第二十五話 〜地上への帰還〜
この作品は東方projectの二次創作作品です
既存キャラとオリキャラとの絡みが多々あります
地霊殿の食堂でみんなとおやつを食べていた莉音。ドーナツを食べ終え、紅茶を飲みながら、さとり達と談笑している。
「本当に沢山のペットがいるんですね」
「えぇ。私の心を読む能力は言葉が通じない動物とも意思疎通ができるので。みんなとても可愛いですよ」
莉音の隣には燐に腕を押えられた空が座っている。莉音の頬を相当気に入ったらしく、隙あらばつっつこうとする。それを燐が止めているのだ。
「お空、ダメだよ」
「うにゅ…ちょっとだけ…」
「ダメ。今さとり様と話してるでしょ」
小声でそんなやり取りをしている。
「そういえば、あの五つ目のお茶って誰の分なんですか?」
「あぁ、あれね。私の妹の分よ」
「妹がいるんですね」
「えぇ。自由な妹だけどね。もしかしたら、あなたの後ろにいるかもしれないわよ?」
「え…?」
莉音は後ろを振り返った。誰も居ないどころか、気配すらない。
「まさかいきなり後ろに現れたり…そんな方なんですか?」
「そうだよ〜」
「はぁ…そうなん…は!?」
再び後ろを振り返ると、黄色の服を着た緑髪の少女が居た。さとりのによく似たサードアイが付いているが、閉じている。
「あ、お姉ちゃんただいま〜」
「何そのついでみたいな言い方は」
「だってお客さんなんて珍しいじゃん。そりゃこっちに興味いくよ」
「はぁ…ごめんなさいね。さっきも言ったけど、自由な性格だから…」
「は、はぁ…」
自由すぎるんじゃないかとも思ったが、言わずにおいた。というかさとりには知られただろう。
「ねーあなた名前は?」
「え?あ、駆雷莉音です」
「へー。あ、私古明地こいし。よろしくね」
「よ、よろしくお願いします…」
「うん。で、種族は?」
割とズカズカ聞いてくるタイプのようだ。
「雷獣と人間のハーフです」
「ふーん。男?女?」
「男です…」
「本当?」
そこだけ突っ込まれた。こう言われるのもなんだか久しぶりな気がする。
「本当です…」
「ふーん…」
まだ疑いがある目をしている。
「証拠は?」
「…見てわかりませんか…?」
「わかんない」
さとりに助けを求める視線を送ったが、何故か仕方ないという目で見られた。もう自分が中性的というのは認めるしかないらしい。
「見てわかってください…」
少し無茶なお願いをしてみた。
「無理!」
それもあっさり断られた。
「そんな…」
「うん、やっぱりこれが一番だ」
「?」
刹那、こいしは莉音の股間に手を伸ばした。莉音は防衛本能が働いてか、素早くこいしの腕を掴んだ。その様子を見て勢いよく立ち上がるさとり。
「何する気ですか!?」
「え?男の子って○○○○(自主規制)付いてるんでしょ?」
「だ、だからってそんな確認の仕方はないですよ!!」
「えー…お姉ちゃ〜ん」
「こいし、今のはアウトよ。それに、この子は男の子よ。私が記憶見たんだから間違い無いわ」
「じゃあいいや」
こいしは腕を引いた。
「迷惑をかけたわね…」
「いえ…大丈夫です」
さとりは椅子を起こし、座りなおした。
「で、あなたはそろそろ行くの?」
「あー…そうですね。すいませんお菓子までご馳走になって」
「いいのよ。お燐、私は玄関まで案内してくるから、お空と一緒に皿片付けておいて」
「はーい。莉音くん、また来てね〜」
「またね〜」
「ばいばーい」
「はい!また来ますね〜」
空と燐、こいしに挨拶をし、さとりと一緒に部屋を出た。
地霊殿玄関にて
「ここから出て左の方に地上に出る穴までの抜け道があるわ。明かりがあるし妖怪もいない。安全なルートよ」
「ありがとうございます」
「それじゃ…気をつけてね」
「はい!」
さとりにお辞儀をし、莉音は抜け道に入った。かなりの距離とみて、最初から飛行で移動することにした。静かな抜け道を飛びながら、莉音は次の目的地を考えていた。もう過去のことも思い出し、自分では充分に思えるくらい雷も扱える。ならば目指す場所は一つ…
「博麗神社…かな…そこに行けって言われたし…」
松明の明かりとは違う光が見える。出口が近いようだ。莉音は真上に向かって飛んだ。地上まで後少し…
地上に出てきて最初に見えたのは満月。そう、夜になっていたのだ。月明かりのおかげでそんなに暗くはない。
「夜…しまった…寝る場所が無い…」
