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異世界の宇宙連邦?剣士  作者: 炉里邪那胃(惰眠狼)
新版・第一章
5/29

1-5.はじめてのおつ・・・狩り

俺は身長170センチ、学校では低い部類。だが特に何も問題無い。

中肉中背だが、本屋を巡って歩き回ったりで足だけマッチョだ。

というか歩くのが好きで、登山などではタフすぎて呆れられるくらい。

顔は普通のはずだ。


中学までは隠れファンが割といたという風の噂を聞いたが。

彼女らはスケバン(古い?)格の女子に仕切られていたらしく実態は不明。


今は男子校、よってお察しの通りだ。




ていうか、自己紹介してる場合じゃないな。

こういうときに限ってどうでも良いことばかり頭に浮かぶんだよな。


怪物3匹――確かゴブリン――が、もう目前数メートルにいる。

子供程度の背丈だが、緑の体にキバとギョロ目、不気味だ・・・。


「ガジェット」から武器である「棒」を取り出すと、勝手に伸びた。

VRの中とはいえシュミレーションの敵を倒している。

立方体だったが・・・わざとローテクに見せているのかもな。

あれは飛んだり、もっと動き回っていたが問題なかった。

本物の生き物を殺すという重大な違いはあるが・・・。


ノロノロ動く怪物・・・魔物か、のウイークポイント、首が光ってる。

『加速』のおかげで落ち着いて対処できそう。



正面を避け、左へ走る。

角度が変わると弱点は首の後ろだと分かった、飛び込む。

一突きで首前側から弱点へ貫通。

・・・そしてスルッと引っこ抜けた。

一匹目が倒れた。


防御は気にしなくていいはず、バリアは前面体表、後方円形。

ちゃんと設定画面で確認する。


続けて2匹、ノロくてすべて一撃だった。

「剣技」のおかげもあるのか?

棒だけど。



終わった。


ギルドでゴブリンの情報を知ってから覚悟はできていた。

戦う危険とかではなく、殺す覚悟だ。

危険は無い、物事に絶対は無いが。


アイテムボックス、というかインベントリに吸い込んでみる。

手を差し出すと死体は消えた。

最初の情報によると思うだけでいいそうだが、まだきっかけのアクションが必要。

ギルドで解体してもらおう、自分では絶対無理。



「大事なのはこれからだよ!」

死ぬほどビックリした、突然耳元で大声出すな。


エルの状態は『不可視モード』とメニューには出ている。

声だけって余計にうるさいよな。

「レンズの事、バレたら不味いからね!」

こっちに来て『本人』とのリンクが切れたはずだが色々ウザい。



ん? とりあえず反論はしとくか。

「何言ってんの、バカなの?

最初に魔法道具、特に大容量の鞄の存在はお姉さんに確認しただろ。

剣技の事も言ってあるし。

元の現代と違って『魔法の道具』があるんだよ。

ほぼそれでごまかせる」


「うーん・・・。

とにかくレンズの事は注意するに越したことは無いから、お願い」

「レンズ言うな、パクリかよ」

「けっこうそう呼んでる人も多いのよ」

「どういう事?」


聞くと、誰かがそう呼び始め、例のSFの話とともに広まったそうだ。

アニメもやってたらしいからな。

だが、それって作品への冒涜だ。

エルに『レンズ』と呼ぶのは絶対禁止だと約束させた。




おじさんが全巻貸してくれた、あの小説をもう一度思い出す。

あの「レンズ」は確かテレパシーの媒体と身分証だった。

ニセ妖精も付いてなかったし。


「だーかーらーニセ妖精って・・・もういい」

あ、すぐ忘れるが意識は見られてる、スケベな妄想もできん。

「だから緊急以外は任意で・・・」


この会話は何度目だろう、聞き流してギルドへ急ぐ。





扉を開けると、まだ時間は早かったようでギルド内はまばらだった。

だが変なやつが受付の手前にいた。


俺はクイッと向きを変え大回りした。

そいつの悪意が分かったからだ、焦げ茶色だ。

レーダーには大分慣れた。

腕のレンズ・・・もとい、ガジェットの他の機能もチェック、OK。


 レーダー>常時アクティブ

 バリア>体表モード(自動発動)

 加速>10%(自動発動)

