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東方雷双歴   作者: よっしー兄貴
本編 〜幻想巡りの章〜
23/29

第二十三話 〜地底探索〜

この作品は東方Project二次創作作品です

既存キャラとオリキャラの絡みが多々あります

「よっ…と」


かなりの距離を降下し、ようやく底に着いた。底には横穴が一本あるだけ。暗くて視界も悪い。本当にこんなところに建物があるのか不安になってきた…


(でも神子(みこ)さんが言ってたし、大丈夫…だよね)


暗闇は苦手だ。しかし、意を決して莉音(りおん)は横穴を進み始めた。

かなり歩いたがまだ何も見えない。振り返っても何も見えない。一気に不安感が増してきた。しかし、もう引き下がれないとも思い、早く目的地に向かおうと考えた。視界不良の中走るのは転ぶ危険があると思い、飛んで行くことにした。

飛びながらしばらく移動した後…


「ん?なんか明るい?」


向こう側が明るいことに気がついた。ようやく目的地に着いた、そう思って莉音は地に足を着けた。その時…


ゴスッ!


というにぶい音を立て、何かが莉音の背中に直撃した。


「い…た…」


腹這いの姿勢で倒れている莉音の前に何者かが現れた。


「やぁ」


「や…やぁ…?」


誰かが目の前に立っている。


「ねぇあなた、なんでこんな場所に居るの?」


声の感じからして少女ということはわかった。


「え…あの、地霊殿(ちれいでん)って場所に用事があるので…」


「へー。なんで?」


「それは…ちょっと話すと長くなります」


「そっか。じゃあ、この先の旧都(きゅうと)で話聞くよ。そこまで案内するからさ」


「は、はい…」


「よし。キスメ、降りて」


「は~い」


背中の方から聞こえた返事の後、背中の重圧が消えた。少女は、立ち上がった莉音のお腹辺りをぽんぽんと叩き、軽く汚れを落とした。


「じゃ、行こうか。足元気をつけてね」


「はい」


「ヤマメー!私も行っていい?」


「別に構わないよ」


「やったー!」


莉音は少女二人(?)と暗闇の中を歩き出した。

しばらく歩くと、向こう側に明かりが見えた。


「あそこが旧都だよ」


「地底なのに明るいんですね」


「そう。そこの居酒屋で話聞かせてよ」


「いいですが…なぜ居酒屋?」


「パッと思いついた場所だから」


そんな会話をしつつ、旧都に入る。割と賑わっている様子だ。そして、ようやく莉音を導いてくれた少女の容姿が確認できた。黄色の髪をポニーテールで括った少女だ。莉音の後ろには莉音より少し背が小さい、緑の髪の少女がついてきていた。