最悪野宿も考えていた。が、とりあえず寝る場所を探すことにした。
寝場所を探して夜道を彷徨う。しかしそんな都合のいい場所は簡単に見つかるはずもなく…宛もなく彷徨う形になってしまった。だんだん眠くなってきて、大きな欠伸をする。もう野宿にしよう、そう思った時。
「ん…明かり…?」
森の入り口に明かりのついた建物がある。とりあえずそこを尋ねてみることにした。
「すいまへーん…」
ドアをノックし、眠くて呂律が回っていない声で挨拶をする。
「はいはい。こんな夜更けになんの用事だい?」
眼鏡をかけた男性が出てきた。
「あの…ちょっと…泊まらへてくれませんか…」
「いきなり意味がわからないよ。だが、このまま追い返してもな…仕方ない。一泊させてあげるよ」
「ありがとうごらいまふ…」
莉音は奥の方に通された。男性は押し入れから布団を取り出し、床に敷いた。莉音はその上にポフッと倒れ込む。
「あ、まだ掛け布団が…」
しかし莉音は既に寝息を立てて眠っていた。よほど眠かったのだろう。そう思い、莉音に掛け布団をかけて部屋の明かりを消した。
「ん…」
次の日の朝、莉音は部屋に入ってきた陽の光で目を覚ました。昨日の夜のことはよく覚えていないが、誰かの家に泊めてもらったことは覚えている。家主に挨拶しないと、と思ったところで、部屋の戸が開いた。
「おや、起きていたか。おはよう」
「おはようございます…」
入ってきた男性は、お盆を持っていた。上には一人分の朝食が乗っている。
「君の分の朝食だ。食べながら話を聞かせてくれ」
「わかりました」
莉音は丸テーブルに置かれた朝食の前に座り、手を合わせた。
「それで、君は一体誰なんだい?」
「僕は、駆雷莉音といいます。雷獣と人間のハーフです」
「つまり半人半妖か。僕と同じだな」
「あなたも…?」
「そう。僕は森近霖之助、ここ香霖堂の店主をしている半人半妖だ」
「店主…じゃあここはお店なんですか?」
「気づかなかったのか?」
「はい…暗かった上に、眠かったので…」
「まぁ、確かにすごく眠そうなのはわかったよ。布団を敷いた途端眠ってしまったからね」
「う…申し訳ないです…」
その後も、なぜあんな夜中に出歩いていたのかも話をした。他にも今までの体験も話をしながら朝食を食べ終えた。
「ごちそうさまでした」
「お粗末さま。昨日風呂に入ってないだろ?お風呂入ってきな?」
「ありがとうございます」
莉音は風呂に入りながら、ぼんやり考え事をしていた。そう言えばまだ博麗神社の場所を把握していない。
(霖之助さんなら知ってるかな?お風呂上がったら聞いてみよ)
風呂から上がった莉音は霖之助の元へ行った。霖之助は店の入り口にあるカウンターに座っていた。
「おや、上がったか」
「はい。湯加減もちょうどよかったです」
「それはよかった」
莉音は霖之助の隣に座った。
「あの、霖之助さん」
「ん?どうした?」
「博麗神社ってどこにあるか、わかりますか?」
「博麗神社に行きたいのかい?」
「はい」
「ならちょうどいい」
「?」
ちょうどいいの意味がよくわからなかった。霖之助も神社に行く用事があるのだろうか。
「博麗神社の巫女、霊夢はここの常連なんだ。きっと今日も来るよ」
「本当ですか!?」
「あぁ。だからお茶でも飲みながら待ってなさい」
霖之助は湯呑みにお茶を淹れ、莉音の前に差し出した。莉音は湯呑みを受け取り、お茶を一口飲んだ。お茶を飲みながらリラックスしていると、入り口のドアが開いた。紅白の服を着た少女が入ってくる。
「霖之助さーん?居る?」
「来たか。今日は君に用事がある人が来てるんだ」
「え?じゃあ、この方が?」
「そう。博麗神社の巫女だよ」
作者のよっしー兄貴です。東方雷双歴第二十五話を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今回、絶対やろうと思ってた霖之助との絡みを書けました!半人半妖の男同士の絡みは書いてみたかったんですよね〜。
そして、今回が実は最終前話なんです。次回が一応最終回です。遂に莉音の幻想郷巡りも終わりなんです。本編は割と早く終わってしまいますが、番外編はまだまだじゃんじゃん書く予定です。追加のオリキャラも二人居ますし…満足するまで書くつもりです。
次回の最終回もよろしくお願いします!!




