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東方雷双歴   作者: よっしー兄貴
本編 〜幻想巡りの章〜
26/29

最終話 〜旅の終わり〜

この作品は東方二次創作作品です。

既存キャラとの絡みが多々あります。

「この子が私に用事?」


「そう。でも内容は本人から言うのが一番だろう」


そう言って霖之助(りんのすけ)莉音(りおん)の方を向いた。莉音は少女の方を向いて話し始めた。


「えと…僕は駆雷(くらい)莉音といいます」


「ふーん、莉音ね。じゃあ(ゆかり)が言ってた半人半妖って貴方ね」


「え?知ってるんですか?」


「まぁ、知り合い?だし」


「は、はぁ…」


「事情は把握してるから大丈夫よ。神社まで案内してあげるわ」


「ありがとうございます」


そう言いつつも少女は店内の物を物色しはじめた。


「案内しないのかい?」


「あー?なんのためにここに来たと思ってるのよ。目新しい物を見つけるために来たんだからちょっと物色させてよ」


「生憎だが、君が前に来てから今日まで新しい品は何も仕入れていないよ」


「サボり店主」


「なんだって?」


「うん、そろそろ行こっか。ついてきて」


「え?」


少女は莉音の腕を引っ張って店を出た。


「じゃあね霖之助さん」


「はいはい」


香霖堂(こうりんどう)を後にした二人は少し開けた場所へ出てきた。


「あなた、飛べる?」


「はい」


「じゃあ飛んでいきましょ」


二人は宙に浮かび、少女の後に莉音が続くかたちで飛んだ。


「自己紹介がまだだったわね。私は博麗霊夢(はくれいれいむ)。霖之助さんが言った通り、博麗神社の巫女よ。紫とは腐れ縁というか…そんな感じよ」


「は、はぁ…」


「まぁ、ちょいちょい報告に来てたわよ。どういう考えで貴方にこんなことさせたのかはわからないけど…」


「やっぱり監視されてたんですね…」


「そりゃね。あいつ()は変なやつだし」


付き合いが長いようにも聞こえるが、そんな人にも変な人と思われるくらい紫はつかめない行動をするのだろう。


「そこよ」


「あの神社が…」


霊夢が指さした先に神社がある。そこが博麗神社のようだ。二人は境内に着地した。


華扇(かせん)ー!華扇!」


霊夢が神社の中に向かって叫ぶと中からピンクの髪の女性が出てきた。お団子を食べていたのか、串を咥えている。


「はいはーい」


「連れてきたから挨拶しなさい」


「ん?あ…」


女性は莉音を見ると、咥えた串を投げ捨てて一度咳払いをしてから莉音の前まで歩いてきた。


「はじめまして。私は茨木華扇(いばらきかせん)。仙人よ」


一見、威厳があるような表情で自己紹介をした。隣で霊夢が「そんな顔したってもう威厳なんて感じないのに」と小声で言ったのが聞こえた。


「はじめまして…駆雷莉音です…」


「そんなに固くならなくていいわ。外で立ち話ってのもあれだし、とりあえず、中で話しましょうか」


「わかりました」


「あんたが主人みたいな言い方だけど、ここ私の神社だからね?」


華扇は「はいはい」と軽い返事をした。そして三人が神社の中に入ると…


「あ、来たんだ」


久しぶりに見る賢者の顔。紫が煎餅を齧っていた。


「紫…あんたねぇ」


「私のお煎餅!!」


霊夢は呆れたような反応をし、華扇は自分の煎餅を食べられていることに驚き、紫の腕を掴んだ。


「…もう食べないわよ」


「全く…」


華扇はお菓子が入った皿を取り上げた。


「はぁ…紫、この子なんでしょ?」


「えぇ。じゃ、二人は一旦部屋から出てくれる?」


「なんで?ここ私の家…」


「重要な話をするからよ」


「はいはい…華扇、出るわよ」


霊夢と華扇は部屋を出た。紫は莉音に座りなさいと手で示した。莉音は軽くお辞儀して座った。


「さて、まずは今回の幻想郷巡り、無事にゴールできたわね。おめでとう」


「ありがとうございます…」


「じゃあ、今回あなたにこの使命を課したことについてだけど…」


もう神子(みこ)に見透かされてしまったので大体のことはわかっている。


「まず、半人半妖の地位の確立という使命…あれは嘘」


「ふむ…」


「貴方はまんまと騙されたわけ」


「やっぱり…」


途端に紫の表情が曇る。


「貴方ね…わかっていてもそこは知らないフリして驚くとかしなさいよ」


「ですが…嘘はよくないので…」


「私に皮肉言ってる?」


「いえ、そんなことはないです!」


紫は「まあいいや」と呟いて続きを話し始めた。


「じゃあ、なぜ貴方にこんなことさせたか…それはわからないでしょ?」


「はい」


「まぁ、これについては私も頼まれてやったのよね」


「頼まれて…?誰にですか?」