「そういや、自己紹介がまだだったね。私は黒谷ヤマメ(くろだにやまめ)。そっちのちっちゃいのはキスメ」


「よろしくね!」


「よろしくお願いします。僕の名前は駆雷莉音(くらいりおん)です」


「莉音…くん?」


「!」


「あ、その反応、ずっと性別間違われてきたね」


ヤマメがニヤっと笑いながら言った。


「はい…ですが、なぜわかったんですか?」


「さっきあなたの服の汚れ落とす時に体に触れたでしょ?その時、女の子って体つきじゃないなぁって思ってさ」


「な、なるほど…」


少し歩くと、ヤマメが立ち止まった。


「よし、ここにしよう」


ヤマメが指さした居酒屋に三人で入る。


「いらっしゃい!何名様で?」


「三人で」


「三名様ですか。それですと、相席になりますが、大丈夫でしょうか」


「大丈夫です」


「では、お席を案内させていただきます」


店員に案内されて、三人は居酒屋の中へ入った。


「こちらへどうぞ」


「ありがとうございます…って、あれ?」


「お?ヤマメじゃないか」


「こんな時間から居酒屋なんて珍しい」


席には緑の目の少女と額から角(?)が生えた女性が座っていた。


「あぁ。ちょっとお話聞きたい人が居るからさ」


「それが、お前の後ろにいるやつか」


「うん。さ、あなたも座って」


「は、はい…」


三人は席に座った。


「注文済んでる?」


「勿論!で、誰なんだこの子は」


「あぁ、莉音くん。なんか地霊殿に用事があるんだって」


「へー」


「莉音くん、あっちの角ある方は星熊勇儀(ほしぐまゆうぎ)。力持ちで酒好きな鬼だよ。こっちのは水橋パルスィ(みずはしぱるすぃ)。勇儀の友達」


「私ちょっと雑じゃない?」


「いいでしょ別に」


「まあいいけど…あなたは?」


パルスィが莉音の方を向いて言った。


「え?」


「あなたはなんの種族なの?人間ではないだろうけど」


「あ、僕は人間と雷獣のハーフです」


「雷獣の…随分と力の強い妖怪の血を引いてるのね。妬ましいわ」


「え…?」


「あー気にしないで。パルスィはよく人を妬むから」


そんな感じで会話しているうちに、勇儀達が頼んだものが来た。お酒とおつまみだ。


「よし!呑むか!!」


勇儀は酒を盃に注ぎ、豪快に飲みはじめた。


「じゃあ、私は莉音くんの話聞こうかな」


「あ、はい!」


「じゃあ、地霊殿を目指すのはなんの目的があってなの?」


「それは…」


莉音は神霊廟(しんれいびょう)での事を話した。


「なるほどね。ごめんね、ちょっとデリケートなこと聞いちゃったね」


「いえ、大丈夫です」


「しかし、あのさとりがそんなこと引き受けてくれるかなぁ」


パルスィが突っ込んできた。


「…?」


「あぁ、あなたの言うさとり妖怪ってのは地霊殿の主、古明地(こめいじ)さとりのことなのよ」


「その方は…何か危ない方なんですか?」


「いや、そうじゃないけど…ね」


莉音はイマイチ意味がわからず、首を傾げる。


「まぁ、事情を話せば大丈夫よ。きっと」


「そ、そんなものですか…?」


「大丈夫。多分」


さっきから曖昧な返答ばかりで少し不安になる。


「まぁまぁ、とにかく呑みなよ〜」


勇儀が莉音に絡んできた。ほんの少し酔ってる感じだ。


「ちょっと勇儀、あんまり絡むと嫌われちゃうよ」


「知るかぁ〜。ヤマメも飲め〜」


ヤマメにも絡みだした。パルスィに目で助けを求めるが、面倒だと思ったのか、目を逸らされてしまった。莉音にも同じく目で訴えたが、どうすればいいかわからないといった表情をされただけだった。


「…わかった。飲むから…」


「おお〜いいぞ〜」


ヤマメは三つのコップに酒を注ぎ、一つは自分に、あと二つはパルスィと莉音の前に差し出した。


「は…?」


「え…?」


「パルスィはさっき逃げたからね」


「やだよ…」


「飲め」


ヤマメがきつい視線を送った。それに少し怖気付いた。


「はいはい、飲むよ」


そう言ってパルスィは酒を一口飲んだ。


「あの…僕は…?」


「気分…」


「そんな…!」


「まあまあ、飲んでみな?美味しいから」


「いや…でも…」


「なんだ〜?つれないなぁ」


と言いつつ勇儀は莉音の前のコップをさげた。


「ん?なんでさげた?」


「しかし無理に飲む必要は無い。だから…」


そう言って別のコップを莉音の前に出した。中にはオレンジ色の液体が入っている。


「これ飲みな。みかんジュースだ」


「あ、ありがとうございます」


莉音はみかんジュースを一口飲んだ。とても甘いジュースだ。


「美味しいです」


「そりゃあよかった。おかわりしてもいいからな~」


「ありがとうございます!」


莉音はジュースを飲みながらヤマメ達の質問に答えた。

そろそろ行かなきゃ、と思った時


「ふぁ…」


何故か睡魔が襲ってきた。それもかなり強い。


「莉音くん?どうしたの?」


「ん…眠い…です」


「疲れちゃったかな?ちょっと寝な?」


「はい…そうします…」


莉音はテーブルに伏して眠りについた。


「可愛い寝顔ね。妬ましい…」


「そんなことより、どうしよう。起きるまで待つ?」


うーん、と悩むパルスィとヤマメに


「なあ、こうしたらどうだ?」


勇儀が意見を出してきた。


「お?何か案があるの?」


「あぁ。あのな…」


勇儀の意見に二人は不安そうな顔をしたが、結局、勇儀の意見に乗ることにした。



「ん…」


眠りから覚め、莉音は目を開いた。見えたのは見たことがない天井だった。


(あれ?僕…居酒屋で寝たはず…)


体を起こし、周りを見渡す。全く知らない部屋だ。部屋にはテーブルとソファが二つあり、その一つに莉音は寝かされていた。


(うーん…どこなんだろ…。全くわからないよ…)


そんなことを考えていると、部屋のドアが開いた。


「おや、起きていましたか。よく眠れましたか?」


ピンクの髪の少女が入ってきた。目のついた球体が体に付いている。


「は、はい…」


(なんだろ…あの丸いの)


「これが気になりますか?これはサードアイです」


「え…?」


自分の考えを読まれたことに驚いた。


「あ、あの…」


「私ですか?あなたが探していた者ですよ」


「では…もしかして…」


少女は莉音の向かいのソファに座った。


「そう、私が古明地さとり…あなたが探していたさとり妖怪です」

作者のよっしー兄貴です。東方雷双歴第二十三話を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。地底の旧都へ、そして地霊殿という流れでした。

実はこの話、R15になる予定だったんです。流れとしては、旧都でトラブル発生→それに巻き込まれないようにヤマメが作ったフードで気配を消して歩く→が、結局フードが脱げて莉音が旧都の妖怪に袋叩きにされる…という流れになる予定でした。結局こんな平和な流れになったんですけどね()最後まで全年齢対象でいきますよ!

次回は地霊殿でのお話になります。地霊殿組は全員、何かしらの形で出るようにします!

次回もよろしくお願いします〜

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