泊と比べた割合が高いだけある、物価の見方を改めないと。

食事は500円じゃなく、1000円くらいに見積もるべきかも。


15で成人だそうだが酒はやめておく。

親戚で依存症の人を見てたりして、酒には良いイメージが無い。


とにかく肉には満足した、今は幸せだ。



今日は体を拭くのは無し、汗もかいてないしめんどい。

靴を脱ぎベッドに飛び込む。

そういえば歯も磨いてない、寝間着や着替えも要る。

明日は早く終わらせて日用品も見に行こう。




そういえば、ここに来た時日本時間とそのまま同じだった。

女神は外人なのに・・・関係ないか。

エルに聞いてみよう。


「眠くなるまで話そう。目覚ましはいつもの時間で、わかるよな」

「おーけー」

食事中は居ないようにさえ感じたが、いつもの感じでまたいる。

よかった。


「時計だけど、修正はしてないね。

連続で同じなのか、何かがほかにあったかとか色々不明。

リマインドに入れとくから何か分かったら言うね」



「あのVRシミュレーションだけどさ、気づいた人はどのくらい?」

「初めてだったよ・・・、総数は秘密だけど。

偵察して無理ってみんなが言うのまで定形ね。

大部分の人はそのまま他の地域の探索に向かうね」


「戦闘を選ぶパーセンテージは?」

「こういうデータは傾向しか当てにならないよ」

「え?」


「行動はちょっとした条件で変わるの、体調とか気分でも。

どっちか選べないのに絶対答えが必要な場合、特にね。

条件を選んだり固定して、結果を作るとかもできちゃうし。

だから大きな傾向しか当てにならないの。

私達はそう教わってる」


分かるような納得行かないような・・・。

考え方も宇宙だと変わるのか、歴史に学んだとか?

世論形成のため、データ解釈による改変をさせないためとか?

考えすぎか。

「わたしもかなり掛けてそこまで理解したのに・・・」

え、合ってるのか?




話はあちこち脱線しつつ、そのうち一緒に寝た。

エルに実体があって触れられたのだが、眠くてどうでも良かった。

なにげに凄い技術なはずだが・・・。





~~~~~~~~~~~~





俺は寝起きが悪い。


エルアラームのおかげでなんとか起き、半分眠りながら食堂にいた。

口をもぐもぐ動かしていると目が覚めてきた。

サンドイッチだ。

程良いソースの着いた肉が挟まっていて、やはりうまい。

自分で頼んだのか記憶が無いが。


時間が早過ぎたか、食堂は一人だけだった。

俺の目覚めに気づいたのか、エルが(おはよう)と言ってくる。




ギルドには特に用も無い、そのまま狩りへ行く。


夢中にやっているうち、既にゴブリンとコボルト計18匹。

加速やバリアの注意点などレクチャーを受けながらついつい。

慣れて狩りの要領が良くなったせいもある。


狩りすぎ注意か?

一体どのくらい冒険者がいてどれだけ狩っているかも知らないけど。



ちなみにエルに聞いたのは加速での衝突などの危険と体表バリアについて。

体表バリアの場合は切断には強いが、打撃への効果はほぼ無いそうだ。

体が動かせるようにフレキシブルなので確かに理屈はわかる。

全身用防弾チョッキのようなものか。

知らずにいたのは何気にヤバかった。

もうやってたが、後方は体から離してバリア展開が基本だな。



昼にもならないが、連続の狩りで今日は多少汗をかいた。

着替えや日用品を忘れそうだ、町の散策も兼ねて先に買っておこう。

必要な物のリストはメニューにメモしておけるので何気に便利。


買ったものはリュックに詰めるふりで『インベントリ』直行。

脳内でちゃんと整理される。




まだ11時過ぎだ。

ギルドはまばらで、チラチラ見られるが話しかけて来る者はいない。


今更過ぎるが、鎧さえ着けず武器も杖も無い珍しい格好だ。

仕入れに来た業者とでも思われてるかも。

(いや、町の他の人と比べても変だから)

的確にツッコまれる。




暇そうな受付嬢に「18匹」と小声で伝えると焦っている。


10数分待たされ、やっと解体所に案内された。

職人の勤務の関係だそうだが、多分パニクったのもありそう。



リュックに触らせたくないので俺自身が3匹づつ出す。

時間がかかるので、職人と受付嬢に情報を聞くチャンス。

いや、どうすれば情報を得られるかの情報だな。

何を言ってるのか自分でもややこしいな・・・。


ちなみに俺の設定は引き続き、

『魔道具について習ったりしたが他の地域の事は知らない田舎者』。

会話中は混乱を避けるためエルは黙ってくれる。



「普通の本に無い情報なら各地の冒険ギルドのマスターでしょうか」

「えーと、まずは普通の本もできたら読みたいですが」

「それならギルドや教会でしょうね。探せば他にもあるかもしれません」


「大きな町や王都なら図書館とかもあるな。

権力者の書庫とかはよほどツテでも無いと無理だが」



「後は、転生者でしょうか」

忘れていたワードが受付嬢から出てきた。

というか、一般に知られた存在なのか・・・。



「彼らは色々知っていても素直には教えてくれないですが。

転生者という事自体隠している人もいるみたいですね」


しかし、転生者でこの地にいるって事は、帰れてないって事なのでは?

いや、もっと根本的な問題があるな。

転移なら帰ろうと考えるだろうけど、転生した者がそんな事を考えるか。

既にこの世界が自分の故郷なのだ。

育ててくれたここでの両親や仲間、そして大事な人もいるだろう。


ともかく彼らともいずれ接触はしたい。

まだここに来て2日目、焦りは禁物だ。

(だねー)




解体が終わり、タバコらしき物を吸いながら職人がふと言った。

「有名になることだな、いい意味で。

そしたら色んなやつが勝手に来るさ。

変なのも含めてだがな」


分かりきっていた事だが、改めて聞くと色々な可能性が脳裏に浮かんだ。

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