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こう見えて異世界最強です  作者: オリガミ
第一章 転移編
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第3話「やはり異世界での最初の出会いはイケメンか美少女に限る」

 ―――――目を開ける。


 最初に目に入ったのは見慣れた自室の天井‥

 ではなく、知らない天井だった。


 ‥ベットの中だ。布団もかけられている。

 ゆっくりと、体を起こす、痛くない。


「治ってる‥。」


 あっ、そういえば、女性は無事だったのだろうか?

 かっこよくキャッチしようとしたが、結果は女性の下敷きになる形で助けることができた‥‥と思う。

 少なくとも、誰かにどこかの部屋に運ばれたんだろう。


「大丈夫かい?」


「ふぁっ!?はひ!?」


 呆然と考え事をしていたため、隣に誰か居たことに気づかなかったようだ。

 声の主はあのときに助けた(?)女性だ。

 あのときはわからなかったけど、かなり美人だ。

 整った顔にピンク色の髪が背中まで伸びている。

 それと、俗に言う巨乳とやらだ。


「具合いが良さそうで良かったよ。

 あのときは助かったよ、ありがとう。

 混乱しているようだから、もう少しゆっくり休んでいるといい。

 待っているから好きなときに降りて来てくれ、それから話をしよう。」


「はい、ありがとう‥ございま、す」


「それじゃ」


 と言い残し、女性は部屋から出ていった。

 そうか、無事だったのか、良かった。かなりの美人だったし、もしかしたら俺の異世界ライフは順調かぁ!?


 異世界に来て初めて人の優しさとぬくもりを感じた気がする。

 まぁ、状況をチェックだ。


 ステータスは、変化なし、スキルも増えていない。

 それより、HPが全回復してる。

 寝たら回復するのか?いやまさかな、回復薬があるとか、回復魔法があったりするのだろう、きっと。


 荷物は潰れたと思ったけど無事だった。ケータイも割れてない。ケータイの時刻を頼りにするなら、大体1時間経ったことになる、結構寝たな。



 状況は粗方把握したので、1度伸びをしてから部屋から出ることにする。


 ドアを開ける、木のドアだ。廊下に出てみると、今出てきたのと同じようなドアがいくつも並んでいる。

 アパートか宿屋だろうか?

 廊下はけっこう狭い、でも普通にしているぶんには何も支障はない。



 廊下の角に下に行く階段を発見したので、下に降りる。


 そこはまるで、よく西部劇や今いるような異世界によく登場する、机や椅子が全てが木でできた、酒場と呼ばれる場所のようだった。


 っていうか客が一人も見当たらない、大丈夫なのだろうか?


「おっ、やっときたな。」


「お待たせしました。あの、えっと‥‥」


「いや、座ってから話をしよう。」


 と、桃髪の女性は酒場のテーブルを1つ指して言うのであった。

 酒場の奥に、あのときの美少女がいた。

 あとときみたいな青い顔はしていない。

 短く切った薄い桃色がかかった髪と柔らかい表情が、花を思わせる。

 やばい、かわいい。






「さてさて、いやーきみー、助けてくれてありがとうねぇ!」


 桃髪の女性はずいずい話をしてくる。


「あっ、あたしかい?私はクレア、窓から落ちるとは不覚をとったもんだな」


 桃髪の女性―――改め、クレアさん、異世界の知り合い一人目だな。


「俺はジュンっていいます。助けられたのは本当に良かったのですが、そのあとベットに運んで、傷まで治して頂いて‥」


「もー、敬語はやめてなー?というか、あたしは落ちても死なないと思うけど、両足骨折は流石に厳しいよ、今は商人の団体さんがこの宿に滞在してて、稼ぎ時なんだから!」


 そうか、ここは宿屋だったのか。ずいずい来るクレアさんもすごく気になるけど、俺はその隣に座ってる子が気になってしょーがないんだけど!?


「‥流石にこの子にも骨折は治せないからねぇ!」


 まだ喋ってたのか‥‥。なんかすごいなぁ。


「あっ、俺の傷を治してくれたのって」


「あ、私‥‥です。」


 やべぇかぁわぁいぃ‥俺きもっ。


「あ、あの、リリっていいます、そこの、クレアお姉ちゃんの妹です‥‥。」


 リリというのか‥‥!!