 重力制御>オフ

 代謝制御>オフ


『宇宙テクノロジー』の機能は設定済み。

2日ちょっとでは重力なんてまだ使えないが。

この世界で貰った『インベントリ』の方が有能か・・・。


いや、違う。

レーダーで安全確実にゴブリンを見つけた。

そしてバリアで安心でき、弱点表示と棒の力で一発で倒せた。

特にまだ10%とは言え、加速が無けれは手こずったはず。

今もレーダーが何かの危険を示してくれた。



話を戻そう。

わざわざトラブルに近付く必要など無い。

男は今は『困惑状態』で動きそうも無いようだ。


受付に小声で言う。

(ゴブリン3匹魔法鞄に入れてます)

(え?本当に?

じゃあ奥に入ってください)


お姉さんは交代要員を呼び、ちらっと例の男を見た後その人に耳打ちした。

例の男は気まずいのかすぐに出ていった。



彼が消えたのを見て、お姉さんが口を開く。

「さっきの男は新人潰しの常習犯なんですよ。

見たところ情報入手済みかもしれませんけど・・・」

お姉さんはそいつが来てからずっと気になっていたらしい。

せめて俺の帰りが混雑時であれば避けられた。


普通なら最悪のタイミングだった。


ヤツは「新人潰しのダゴワ」と呼ばれているそう。

こいつは法に触れぬぎりぎり、偶然を装うのだ。

怪我させられた者こそいない。

だが挑発に乗れば慰謝料(医者料?)を請求される。

なんやかや理由をつけ、受付が証人として利用される事さえあった。

良い仲間でもいなければ、その新人はやがて足が遠のき、消える。

こいつをマークは出来てもはっきりした証拠が無いのだ。

恐喝のプロ?だな。




「こちらへどうぞ」

通路を通り2つめの扉、解体所らしき場所があった。

空調が働いているようだが若干は臭うな。

奥の棚には肉塊が数個置いてある、凍りかけてるように見える。


「助かります、実は解体とか全く素人で丸ごと持ってきてます」



注意すべき事、それは『魔法鞄』持ちだと他人に広まる事だ。

魔法鞄は商人や冒険者には垂涎(すいぜん)の的でありめっちゃ高価なはず。

いや、持ってないんだが・・・。


つまり、『インベントリ』の存在を隠すために魔法鞄だと装う。

もちろん無限アイテム収納なんてもっととんでもなく常識外れ。

それこそ絶対秘密だからな。



解体職人はギルド職員なので『鞄』は知られても問題ない。

加入時に聞いたとおり、ギルド職員の情報漏洩は罰則が恐ろしく厳しい。

一見なごやかなので忘れてしまうな。



それっぽい動作でリュックを逆さにしゴブリンを出すように見せる。

魔法のように小柄な魔物が一匹づつズルっと落ちた、ゴブリンだ。

「やっぱり。

変わった服装でしたが、良い師に就かれて良い魔具もお持ちなようで。

普通、金持ちや貴族は偉そうな親同伴の上に甲冑でガチガチだったり。

で、ひと月も持たないです。

基礎訓練も覚悟も無いんですよね」


「こりゃ急所を全部一撃じゃないか、久々の大型新人だな!」

解体職人の言葉がこそばゆいな。

『テクノロジー』のおかげ・・・『剣技』もかな?



これでとりあえず何か食えるし泊まれるはず、多分。

バリアがあればどこでも野宿出来るのだが余計な騒ぎになりかねない。

かなりの保存食がこのリュック一杯にあるんだが、温存できそうだ。

そうだ、この中身はインベントリに入れておくか。



エルは色々指摘が違ったからか、邪魔しないようにか黙ってくれたな。

まあそうか、異世界ラノベを読みまくった俺とは知識に差があって当然だ。

自慢していいのか微妙だが・・・。



明日から、『宇宙テクノロジー』の使用法を更に学び慣れなくては。

長ったらしいな、呼び名は「ガジェット」でいい。

こちらで貰ったスキルにも慣れよう。


もうエルに聞くまでもなく、“またもやVR”というオチはなさそうだ。

残念ながら・・・。


はっきりしてるのは「ガジェット」はこの世界のための物ではない事。



宇宙からの使者にあれこれ指示された後、今度は異世界ってどんな偶然だよ。

それもほぼ一時間の内に。


俺ってどんだけ運が悪いんだよ・・・。

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