2-6.新しい日常?
お待たせしております。
プロットは決まっていても、産みの苦しみ、というか書けません。
この間に、メチャクチャ他の最近の異世界作品を読みまくりました。
ごめんなさい。
“脱力”を覚えて一週間ほど経つ。
今は毎日全員が清浄魔法をかけてもらい、爽快に過ごせている。
人前でではないし、十分な魔力を夜まで残しているから余裕だそう。
ダゴワの件でバレてしまったはずだが、誰も清浄を“ねだって”来たりはしないし。
こんな風に清浄魔法を日常使いできるのは、普通ではないようだ。
『魔法を抑える訓練』というのを毎日しているようだが。
今までも何気に魔法を使っていたが、残り魔力を常に把握しつつ魔力調整しているそう。
魔力増に加え、大出力の魔法を抑えることで出力調整が細かく速くできるそうだ。
これまでは一日の配分を考え、常に不測の事態にも備え節約していたらしい。
バンティとヤリマの話を聞いて、魔法士の気苦労を思い知らされた。
今は相当余裕っぽい。
レベルアップに加えての必死の努力の成果だな。
俺とゼファだが。
相変わらず、というか今は三段階で訓練している。
魔物を狩るにもこの辺で強いのはオーガーくらいだし、対練ばかりやってる。
習熟度は上がっているが、それでも最初はゆっくりからだ。
他の3人によると、もはや普通に打ち合ってるようにしか見えないらしいが。
最初のように指摘しなくとも、相手の変化した挙動をただ真似る。
もちろん後で確認はしあう。
これを続けているとほぼ失敗無く“脱力”が使え、更に発見があった。
それに今では俺自身、ゼファの型のようにバランスの取れた動きができている。
この速度ならだが。
そして。
お互い木剣を打ち合うのだが、ある意味打ち合っていないとも言える。
以前はなんともガツンガツンと雑な打ち合いだったんだとつくづく思う。
今は打ち合い、というより受け合い、捌き合いだ。
ゼファが打ち込んでくると俺の木剣の軌道は自然とくるり円を描く。
剣のぶつかる音も無く、数度打ち込ませた後に更なる螺旋の動きをする。
ゼファの体が完全に引き込まれ、殴るも打つも自由だ。
剣を離すべきだと思うが、まあ練習だからそうしているそうだ。
一方俺が打ち込み、ゼファの受けに対し俺は更に同様の動きで返す。
最後はゼファが崩され、逆に俺が引き込む。
運動もやったことのない俺が常に勝ってしまう。
おそらく剣技とレベルだけで・・・。
ゼファは当面の目標ができたし、俺も更なる技術を目指している。
だから問題は無いのだが。
俺はなんというか・・・“逆”不条理を感じるが。
次は中間の速さ。
傍からはマジでハンパない打ち合いに見えるらしいが。
最初と似たような事をしているが、ここでの新発見は無かった。
同じ動きで速さに慣れる、それだけだ。
ラストは迅速との対練、だが俺は剣技モードではない。
実際のところ、レベルによる感覚的余裕は充分なのだ。
まだ自律的に操れない剣技では、木剣を弾き下手すれば折ることになる。
ゼファの迅速の修正は完全ではないにしても、コントロールできている。
この速度で俺は“螺旋の受け流し”を、ゼファは迅速の完全制御を目指す。
傍から見ると、2人とも瞬間移動しているそうだ。
ん?