「と、いうわけで、助けてもらったから、何か君にお礼をしたい。」


「あ、私も‥‥。」


 なんだこれ、天国か‥‥。

 お礼、かぁ、今必要なもの、えっと、食事にお金に寝るところ、あとできれば収入のための職業ってとこかな。

 お金は頼みづらい、いや、全部頼みづらいやつやなぁ‥。


「その、クレアさん‥?」


「なんだい?私らにできることなら‥」


「俺の話を聞いてはくれませんか?少し、信じられないかもしれませんが。」













「なーーーーーーーるほどね」


「はい、信じられないことも多いと思いますが。」


「いや、信じるよ。」


 え、ええぇぇぇ!?信じちゃうの!?


「あたし、親からの遺伝でね、人の嘘を見抜くスキルがあるんだよ。今の話、全部ほんとのことでしょ、でも、ここまで自分のスキルを疑ったのは久しぶりってもんよ。」


「あの、それで、お礼と言われて、少し、いえ、かなり図々しいと思うのですが‥」




「行くあてができるまでうちに住むかい?」


「っえ!いいんですか!?」


「うーーん、できれば手伝うくらいしてほしいものだけど、あたしが経営している宿なんでね」


 ドヤ顔で言われた。でも、超うれしい‥野宿も考えてたからなぁ‥‥。


「いいよね?リリ?」


「うん、もちろんいいよ。

 それと、じっ‥ジュン‥さん?私からもお礼をしたいんですけど‥‥。」


 なぁ、へ、平常心じゃーーーー!

 考えるのだ、お礼の内容を‥‥!!


「こ、これは個人的なものなんですけど、俺、魔法を使ってみたいんだ、教えてくれないかな?」


「はい!お安いご用です!!」


 きたこれ。

 魔法を使えるという賭けにも勝った。

 もうやばい、魔法を付きっきりで教えてくれるってことっしょ?神かよ。


「それと、もう一人、あなたにお礼をしたいって言う人がいるのよ、おーーーい!?シーーン!!降りておいでー!!」


 クレアさんの声が響く、お客さんはいないんだろうか。

 階段の方から降りてくる音が聞こえる、その姿といえば、

 長身の男だ。スラリと長い体でも、筋肉がよくついているのが分かる。キリッとした顔に上品で優しそうな雰囲気、長い茶髪を後ろで結んだ‥‥イケメンだ。


「そこのクレアの弟で、リリの兄のシンです。姉が助けて頂き、感謝とともに、何かお礼をと。」


 かっっけぇぇ!!

 騎士さんなのかな!?やばい、イケメン!!!

 はわわわわ‥‥。


「え、えぇぇっと‥‥」


「冒険者ギルドにでも行ってみたらどうだい?職がないんでしょう?シン、連れてってやりなよ?」


「冒険者ギルド、あるんですか?」


「あぁ、あるよ。こちらから提案しておいてなんだけど、一緒に冒険者ギルドにいって、えっと‥‥」


「ジュンです。」


「ジュン君の冒険者デビューのお手伝いをするってことでいいかな?」


「もちろんです!!ありがとうございます!!」


 レベル上げもスキル獲得もこれでできるぞ!!よっしゃぁ!!


「私はシン、17歳だ。この家の長男、三兄弟の2番目だ。これからよろしく頼む、ジュン君」


「おっと、自己紹介がまだだったね、あたしはもう1回名乗ってるけど、クレアだ。三兄弟の1番上、こう見えて23歳で、親がいなくても宿屋を経営する働き者だよ。」


「私はリリ。15歳、いつもはお姉ちゃんの手伝いをしてて、魔法は結構得意です。よろしく‥です。」


 これは俺も自己紹介するパターンなのかな。


「俺はジュンです、16歳でこの世界来てまだ数時間だったりで、路頭に迷ってるところでみなさんに出会えてマジで安心してます。これからしばらくお世話になります。」



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