「華扇よ」


紫は莉音の後ろの方を指差しながら言った。


「華扇さんが…?」


「えぇ。貴方のお父さんは華扇が飼ってた雷獣だからね」


「え?」


意味がわからなかった。


「雷獣が人の形を得た存在、それが貴方のお父さん」


「い、いやそうじゃなくて!華扇さんってどう見たって若いですよね!」


「仙人なんて百年や千年なんて普通に生きるわよ。見た目と年齢が合わない人なんて幻想郷には沢山いるんだし、珍しくはないわ」


「は、はぁ…」


「話を戻すわね。で、まぁ間接的に関わりがある華扇が貴方が過去のことで苦しんでるから何とかして欲しいって言ってたのよ。まぁ、一番いいのは現在の幻想郷について知ることだと思って…」


「幻想郷巡りをさせた…ですか?」


「当たり」


確かに幻想郷巡りで自分が誤った認識をしていたことはわかった。それが自分のためにもなったし、今回の幻想郷巡りはとても有意義なものになった。


「ま、そんなところよ。今までよく頑張ったわね。お疲れ様」


紫は莉音の頭を優しく撫でた。突然の労いの言葉に少し照れてしまった。


「あ、照れた?」


「ふぇ!?い、いや…」


「嘘。ほっぺ赤い」


「や、これは…」


「本当にからかいがいがあるわね〜。あ、そうだ。華扇が貴方にプレゼントがあるって言ってたから、すぐに行きなさい」


「あ、はい。わかりました」


「じゃあ私はここら辺で。じゃあね〜」


紫はスキマの中に引っ込み、スキマを閉じた。莉音は部屋を出て華扇の前に立った。


「話は終わった?」


「はい。終わりました」


「よしよし。じゃあ、ご褒美あげるわ。ついてきて」


「? わかりました」


手渡しするものではないのだろうか…こうなると、何をプレゼントされるかますますわからなくなる。


「華扇、私は…?」


「あぁ。莉音の案内と、場所貸してくれてありがとう」


「えー…私の役目終わり?」


「…ごめんね」


華扇は莉音を連れ、そそくさと神社を後にした。莉音が振り返ると、霊夢は軽く手を振った。莉音も手を振り返した。


しばらく歩いただろうか…莉音にとって見覚えのある場所に来た。


「あの…ここって」


「貴方が今まで住んでた森でしょ?だから…」


森の中の開けた場所に一軒の家が建っているのが見えた。結構大きい家だ。


「あなたの新しい家よ」


「わぁ…」


「また小屋暮しは大変でしょうし、広い方がいいでしょ?」


「ですが一人で住むには広すぎる気が…」


「一人じゃないわよ」


「?」


華扇はスカートのポケットに手を入れると、銀色の体毛をもつ小さな獣が出てきた。


「これ、貴方にあげるわ」


「これは…?」


「雷獣よ」


華扇は莉音の方に手を伸ばした。莉音も合わせるように手を伸ばすと、雷獣が華扇の腕から莉音の腕へ渡った。


「名前はまだないから、貴方が付けてもいいわよ。大切にしてね」


「はい!」


「それじゃ、本当にお疲れ様。ゆっくり休んでね」


華扇は莉音に背を向け歩き始めた。


「華扇さん!」


莉音の呼びかけに、華扇は立ち止まる。


「その…僕のためにこんなことをしてくれて…ありがとうございます!!」


華扇は少し振り返って手を振って返した。莉音は華扇の姿が見えなくなるまで見送った。


「辛いこともあったけど、楽しかったな…またみんなのとこに行って挨拶しないとな」


莉音の腕に居た雷獣は莉音の腕を上り、肩に乗った。


「よろしくね」


莉音は指で雷獣の喉を優しく撫でた。雷獣は心地いいのか、パチパチと放電し、喉をゴロゴロと鳴らした。


「名前は何にしようかな〜」


雷獣の名前を考えながら、莉音は家の中に入った。こうして、駆雷莉音の幻想郷巡りは終わりを迎えた。これから彼は幻想郷の一員として、平和な日々を送ることになるだろう。前とは違う、今度は人妖共に触れ合いを広げていこうとも考えている莉音だった。

作者のよっしー兄貴です。東方雷双歴…遂に(?)最終回でした〜。無事に幻想郷巡りも終わり、これから莉音は平和な日常を過ごすことになると思います。慣れないことしてきた莉音ですが、色んなこと乗り越えてたくましくなりました。華扇さんの計らいのおかげですね。しかし、華扇さんは莉音のお父さん(駆雷光)の飼い主…つまりお母さん的な立ち位置…なら莉音からしたら華扇さんっておばa(ry


とりあえずは雷双歴は一段落です。が、これからも番外編でグダグダと続いていきます。いや、もはや番外編が本番説あります。自由に色んなこと書けるので!(おい)

番外編は更にゆっくりと上げていくつもりですので、のんびりと待っていただければと思います。という訳でこれからもよろしくお願いします〜。



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