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東方雷双歴   作者: よっしー兄貴
本編 〜幻想巡りの章〜
13/29

第十三話 〜人間が住む里〜

この作品は東方projectの二次創作作品です

既存キャラとオリキャラとの絡みが多々あります

「…ここだ」


大きな門の前、雷獣と人間のハーフの駆雷莉音(くらいりおん)は気持ちを整えていた。目の前の門をくぐれば、その先は人間の里。少し前まで拒絶していた人間が沢山住む場所…目の前にして大きな緊張が襲ってくる。


「大丈夫…人間は怖くない…大丈夫…」


自分に言い聞かせ、いざ門をくぐろうとした時だ。


「あのー…何してるんですか?」


「わあぁっ!!?」


後ろから声をかけられた。驚いて振り返ると、頭に小さな鈴を付けた同じくらいの背の少女が立っていた。


「こんなところで何してるんですか?」


「え…いや…里に入ろうと…」


たじろぐ莉音を見て、少女は何かを察したような表情をした。


「じゃあ、入りましょうか。半人半妖さん」


「えっ!?」


いきなり種族を当てられた。まだ自分については全く話していないのに。


「な、なんで僕が半人半妖だって…?」


「詳しい話は私のうちでしますから。ついてきてください」


莉音は言われた通り、少女の後ろをつきながら里に入る。中は人間で賑わっている。パニックにはならなかったが、ガチガチに緊張してしまった。


「あの…大丈夫ですか?」


「ハイ…ダイジョウブ…デス」


「うーん…大丈夫じゃない気が…」


しかし、その緊張もだんだん解けて、周りの環境に慣れることができた。少女の家に着く頃には大分緊張も解れていた。


「ここです」


「貸本屋…?」


「はい。貸本屋鈴奈庵(すずなあん)、ここが私の家です」


少女は「ただいま〜」と言い、中に入る。莉音も「お邪魔します」と言い、あとに続いた。中には沢山の本がある。


「ここで待っててください。お茶を持ってきますね」


「ありがとうございます」


莉音は言われた通り、進められたソファに座った。ふとテーブルを見ると、本が一冊乗っている。読んでみたが、謎の文字で書かれているため、全く読めなかった。


「その本が気になりますか?」


少女は二人分のお茶を持って戻ってきた。


「これ…なんて書いてあるのかわからないんです。文字…というか記号で書かれていて」


「ですよね。普通は読めませんよ」


「普通は…?」


まるで特別な方法を使えば読めるような言い方だ。


「私なら読めるんです。あらゆり文字を読む力…それをみにつけているんですよ」


意外な答えが帰ってきた。里に住んでいるなら普通の人間なんだろうが、こんな力を持っているとは思わなかった。


「そんな力が…さっき僕の種族も見破りましたし、あなたは一体…」


「そう言えば自己紹介がまだでしたね。私は本居小鈴(もとおりこすず)、ここ鈴奈庵で店番をしているんです。あなたは?」


「僕は駆雷莉音、雷獣と人間のハーフです」


「雷獣…雷獣って伝説の妖怪の!?」


「多分…そうかと…」


「えぇー!すごい!伝説の妖怪と人間の間に生まれただなんて!!」


「そ、そんなに…」


小鈴は興味津々な様子だ。


「しかし、なんでさっき半人半妖ってわかったんですか?」


「あぁ、私妖怪見破れる目を持っているので」


「そんな目を…」


「前にあるトラブルに巻き込まれてからですね。今はとても便利だと思っていますよ」


「はは…なんか、前向きなんですね」


「前向き…なんですかね?でも、楽しく毎日を過ごしてますよ!たまに妖怪も来ますし」


たまに妖怪も来る、つまり昔とあまり変わってはいないようだ。なら、里の人間の妖怪に対する印象も永遠亭(えいえんてい)で読んだ書記と同じく友好的なのだろうか…それを詳しく知るには里に詳しい人に聞くのが一番だと考えた。


