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異世界の宇宙連邦?剣士  作者: 炉里邪那胃(惰眠狼)
新版・第一章
16/29

1-16.魔法剣士?

2匹のドラゴンに脅されて拉致された。

はさまれて並び気味に飛ぶ。

逃げれば町などを襲うと言ってるから仕方ない。


加速しつつ、大回りで飛べば町の方向はばれないか?

いや、それはそれでどこか()()が襲われる・・・。

(最初なぜか見つかったよね。

解析中だけど、未知の感知能力を持ってる可能性もある。

自然界の異変も感じ取れるような)

エルが別リンクで思念を飛ばしてくれている。


(2匹の感じ、害意はそうでもないんだよね。

まず話を聞いてからでもいいような気もするけど)

確かに、娘の方は最初敵意と恐怖と・・・今思い出せば怖がられてた。

親の方は恐喝してきたが感情は落ち着いている。

それに・・・懐かしげな感情?


思い切って大声で聞いてみた。

「なあ、いや、あの。

昔会ったっていう人間って、いったいどんな・・・」

しまった、戦ってたら恨みを持ってるかも・・・いや懐かしがってる。

悪い思い出ではなさそう。


《凄い魔法使いだったわ。

お前のように我々より早く飛び、あらゆる攻撃を防いだの。

そして雷撃一発で私達さえ戦闘不能にしたのよ》

雷撃って、もちろん魚雷じゃなくて(かみなり)だよな。

いかん、某ゲームのやりすぎだ。

「そのあと仲が良くなったんです?」

《そ、そうなのよ》

《やだー、ママのえっち!》


こいつらドラゴンだよな・・・。

色々な疑問はあるが・・・聞くのも怖いしやめておこう。



こいつら今は全速力で飛んでる?

徐々に速度を上げていたが、俺の場合加速との併用でまだ余裕がある。

30分程の場所で、ゆっくりと停止。

だんだん何かが濃くなる?魔素とはまた違う。

そこは・・・


昼なのに薄暗い。

霧が立ち込めている、黒い霧だ。

《近づけばもっと瘴気が濃いわよ》

(体大丈夫? あ、ほぼ影響無し、ステータスと『剣技』の耐性ね)

ドラゴン母とエルが続けざまにしゃべってくる。


バリアは・・・そういえば風を通してるな、瘴気ってどんなもんだ?

(毒性がありそう、これより濃いとなると・・・)


《お前さん、精霊と会話してるでしょ?

なんかぼそぼそ聞こえてるわ》

《せ、精霊使い?》


「バレちゃーしょーがない。じゃじゃーん、妖精のエルでーす」

エルが出た。

《なんか出た》

《伝説のアレ? 妖精使いっているんだ?》

こっちも混乱するが、妖精を知っているのは娘の方だ。


《精霊とは違うわね、瘴気も平気なの?》

「実体化したら瘴気が、げふっ。

密閉してエアコントロールを・・・ふぅ」

分からないことが山積みだ。

以前実体化して触われるのは分かってたが、なぜ瘴気に影響される?

エアコントロール? 空気清浄、じゃなくて浄化か。

飛行で風を感じてたからバリアが空気を通すのは分かってた。


「瘴気ってヤバい。

で、おほん。精霊レベルと一緒にされちゃ困るわね。

こっちは実体あるんだから」

分かるような分からないような。

しかし、姿見せてそんなに一気に強気で大丈夫なのか?

(『昔会った人間』のおかげで、精霊の辺から見る目が変わったよ。

分かりにくいけど、畏怖の感情があるみたい。

やっぱりこういう反社って大見得を切ると惚れ込んだりするのよ)


マンガの読みすぎだ、現実ならすぐドラム缶に詰められ・・・。

人間のエルの趣味か・・・。

しかし確かにレーダーでの感情も、思念も変わったような。

「お前」が「お前さん」に昇格したしな。


「瘴気、密閉バリアと耐性でまだ平気だけど、一応対策するね」

「ちょっと待て、まだこれから何を頼まれるのか聞いてない。

まあ大体想像はついたが、ええと、母ドラゴンさん・・・?」

《カロルと呼んで。愛する人にもらった名よ。

この子はまだ名前は無いわ》

名無し?

というか、愛する『人』?


(実体化やエアコントロールは帰れたらまた説明するね)

お、おう。


聞かずとも娘が語りだす。

《パパはね、この地に君臨した強い強いドラゴンだったの。

ママの心が「あの人」にまだあっても、それを許して・・・》

《その話はやめましょう》

《えーとそれで、瘴気に侵されてゾンビ化した同胞を次々土に還したの。

そのせいか、数十年前にパパ自身も体内から腐り始めて・・・。

それでもパパはこのエリアから出ず無闇に暴れたりしない、凄いのよ》

《最近瘴気で『森の主』を追い立てたけどね。

あの人理性はあるけど、強いのにはめっぽう対抗意識があるみたいで。

人間の里の方に行っちゃったけどね、速過ぎ、アイツ。

大惨事でしょうね》

《パパのせいでごめん》


謝ってる?!

