第八話 〜亡霊の教え〜
この作品は東方projectの二次創作作品です
既存キャラとオリキャラとの絡みが多々あり
客間の外から足音が聞こえる。妖夢が戻ってきたようだ。
「幽々子様、採ってきました」
妖夢はトウモロコシを一つ持って部屋に入った。
「ありがとう妖夢。じゃ、茹でて粒を取って、皿に盛ってきて」
「はい」
そう言ってまた部屋を出た。ここで学ぶことを聞くのはもう少し後になりそうだ。
「そういえば、気になることがあるのだけど」
「はい?なんでしょうか」
「あなたの苗字、『駆雷』って、もしかして雷獣の別名の『駆雷』が由来?」
莉音は首を傾げる。
「すみません、由来はわからないです…」
「あら、そう…」
そう言ってお茶を一口飲む。
「過去のことは?」
「え?」
「過去のことは、なにか覚えてる?」
別に記憶喪失という訳では無いが、過去についてはあまり考えたくなかった。
「過去については…ちょっと…」
「何かあったの?」
「…」
黙って俯く。あまり深く思い出そうとすると、また取り乱してしまいそうだ。
「言いたくないならいいわ。思い出したくない過去だってあるものね」
顔を上げると、幽々子が優しそうな顔で見ている。
「でも、それもいつか克服しないとね。それについては今の幻想郷を知ることが一番だけど」
「そうですね…」
話にオチがついたところで、妖夢が来た。
「幽々子、これでいいですか?」
皿の上に何やら黄色い粒が盛られている。
「うん、バッチリよ」
妖夢は莉音の前に皿を置いた。
「あの…これって?」
「トウモロコシよ。一つ食べてみなさい?」
莉音は皿の上の粒を一つ摘み、恐る恐る口に運んだ。すると、意外と美味しいことがわかった。
「幽々子さん。これ美味しいです!」
「ふふっ、やっぱりね。雷獣の好物はトウモロコシだからね」
莉音はトウモロコシをペロリと完食した。
「んー♪美味しかったです〜」
「それは良かったわ。さて、トウモロコシも食べ終わったことだし、ここで身につけることの内容を教えるわね」
「あ、はい!」
「ここでは…雷の扱い方を身につけていきなさい」
「雷の扱い…ですか」
「そう。半分雷獣だし、雷扱えた方がいいでしょ?」
「そうですね。頑張ります!」
「うんうん。じゃあ妖夢、あなたが教えなさい」
「えっ!?」
妖夢は驚いた表情をした。
「私雷なんて出せませんよ!?」
「でもいいの。弾幕を撃つ感覚を教えたらいいと思うわ。彼女にとっては雷を撃つのが弾幕を撒くみたいなものだと思うし」
「あの、僕はおと…」
「莉音、あなたもそれでいいでしょ?」
彼女と言われたことを訂正しようとしたが、遮られてしまった。
「あ…はい…」
「うん、じゃあ決定ね♪ 妖夢、頑張りなさいよ」
「はいぃ…」
結局、幽々子に男ということを伝えることは出来なかった。
「莉音、今日はゆっくり休んで明日から頑張りなさい。妖夢、泊まる部屋に案内してあげなさい」
「わかりました」
「暇なら妖夢と二人でお話してればいいわ」
「あぁ…はい」
「妖夢、あとはよろしくね」
「わかりました。では、莉音さん」
そう言って妖夢は立つ。それに続くようにして莉音も立ち、妖夢に続いて部屋を出た。
妖夢の後ろを歩いている時、傍に浮いている白い球体に目がいく。道中で見たものに似ている。
「あの、妖夢さん。傍に浮いているこれは…」
「あぁ、半霊ですよ。私の半身です」
「じゃあ、これも妖夢さんの一部ってことですか?」
「そうなりますね」
莉音は半霊が気になって仕方なかった。感覚は繋がっているのか、触り心地はどうなのか…そんな衝動が抑えられず、莉音は半霊を突っついた。
「ぴっ!?」
すると妖夢の体が少し跳ねた。
「ちょっと!半霊は私の半身だって言ったじゃないですか!感覚も繋がっているんですから!!」
「あ…はい。わかりました」
謎が解けてスッキリした。
「あ、ここですね」
そう言って立ち止まる。
「ここがあなたが寝泊まりする部屋です。あまり広くはありませんが…」
そう言って戸を開ける。確かにあまり広くはないが、寝泊まりするには充分な広さだ。
「全然大丈夫ですよ。ちゃんとした部屋で寝れるだけで充分ですから」
「そう言ってもらえてありがたいです。では、あとはゆっくり休んでいてください。何かあったら私になんでも聞いてくださいね」
「はい。ありがとうございます」
妖夢は部屋を出た。部屋の中で一人、莉音は考え事をしていた。それは自分の容姿についてだ。行く先々で女と間違われる。それはなぜか、それを考えている。
「…着てるものか?」
自分の服を見てみる。紺色の道着と袴、袴には雷の刺繍が入っている。女の子ならもっと可愛らしい格好をするはず。これは関係ない、そう思った。
「…体格?」
見た目は普通の少年、そんな感じだ。強いて言うなら少し幼く見えること。身長も高くはない。が、それは男女の差に関係ない、そう考えた。
「…髪?」
そう言って自分の髪を弄る。左は黄色、右は黒の髪だ。長さは肩にかかるくらいの長さ。普通なら男にしては長い髪、しかし莉音はこの長さに違和感を感じなかった。
「わからない…一体なぜ…?」
今後も性別を間違われ続けたら、性別の説明が面倒になる上、紅魔館の時のように女物の服を渡されたりする可能性も無くはない。なおせるならなおしたい、そう考えていると、妖夢に呼ばれた。どうやら夕飯の支度ができたようだ。とりあえず容姿については後回しにし、夕飯を食べるために客間に移動することにした。
どうも、作者のよっしー兄貴です。東方雷双歴第八話を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。トウモロコシのくだり書いてからコーンスープ飲みたくなってました()
今回は白玉楼でのお話の続きでした。莉音の好物がトウモロコシということもわかりましたね。茨歌仙の雷獣もトウモロコシ好きでしたし、伝説での雷獣もトウモロコシを好んで食べたとか…多分、莉音はコーンスープやポップコーンも好きになると思います。コーンスープやポップコーンが幻想入りしてればの話ですが…
次回から特訓が始まります。雷を扱えるようになる、それが目的ですね。無事に雷を扱えるようになるのか…
次回もよろしくお願いします〜




