ぼくの、おみやげ。
真剣に読まないように。
誰にも気づかれないように、そうっと。
靴下のなかへと偲ばせた。
スヤスヤと寝息をたてる、幼子の枕元で。
「はぁはぁ、はぁはぁ、はぁはぁ……ッ」
床下までたどり着くような、見事な白髭がしっとりと濡れている。
真っ赤な装いの初老 ―― サンタクロース。
「旦那ァ、早くしてくださいよォ」
待ちぼうけを喰らう赤鼻のトナカイは、懐から煙草を取り出し――
まるで寒さと暇をもてあますように。
「ホッホッホ……いざ、ゆかん」
忙しいのはこの時季だけとはいえ。
滲む汗を拭い、次なる場所へと赴く。
いまどき無い、煙突。
「「 そこのキミ、止まりなさい!!」」
けたたましいサイレンが木霊した。
「かっ飛ばすぜぇぇぇ!!」
ぶおん、ぶおん、ぶろろろろーー。
パラリ、パラリラ。
パラリ、パラリラ。
「世炉死苦ゥゥゥッ!!」
プレゼントを配るのは、正直しんどい。