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異世界の宇宙連邦?剣士  作者: 炉里邪那胃(惰眠狼)
新版・第一章
12/29

1-12.栄養源?

剣技再起動?


不審な事が多過ぎるが今は・・・

氷壁(ひょうへき)を!」

加速状態で言葉が通じるかとは思ったが。

とにかく出来ることを。

あとは・・・逃げるのは無理、重力と加速で・・・なんとか。


氷壁が出来た、伝わったのか。

『棒』を取り出し伸ばす。

「みんな、これ握って」

3人共一瞬ためらい、握った。

『スタン』オン、倒れる3人。

「コ、ウ、お、まえ・・・」

氷壁がドーンと大きな音を立て、ヒビが入った。

よし、もってくれた。

レーダーで激突は見えていた、問題はこれからだ。


「剣技!」


  剣技有効

  加速:試験オート40%


驚いてる時間が惜しい、重力を・・・。


思っただけで空中に上昇した。

数字と方向が目まぐるしく変化しているが無視だ。

バリアも、脳内3D映像で思う通り・・・ブレスが来た!

避けつつ背後へ飛ぶ。

そうだ、思うままに飛べている。


瞬時に敵はこちらへ回転・・・

はっきり見えるのは加速だけで無く、剣技の感覚強化もあるか。

噛みつきをなんとか避けたが、それでもこいつ速い、速過ぎ。


それなら。

敢えて正面斜め上に浮く。

「光点」が見えている、後頭部だ。

来た、ブレス。

まだだ。

あえて、一瞬待ってから突っ込む。


炎から出るまでコイツには俺が見えないはず。

抜けると、ヤツの首?の光点は目前だった。

足と前面バリアを体表に変更、軽く蹴り反転。

重力を下向き、足で首をガッシリ掴んだ。

剣を突き立てる!


剣が一瞬でボロボロに砕けた、硬い。

ストレージには木剣しか・・・

『棒』だ、忘れてた、引っこ抜く。

やはり硬いが・・・何度も突き立てる、折れはしない。

クモが暴れまくっても下向きの重力で何とも無い。


『棒』を突き立てていると、いい具合の長さに調整された。

突き刺さった!

グリグリと差し込む、奥に。

更に。


ズン、と音がして動きが止まった。

終わった。

グググッと「恩恵」が流れ込んでくる、今までで初めての強さだ。


残りは?

周囲には仲間3人の光点だけだ。

ザコはブレスで共倒れ壊滅。

氷壁は崩れているが、3人とも元気だ・・・


・・・・・・






気がつくと目の前にはゼファの顔が。

「気がついたか!」

ヤリマとバンティもちゃんといる。


体がだるい。

ふらふらと立ち上がると周囲に大勢冒険者がいた。

『竜騎士』の4人もいる。

チル、がいればとりあえず索敵は大丈夫だな。

ギルド職員は解体職人と間もなく来るそうだ。


「コウ、なんで無茶を・・・なんか理由があるんだろ」

「ひどいです!自分だけ危ない事を」

「もし死んだら・・・よかった、よかった」

バンティの言葉の繋がりがおかしいが、言いたいことは分かった。

女の子だな・・・。

「みんな、後でちゃんと話すよ。あれが最善だったんだ」




ギルドの一団が到着。

解体、というか足などバラすだけで冷凍している。

ラミアさんの指揮だ。

「怪我人はここでは皆無だったんですね。

倒したのは『目指せ、竜の撃墜王』の・・・」

「デーモンスパイダーを倒したのはここにいる彼、コウだ」

ゼファの言葉におおーっと全員から声が上がる。

「あのっ、調べないとデーモンスパイダーと決まったわけじゃないんで。

私も実在するかどうかも知らなかったくらいで。

10日位で調査団が来ると思いますが」


胴体はそのまま冷却のようだ。

ラミアさんが俺たちを呼び、小声で話す。

「胴体だけ例の袋使えますか、ギルドのでは無理なんで。

人払いした後ですし、バレてもコウさんを襲う命知らずはいませんし。

あっ、Cランクは確定だと思います。調査終了後ですが」



「さっきは助けてくれてありがとなゼファ」

「いや、チルこそ素速い連絡感謝だ」

ゼファが答えたが『竜騎士』のチルはこっちばかりチラチラ見る。

「間に合わなかったけどね」

「いや、誰が来ても全滅してた。倒したあとで良かったさ」

チルが俺を見る。

「お、おまえってほんとに強いんだな」

顔が赤い、おかしな流れだ。

「いや、あれは」


ゼファが肩をいきなり掴み耳打ちしてきた。

「余計な事は仲間以外絶対言うなよ」

まあ分かってるが間を取れて助かった。

「ああ、運が良かった、紙一重で急所を突けたんだ」

まあ実際そうだからな。


後で聞くと、彼女が『竜騎士』のリーダーだそうだ。




ギルドに胴体を納め、帰りに討伐報奨の金貨10枚受け取る。

暫定報酬ということらしい。

3人は俺のと言うが、当然共同積立へ。

どうせ丈夫な剣が明日からまた必要だしな。


モンスター部位もギルド買取か自分で引き取れて収入になる。

更に討伐したクラスによっては特別報奨も出るらしい。

調査終了後だろうが。



なぜブレスが来るとわかったのか聞くと「物語の通り」だそう。

それにしても、情報未確認の魔物には注意だな。






けだるさに悩みつつ美食亭へ戻る。

宿の名前だからな。


疲れ切った様子を見かねて、ヤリマがヒールと清浄をかけてくれた。

そのまま部屋へ。

鎧は一瞬で収納できるが。

ガジェットは現場で目覚めた時からまたもや真っ白だ。


寒気がするのに汗が出ている、風邪か?