何だ。さっきまでとえらい違いだ・・・。

「あのエルダーだかデーモンだかのスパイダーの事か?

そいつの事なら、俺が倒したけど」

ウンウンと、エルが偉そうに頷いている。

  脳内でアイツのブレスを抜け、俺が足で組み付くシーンが。

  そして棒を突き刺されたスパイダーが息絶える。

エルがカロル親子に映像を送ったようだ、都合のいい編集だ。



《お前さん・・・いや、あなたのような人を探してた》

《近づこうとするとパパ自身に止められるの。

体は完全にゾンビ化して心の「一部」だけ残ってるって。

絶対にお前たちは近づくな、「あの人間」を探して俺を殺せ、って》


その人間は・・・もちろん探したし、探してもいるんだろう。

しかし、もし何十年・何百年前の話なら・・・。



「バリアの改良だけど」

エルだ、腹をくくったな。

戦いを想定しているのは分かるが、バリアとか用語がそのまま。

「そんな事気にしてる場合じゃないし。

ちょっと忘れてたけど・・・この勢いでいこーよ!」

テレパシーと会話の区別無視だな。


改良ポイントは瘴気など有害物質対策か。

これまでの体表モードだと当然窒息してしまう。

呼吸可能な空気調整、なるほど、それがエアコントロールか。

そして遮断防護しつつ自由に動ける余裕があるバリアだな。


今までそれが無かったのは不思議だが。

有害物質中や宇宙空間での行動を想定してないはずがない。

前の現代世界なら、動力源もあるし解析は可能では。

ガジェットにはおかしな事があるな・・・。


□□□□□とエルは言っていた、つまりこの□□□□□□□□□□?

なんだ、意味は分かってるのに音声化できない。

思考の中なのにだ。

「ごめん、そこは機密だからロックされるの、思考でさえ。

あのVRの『白い部屋』で唱えたコマンドのせいなの」



ドラゴンの存在には構わず、俺の思考とエルの返答も含め話が続く。

傍で聞けばチンプンカンプンだろう・・・。


俺とエルの会話は一段落、バリア改良により瘴気は防げ戦える。

また問題があれば適宜対応するしか無い。





カロルが今までの事を話してくれた。

一度、かなり近付き「神聖魔法」を使ったと言う。

だが、ごく一部しか消せず、混乱状態になり襲われたそうだ。

しっぽの一部などが腐ったが、慎重に魔法で治したらしい。

同じになっては元も子もない。


今まで忘れてたが、ヤリマが治癒魔法を使える。

改めて確認すると、治癒魔法はほぼ神聖魔法と同じだそう。

ヤリマ本人もゾンビ退治に使えると言っていたが。

カロルも失敗している、よほどでないと無理なのだろう。

レベルアップした魔法を試すにしても、失敗すれば一旦逃げる事になる。

逃走を助けてくれるとしても、また瘴気を受けさせるわけには行かない。

それこそ、家族を守ろうとしている父ドラゴンへの裏切りだ。


いや、反社だからな。

いざとなれば鉄砲玉として切り捨てられ・・・。

もしくはマンガの流れなら、非凡さを見せて気に入られたり。

利害無視の組員の加勢とか、いきなり1億円援助というパターンもある。

(それそれ!)

いかん、俺も結講そういうの読んで毒されてる。





覚悟を決めた。

もちろん死ぬつもりなどない。

ある程度近き、もう一度瘴気防御を確認しつつ敵の力を見る。

最悪でも一旦撤退するつもりだ。


もし万が一だが、俺が死んだ時はラフィーナのギルドに伝えるよう頼む。

《時たま人の姿で里に行くから》

娘が言う。

それで「妖精伝説」とか知ってたわけか。



最後にカロルからアドバイスが。

《雷撃は効かないと思うわ、体は実体が無いようなもののはず。

魔核に大きなダメージを与えないと魔法だけでは難しいわ》

飛行している事や『昔会った人間』のイメージで俺を魔法士と思っている。


「俺は魔法士じゃない、俺の武器はこれだ」

安物鎧の腰に下げた、唯一立派な剣を手で示す。


《魔法剣士!?》

2匹同時に驚く。


まあ、そういう事にしておこう・・・。

※「魔法士」という表記について。

 職業により異なりますが、現在看護師の場合男性なら看護士、男女問わないなら看護師など書き分けされます。

 作中では「魔法士」は職業総称として扱っており、男女区別はしない設定です。



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