俺は剣技無しで普通に避けているだけなんだが・・・。
こんなにのんびりでいいのかと思うくらい以前と変わらない。
余程でなければシェーンさんから通信は送らないそうだ。
そういえば俺の目指しているのは・・・。
実績を上げて多くの人と会う、だよな。
積極的に動くなら、管理者に近づくことか。
それが帰還方法への最短距離の気がする。
普通の日常ではあるが、結構色々あったのも確かだ。
一番、なのかは疑問だが、変わったことといえば“竜騎士”のチルの事だ。
昼飯直後、チルと彼らがやってきて言い放った。
「これからはちゃんと朝起きるぞ!」
朝起きるだけではなく、一日中仕事をしてCランク、更に上を目指すという。
よく聞けば、チル以外は普通に起きてバイトをしているそう。
これからは、彼らが順番にチルを朝起こすそうだ。
この機会に、なぜ昼過ぎしか(警護以外)働かないのか聞いてみる。
「爺、あっオレを育ててくれた人がな、冒険者なら一流になれ、と言ってたんだ。
昼起きても生活できるくらいになれとな。
そいで仕事はすぐ終わらせて楽をしろって」
必死で言われたとおりにできるまでになり、それから守ってきたそうな・・・。
ツッコミどころは死ぬほどあるが、改心したならわざわざ俺が言う必要もないな。
ドラゴンママの洞穴にも行った、ユイを抱きかかえて。
ユイを自力で飛ばさせるのはまだまだ後だ。
秘密兵器とかじゃなく、いちいち騒がせたくないだけだ。
めんどくさい。
武器を改めて見に行ったわけだが、ユイを除くメンバー各1人づつ分だ。
剣士2人のはスペア用。
俺の今の剣は鋭利な片手剣、特に不足はない。
ゼファも親からの大事な剣だ。
もしもに備えての剣は丈夫さ重視。魔杖は汎用性重視。
ストレージ収納で一気に全ての素材や特性を把握、選ぶ。
選んだのは全てミスリル製。
それについてはまた説明が必要かな。
もちろん土日には追加の本を探し、読んだ。
結構多くの中から俺なりに導き出した総合的な判断は。
ここは異世界テンプレ世界
恩恵つまりレベルと、スキルで強くなれるシステム
歴史は紀元の示す通り1000年少し(地球の20年程)
物語の類には馬鹿正直に、初期のスキルの開発など書かれていたのだ。
ここの者がそれを知ったところで、どうしようもないからかも。
おそらく魔法は最初からあったっぽいが。
そして分かっている限りだが、この世界にある特殊な金属はミスリルのみらしい。
未発見なのか。
未開発なのか・・・?
管理者に権力が抑止されてはいる。
が、20年少し前に地球で描かれ始めた異世界との酷似。
この世界はまさしく未完成テンプレ異世界と表現するのがぴったりでは?
この町とドラゴンの森にしか行っていないので自信はいまいちだが。
チートという言葉は割と知られていると思う。
今はゲームなどPC用語のように使われる。
異世界ラノベでもだな。
だが元々は単にイカサマの意味、試験のカンニングは典型的なチートだ。
この世界にチートな能力は少ない。
転生時選べるインベントリ(アイテムボックス)くらいか。
剣技もまだ良くわからないがそれっぽい、なにせ能力の幅が依然不明。
そしてイレギュラーなガジェットの機能、これはまさしくチート。
ガジェットを持ち込み、先の2つのスキルを選んだ俺。
それにより大きくレベルを上げた俺。
チートの権化、だな・・・。
急いで振り返ったのは有意義なはずだ。
リアルタイムで書いたらエルとのめんどい遣り取りが100万回くらいあったはずだ。
(えっなになに?)
・・・。
色々振り返ったが、今日は朝イチのオーガー狩り後の全員各個練習。
俺達剣士2人は飽きもせずの対練だ。
ん?
何かを感じ、マップをググっと広げる。
ワイバーン騎士2匹と2名、シェーンさんではない。
敵意に近いが悪意では無いようだ。
通り過ぎて町へ、ギルドかな?
30分後にまた来た。
かなり近くに降り、2人の剣士と思われる男が歩いてきた。
ギラついた視線。
もうマップでなくとも敵意が明らかだ。
そして強い。
「“蒼きドラゴン”で間違いないな?」
いみがわからない俺に代わりゼファが答える。
「そうだが」
先頭の男が、俺のジャージしか着ていない姿を見て口をあんぐり開けた。
機能停止っぽい・・・。
ああ、そりゃ知らない奴が見たら驚くよな。
特に“転生者”ならば。
■「読みました」程度でいいのでツイッター感覚で感想くださいw
とりあえずブックマークしてね!
★もいくつでもよろしく
↓ ↓ ↓