「大丈夫? 高いの頼んだけど食べられる?」

料理の事だ、やけにバンティが優しい。

「ああ多分、目が覚めてから変に空腹なんだ」


空きっ腹だが、3人が乾杯したがっているようで、乗ってしまう。

1杯飲み干した。

( あれ? )

ん、もう酔ったかな?

もう聞こえない、幻聴か・・・?


食べても満腹感がこない。

肥満の兆候?

まあ、今日だけで太る訳ではない。

うまい肉を楽しもう。


間違って二杯目を飲んでしまう。

余計な気遣い・・・また飲ませようとしてる気がする。

ほわっとした酩酊感が全く無い。

こっちも依存症の兆候?


いや、今晩は感覚がおかしい。

関係あるとしたら・・・ガジェットが起動したことか?

実はあの時死んでて幻、って事は無いよな。

ちゃんと味がする。

肉のおかわりをもらう。


ふと気づくと、3人が俺を見ている。

「いや、今日は無言でよく食うなと思って」

「男の人がモリモリ食べるのいいですね」

「先に言われたー、もう。見飽きないー」

ん? ゼファを睨む。

「おい! 俺は穴にしか興味ないぞ」


俺にも穴はある、がそんな事は言うはずもない。

ゼファの不適切な発言で一悶着、その間に食った。

全く酔わないのは食う量の関係か?

気をつけながら流れのまま発泡酒をおかわりする。



後半一気に満腹を感じ、全く酔わないまま3人を俺の部屋へ。

少し眠いが大丈夫だ。


話すにしてもガジェットの機能のみか、その他はどこまで話すべきか。

聞かせる相手側も、この世界の2人と転生者であるゼファとでは内容が違うだろう。


「どこから話そうか」

「ユー、全部はなしちゃおうよ!」

妖精が向かい合う4人の中央を飛んでいた。

目を丸くする3人。


「おかえり」

俺はうつむいてジャージの袖で目を拭った。



「この世界で私みたいな可愛い妖精っていたりする?」

余計な形容詞が入ってるが怒れない。

顔が上げられない。

「童話で色々出ますよね」



本題に入って欲しいんだが。

「エル、いなかった間の記憶はあるか?」

「うん、全部詳細には無理だけど支障はないはず。

でもその前にまず、大事な大事なおはなしがあるのです!」

全員を見廻すエル。

「溜めるな、早く言え」


「なぜ機能停止してたか分かる?」

「『中断します』が再開の合図だったな。

この世界とか色々のシステム解析か・・・リソース、力の全て使ってたのか。

それと機能の進化もだろうな」

『剣技』も組み込まれてたからな。


「あらら、鋭すぎ。もうちょっと引っ張りたかったのに」

「しすてむってなんです?」

「仕組みとか構造だな、ここも誰かが作った、とか・・・?

信じたくないが」

代わりにゼファが答えてしまう。

「あんた達理解速すぎ! それは明かしてはいけないので秘密です!」

あちゃー、宇宙連邦は完全に人選ミスったな・・・。

「あなたたちは忘れるぅ~忘れるぅ~」


もしかしたら、さり気なく明かすのも計画なのか。

「そのとおり、かもね」

呆れるやら意味不明やらでゼファと俺は頭を抱える。

女性陣は気にせず頷いている、なんでだ。

仕方ないので進めさせよう。


「で、機能停止して解析したのがなんなんだ?」

「栄養不足だったのね」

「今も機能停止しかけてるのはその栄養が不足って事か」

「うん、もっと食べないと」


ふざけてるのか。

栄養って電力とか、ガジェットの動力源の例えじゃ?

いや、ガジェットは俺とリンクしているから、つまり・・・。

俺からの栄養なのか。


ゼファには補足が必要だな。

いや、整理しつつみんなに説明しよう。


「このニセ…疑似妖精、それと巨大スパイダーに使った技の元はこれだ」

ガジェットをみんなに見せる。

いつのまにか時計機能が復活していた。

「真っ白だったのが復活したな。メイン機能はまだ・・・」

メニューと心で唱えるが、やはりまだだ。

「完全復活はしてないな。

これは俺とつながってる高度な機械、魔道具だ。

俺の栄養摂取が必要なわけか」


「今日はあれから体調おかしかったでしょ。

低血糖症状、んー栄養不足みたいな感じだったの、一時的だけど。

これを続けると体が保たないから、特に解析中はね。

で、で、アルコール摂ったよね、あれがかなりいいの!」

「全然酔わなかったのはそのせいか」

「他の栄養は30分程度で体内に入ったけど、起動までは無理。

経口摂取、飲み食いで摂れる物はこれからも探すけど。

“魔素”とかも有望かもね。

でも、今身近にあって簡単に摂れる最高の物がお酒なの」


なんて皮肉だ。

あの、家庭的・社会的に自滅する依存症を見て忌み嫌っていたアレが。

強制入院させて一時的に治ったように見えても、また絶望させられるのだ。


たが、ここ数日は拘りから開放されていた。

少しは心が強くなれたのか。



「深刻そうね、でもだいしょうぶ。私達がついてる」

「私もですよ」

「俺もだ」

初日に乾杯を強く拒否したからな。察してくれている。


「私もいるからね」

エルがちょっとだけ寂しそうだ。

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