第二十三話 〜地底探索〜
この作品は東方Project二次創作作品です
既存キャラとオリキャラの絡みが多々あります
「よっ…と」
かなりの距離を降下し、ようやく底に着いた。底には横穴が一本あるだけ。暗くて視界も悪い。本当にこんなところに建物があるのか不安になってきた…
(でも神子さんが言ってたし、大丈夫…だよね)
暗闇は苦手だ。しかし、意を決して莉音は横穴を進み始めた。
かなり歩いたがまだ何も見えない。振り返っても何も見えない。一気に不安感が増してきた。しかし、もう引き下がれないとも思い、早く目的地に向かおうと考えた。視界不良の中走るのは転ぶ危険があると思い、飛んで行くことにした。
飛びながらしばらく移動した後…
「ん?なんか明るい?」
向こう側が明るいことに気がついた。ようやく目的地に着いた、そう思って莉音は地に足を着けた。その時…
ゴスッ!
というにぶい音を立て、何かが莉音の背中に直撃した。
「い…た…」
腹這いの姿勢で倒れている莉音の前に何者かが現れた。
「やぁ」
「や…やぁ…?」
誰かが目の前に立っている。
「ねぇあなた、なんでこんな場所に居るの?」
声の感じからして少女ということはわかった。
「え…あの、地霊殿って場所に用事があるので…」
「へー。なんで?」
「それは…ちょっと話すと長くなります」
「そっか。じゃあ、この先の旧都で話聞くよ。そこまで案内するからさ」
「は、はい…」
「よし。キスメ、降りて」
「は~い」
背中の方から聞こえた返事の後、背中の重圧が消えた。少女は、立ち上がった莉音のお腹辺りをぽんぽんと叩き、軽く汚れを落とした。
「じゃ、行こうか。足元気をつけてね」
「はい」
「ヤマメー!私も行っていい?」
「別に構わないよ」
「やったー!」
莉音は少女二人(?)と暗闇の中を歩き出した。
しばらく歩くと、向こう側に明かりが見えた。
「あそこが旧都だよ」
「地底なのに明るいんですね」
「そう。そこの居酒屋で話聞かせてよ」
「いいですが…なぜ居酒屋?」
「パッと思いついた場所だから」
そんな会話をしつつ、旧都に入る。割と賑わっている様子だ。そして、ようやく莉音を導いてくれた少女の容姿が確認できた。黄色の髪をポニーテールで括った少女だ。莉音の後ろには莉音より少し背が小さい、緑の髪の少女がついてきていた。
「そういや、自己紹介がまだだったね。私は黒谷ヤマメ。そっちのちっちゃいのはキスメ」
「よろしくね!」
「よろしくお願いします。僕の名前は駆雷莉音です」
「莉音…くん?」
「!」
「あ、その反応、ずっと性別間違われてきたね」
ヤマメがニヤっと笑いながら言った。
「はい…ですが、なぜわかったんですか?」
「さっきあなたの服の汚れ落とす時に体に触れたでしょ?その時、女の子って体つきじゃないなぁって思ってさ」
「な、なるほど…」
少し歩くと、ヤマメが立ち止まった。
「よし、ここにしよう」
ヤマメが指さした居酒屋に三人で入る。
「いらっしゃい!何名様で?」
「三人で」
「三名様ですか。それですと、相席になりますが、大丈夫でしょうか」
「大丈夫です」
「では、お席を案内させていただきます」
店員に案内されて、三人は居酒屋の中へ入った。
「こちらへどうぞ」
「ありがとうございます…って、あれ?」
「お?ヤマメじゃないか」
「こんな時間から居酒屋なんて珍しい」
席には緑の目の少女と額から角(?)が生えた女性が座っていた。
「あぁ。ちょっとお話聞きたい人が居るからさ」
「それが、お前の後ろにいるやつか」
「うん。さ、あなたも座って」
「は、はい…」
三人は席に座った。
「注文済んでる?」
「勿論!で、誰なんだこの子は」
「あぁ、莉音くん。なんか地霊殿に用事があるんだって」
「へー」
「莉音くん、あっちの角ある方は星熊勇儀。力持ちで酒好きな鬼だよ。こっちのは水橋パルスィ。勇儀の友達」
「私ちょっと雑じゃない?」
「いいでしょ別に」
「まあいいけど…あなたは?」
パルスィが莉音の方を向いて言った。
「え?」
「あなたはなんの種族なの?人間ではないだろうけど」
「あ、僕は人間と雷獣のハーフです」
「雷獣の…随分と力の強い妖怪の血を引いてるのね。妬ましいわ」
「え…?」
「あー気にしないで。パルスィはよく人を妬むから」
そんな感じで会話しているうちに、勇儀達が頼んだものが来た。お酒とおつまみだ。
「よし!呑むか!!」
勇儀は酒を盃に注ぎ、豪快に飲みはじめた。
「じゃあ、私は莉音くんの話聞こうかな」
「あ、はい!」