「小鈴さん、この里について詳しい人ってどこに居ますか?」


「里に詳しい人…慧音(けいね)さんかなぁ…慧音さんなら寺子屋に居ますよ」


「慧音さん…ですか」


「はい。寺子屋はここから近いですし、見ればすぐわかりますよ」


「わかりました。ありがとうございます」


莉音は小鈴に挨拶をして鈴奈庵を出る。外は日が沈みかかっていた。莉音は少し早足で寺子屋に向かった。鈴奈庵から歩いて少しの場所、『寺子屋』と書かれた小さな看板のある建物を見つけた。莉音は戸を叩く。すると、中から青い服を着た女性が現れた。


「君は…ここの生徒ではないな…誰だい?」


莉音はお辞儀して挨拶をする。


「はじめまして。半人半妖の駆雷莉音です。この里について聞きたくて訪ねました」


「はじめまして。私は上白沢慧音(かみしらさわけいね)。この寺子屋で先生をしているんだ」


お互いに自己紹介をする。


「さ、とりあえず中に入ってくれ。詳しい話は中でしよう」


慧音と莉音は寺子屋の中に入り、奥の居住スペースの居間に入った。


「しかし大きくなったな、莉音」


「え?」


「君がまだ小さい頃だな…一度会ったことがあるんだ」


「じゃあ、お父さんやお母さんのことも…」


「勿論知っている。穏やかで優しい夫婦だったよ」


驚きだった。自分が幼い頃(今も見た目は幼いが)に慧音と会っていたこと、更に慧音が両親について知っていたことに。しかし、それは昔の事のはず。だとしたら慧音の見た目と年齢が合わない気がした。


「そんな昔のことを知っているなんて…慧音さんって…」


「あぁ、私はワーハクタクという妖怪との半人半妖なんだよ。普段は人間の姿をしているが、満月の夜は白澤(はくたく)の姿になるんだよ。半人半妖という点なら莉音と同じだな」


「だから昔のことも知っているんですね」


「そうだ。しかしなんか、女の子っぽくなったなぁ」


ここでも言われてしまった。しかし、慧音は莉音が男というのは知っているようだ。


「色んなところでそれ言われました…」


「色んなところで?どういう意味だ?」


「実は…」


莉音は慧音に今までのことを話した。


「なるほどなぁ。里に来る前にもいろんな場所に行ったんだな。で、女の子に間違われてきたと…」


「はい…」


「まぁ、なんだ…大丈夫、女の子っぽい男の子もいるさ。あまり深く悩むことではない」


フォローになっているようでなってないような気がするが、つっこまなかった。


「そう言えば、今夜はどうするんだ?」


「それは…どこに泊まるか、ということですか?」


「そうだ。なんならうちに泊めてもいいぞ?」


「では、お言葉に甘えます…」


「では決まりだな。じゃあ、これから夕飯の支度をするから、終わるまで待っていてくれ」


「ありがとうございます」


慧音は夕飯の支度のために部屋を出た。自分が過去に会っていた人、そして両親についても知っている。そんな慧音に色々聞きたくなってきた。今聞きに行くのは邪魔してしまうと思い、夕飯の時に聞くことにした。

どうも、作者のよっしー兄貴です。東方雷双歴第十三話を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。かなり報告が遅れましたが、実はこの作品の主人公、駆雷莉音くんを描いてもらったんですよ。嬉しみが半端なかったです。


今回から人里でのお話に入りました。小鈴、慧音との絡みがありましたね。ちなみに、小鈴が人妖を判別できるのは鈴奈庵最終話のやつからです。うろ覚えですが、そんな力を貰った気が…

ちなみに阿求についてですが、本編では接触はないかなぁって感じです。番外編的なやつで再び人里に来た時に会うようにします。


次回も人里でのお話です。もしかしたら人里を出発するまでいくかも…

ちょっと前にお世話になったあの方が再登場します。そして莉音くんが変な印象を抱いているあの方も…


次回もよろしくお願いします〜

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