第十話 〜迷いの竹林〜
この作品は東方projectの二次創作作品です
既存キャラとオリキャラとの絡みが多々あります
幽々子と妖夢に別れを告げ、冥界を後にした莉音は幽々子に言われた通り、竹林を探して飛んでいた。と言っても、時間はかからなかった。上空から見れば竹林は目立っていたからだ。しかし、竹林の中に建物を見つけることはできなかったので、地上に降りて歩いて探すことにしたのだ。
「ここが幽々子さんが言っていた竹林…かな?」
他に竹林が見当たらなかったので入ることにした。木漏れ日と涼しい風を楽しみながら竹林内を歩く。夏にこんなに涼しい場所は他にない気がするくらい涼しくて快適だ。そんな散歩を楽しみ調子で永遠亭を探していた。
歩き始めて約一時間。流石にまだ見つからないのはおかしいと思い、一旦竹林を出るために莉音は来た道を戻る。が、ここは迷いの竹林。そう簡単には抜け出せない。
「あれ?この道どっちから来たっけ?」
莉音は完全に迷子になっていた。どこを見ても同じ景色、目印なんて全く無い。そんな状況で来た道をそのまま戻るなんてのは至難の業だ。しかし莉音はまだ焦りはなかった。まだ日は高く暗くなるまで時間がある。暗くなるまでには永遠亭に着くか竹林を抜けている、そう考えていた。
歩き始めて約二時間。飛んでみたが、斜めに生えた竹が邪魔で上に抜けれない。結果、諦めて歩くことにさた。
歩き始めて約三時間。お昼時になり、少しお腹がすいてきた。森の中ならキノコや木の実があったが、竹林には何も無い。足も疲れてきたので休み休み歩くことにした。
そして、歩き始めて約八時間。日が落ちてきて、やがてあたりが暗くなりだした。だんだんと恐怖心が現れ、急がなければならないのに歩みが小さくなってしまう。それでも莉音は歩き続けた。
歩き始めて約九時間。完全に日は落ちて真っ暗になる。竹林の中に光源があるはずがない。闇の中、ただ一人歩いている。
「ぐすっ…」
「うぅ…怖いよ…誰かぁ…」
泣きながら言った。が、当然返事は返ってこない。
「うぅ…帰りたいよぉ…」
立ち止まって泣いている莉音に何者かが近づいてくる。
「ねえ。あなた、ここで何してるの?」
「ふぇ…?」
白髪の長い髪の少女だ。
「こんな暗い中この竹林にいるなんて…あ、さては迷子?」
「迷子…です…」
「やっぱりかぁ。まぁ、仕方ないわ」
そう言って少女は振り向く。
「ついてきて。今日は私の家に泊めてあげるからさ」
「はい…ありがとうございます…」
少女の後ろについて歩く。少し歩くと、木でできた小さな建物が見えた。
「さ、入って」
「お邪魔します…」
中に入れてもらい、少女が用意したお茶を飲みながらお互いに自己紹介をした。莉音を助けてくれた少女は竹林に住む蓬莱人、藤原妹紅だった。
「幻想郷を巡って半人半妖の地位の確立を目指す…その目的地の一つの永遠亭に行く為に竹林に入った…と」
「はい」
「ふーん。しかし何故永遠亭なんかに…」
「僕にもさっぱり…というか永遠亭ってなんですか?」
「知らずに行こうとしたの…?」
「はい…場所くらいしか情報は貰ってないんです」
「はぁ…」
妹紅は少し呆れたような表情で莉音を見た。
「永遠亭はこの竹林の中にある建物。月から来たお姫様とその従者、あと、兎が住んでるの。その従者さんは薬師でね、作った薬を人里に売りに行ったりもしてるの」
「つまり…月から来た人達なんですか?」
「そうだね。特に危ない人達ではないよ」
それを聞いて莉音は安堵する。
「でも、場所は…」
「大丈夫、明日案内するから」
「いろいろとありがとうございます…」
その日は妹紅の家に泊まった。白玉楼での事件を繰り返さないためにもしっかりと性別は伝えた。
次の日、莉音は妹紅の案内により無事に永遠亭に着くことができた。
「お〜い、誰かいる〜?」
そう言いながら妹紅は戸を開けた。すると、奥から一人の少女が現れた。
「あら、妹紅さんが玄関から来るなんて珍しい」
「庭から入るほうが早いんだよ。それより鈴仙ちゃん、お客さん案内してきたよ」
莉音は妹紅の前に出て自己紹介をした。
「はじめまして、駆雷莉音です」
自己紹介をすると、向こうも自己紹介をしてきた。
「はじめまして。私は鈴仙・優曇華院・イナバっていうの。元月の兎よ。鈴仙って呼んで」
「わかりました」
お互いに自己紹介を済ませたところで、鈴仙が妹紅の方を向いて尋ねた。
「で、この子どこが悪いの?」
「あーいや、患者じゃないよ」
「へ?じゃあ、なんの用事で?」
「それは本人から聞くのが早いだろ。莉音、鈴仙ちゃんに理由を説明しな?」
「あ、はい」
莉音は永遠亭に来た目的を鈴仙に話した。
「ふむ、なるほど。なら、師匠に言った方がいいかもね」
「?」
「あぁ、私の師匠ね。八意永琳、月の頭脳と言われていた人よ」
なんだか凄い人ということだけはわかった。
「私が師匠のとこまで案内するわ。ついてきて」
「鈴仙ちゃん、私はもういいかい?」
「え?あぁ、今日は姫様と遊んでいかないの?」
「んー…せっかく来たんだし、やっぱ遊んでいくか」
妹紅も一緒に中に入る。莉音は鈴仙の後ろを、妹紅は別の方に向かって歩いていった。
「鈴仙さん、永琳さんってどんな人なんですか?」
「師匠はとても素晴らしい方ですよ。まさに天才、って感じで」
「なるほど。凄い人なんですね」
「勿論!」
「よく私を薬の実験台にしますけどね…」
鈴仙は小さく呟いた。しかし、それは莉音には聞こえていなかったらしく、莉音からの反応は無かった。
「ん、着いたわ。この部屋の中に師匠はいるわ」
「この中に…」
「いい?入るわよ?」
「あ、はい。大丈夫です」
鈴仙は戸をノックし、「鈴仙です。お客さんを連れてきました」と言った。戸の向こうから「お客さん?入りなさい」というのが聞こえた。それを聞いた鈴仙は莉音を連れて部屋に入る。
これからこの部屋で莉音にとってとても過酷なことをすることになるとはまだ知らない…
作者のよっしー兄貴です。東方雷双歴第十話を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。今回から永遠亭でのお話になります。
今回、竹林で迷子になって莉音くんが泣くシーンがありましたが、あれは入れたくて入れました。「一回は泣かしたい」と思っていたので()ひょっとしたら今後もまた泣くかも。
ちなみに雷双歴のてるもこはめちゃめちゃ仲良しです。妹紅が永遠亭に行くのは輝夜と遊ぶ為って感じです。よく花札や将棋とかをしてます。
次回は永琳さんのお薬大活躍回。お薬を使ってとあることをします。もしかしたら「薬でそんなことできるのか」と言われるようなことをするかもしれませんが、そこは月の頭脳、八意永琳製の薬ってことで…
次回もよろしくお願いします〜