「じゃあ、地霊殿を目指すのはなんの目的があってなの?」
「それは…」
莉音は神霊廟での事を話した。
「なるほどね。ごめんね、ちょっとデリケートなこと聞いちゃったね」
「いえ、大丈夫です」
「しかし、あのさとりがそんなこと引き受けてくれるかなぁ」
パルスィが突っ込んできた。
「…?」
「あぁ、あなたの言うさとり妖怪ってのは地霊殿の主、古明地さとりのことなのよ」
「その方は…何か危ない方なんですか?」
「いや、そうじゃないけど…ね」
莉音はイマイチ意味がわからず、首を傾げる。
「まぁ、事情を話せば大丈夫よ。きっと」
「そ、そんなものですか…?」
「大丈夫。多分」
さっきから曖昧な返答ばかりで少し不安になる。
「まぁまぁ、とにかく呑みなよ〜」
勇儀が莉音に絡んできた。ほんの少し酔ってる感じだ。
「ちょっと勇儀、あんまり絡むと嫌われちゃうよ」
「知るかぁ〜。ヤマメも飲め〜」
ヤマメにも絡みだした。パルスィに目で助けを求めるが、面倒だと思ったのか、目を逸らされてしまった。莉音にも同じく目で訴えたが、どうすればいいかわからないといった表情をされただけだった。
「…わかった。飲むから…」
「おお〜いいぞ〜」
ヤマメは三つのコップに酒を注ぎ、一つは自分に、あと二つはパルスィと莉音の前に差し出した。
「は…?」
「え…?」
「パルスィはさっき逃げたからね」
「やだよ…」
「飲め」
ヤマメがきつい視線を送った。それに少し怖気付いた。
「はいはい、飲むよ」
そう言ってパルスィは酒を一口飲んだ。
「あの…僕は…?」
「気分…」
「そんな…!」
「まあまあ、飲んでみな?美味しいから」
「いや…でも…」
「なんだ〜?つれないなぁ」
と言いつつ勇儀は莉音の前のコップをさげた。
「ん?なんでさげた?」
「しかし無理に飲む必要は無い。だから…」
そう言って別のコップを莉音の前に出した。中にはオレンジ色の液体が入っている。
「これ飲みな。みかんジュースだ」
「あ、ありがとうございます」
莉音はみかんジュースを一口飲んだ。とても甘いジュースだ。
「美味しいです」
「そりゃあよかった。おかわりしてもいいからな~」
「ありがとうございます!」
莉音はジュースを飲みながらヤマメ達の質問に答えた。
そろそろ行かなきゃ、と思った時
「ふぁ…」
何故か睡魔が襲ってきた。それもかなり強い。
「莉音くん?どうしたの?」
「ん…眠い…です」
「疲れちゃったかな?ちょっと寝な?」
「はい…そうします…」
莉音はテーブルに伏して眠りについた。
「可愛い寝顔ね。妬ましい…」
「そんなことより、どうしよう。起きるまで待つ?」
うーん、と悩むパルスィとヤマメに
「なあ、こうしたらどうだ?」
勇儀が意見を出してきた。
「お?何か案があるの?」
「あぁ。あのな…」
勇儀の意見に二人は不安そうな顔をしたが、結局、勇儀の意見に乗ることにした。
「ん…」
眠りから覚め、莉音は目を開いた。見えたのは見たことがない天井だった。
(あれ?僕…居酒屋で寝たはず…)
体を起こし、周りを見渡す。全く知らない部屋だ。部屋にはテーブルとソファが二つあり、その一つに莉音は寝かされていた。
(うーん…どこなんだろ…。全くわからないよ…)
そんなことを考えていると、部屋のドアが開いた。
「おや、起きていましたか。よく眠れましたか?」
ピンクの髪の少女が入ってきた。目のついた球体が体に付いている。
「は、はい…」
(なんだろ…あの丸いの)
「これが気になりますか?これはサードアイです」
「え…?」
自分の考えを読まれたことに驚いた。
「あ、あの…」
「私ですか?あなたが探していた者ですよ」
「では…もしかして…」
少女は莉音の向かいのソファに座った。
「そう、私が古明地さとり…あなたが探していたさとり妖怪です」
作者のよっしー兄貴です。東方雷双歴第二十三話を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。地底の旧都へ、そして地霊殿という流れでした。
実はこの話、R15になる予定だったんです。流れとしては、旧都でトラブル発生→それに巻き込まれないようにヤマメが作ったフードで気配を消して歩く→が、結局フードが脱げて莉音が旧都の妖怪に袋叩きにされる…という流れになる予定でした。結局こんな平和な流れになったんですけどね()最後まで全年齢対象でいきますよ!
次回は地霊殿でのお話になります。地霊殿組は全員、何かしらの形で出るようにします!
次回もよろしくお願いします〜




