プロローグ
はじめまして、初投稿です。
これから頑張って連載していきますので、どうぞよろしくお願いします。
-走る。走る。
火が燃え盛る城の上を走り、跳ぶ、着地。
見えた。敵だ。
俺は早口で魔法を詠唱しながら腰から剣を引き抜く、詠唱が完成、地面から土の壁がせりあがる。
俺はそれを踏み台にし大きく跳躍。敵軍に飛び込む。
着地をしながら剣で敵二人の首を薙ぎ払い、飛ばす。
「――――ウィンドカッター!!!」
風の魔法で三人を切り刻み、周囲の敵をぶっ飛ばす。
敵の数が俺一人に対して多すぎるため、絶対に足を止めてはいけない。防ぐのではなく―――避ける!!
敵の魔弾を空中で体をねじりながら回転して紙一重で回避――戦場が目まぐるしく動く
「お兄ちゃん!!!」
―――妹が呼んでる。すまぬな、ちょっと流石に、敵が多く‥
「お兄ちゃん‥‥‥!!!」
―――分かったから。気が散るわ、詠唱してんねん今。
「お兄ちゃん‥‥き‥‥て!!」
―――いい加減うるさいわ、俺が死んでも知らんぞ。
「いい加減起きてーー!!」
―――ぐはっ!!!!
「さっさと起きる!!私もうご飯食べたからね!!!」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
「‥‥‥‥‥はい‥‥。」
どうやら夢だったようだ。もう高校生なのに、中二なのかな‥。
俺は三浦准、16歳、高校一年生、別にこれといって紹介することもない。平均的な男子高校生だ。
平均的な身長、普通な顔立ち、短い黒髪、若干の肌荒れ‥等々‥これを平均的と言わずとしてなんと言うか。
制服に着替え、朝食をとり、朝の準備は完了!!
今年受験生の妹の紫、同じく受験生の弟の日和と一緒に玄関を出る。
「「「いってきます」」」
三兄弟仲良しなのはいいことだな。
弟と妹は双子だ。俺も含め三人を同時に育てたうちの親は最強だ。
母さんのケータイに迷惑メールが届いたとき、迷惑メールの事業所に突撃したのは記憶に新しい。名実ともに私の両親(特に母親)は最強だ。
通学路は中学と高校も途中まで一緒だ、よって、この兄の肩身を狭くする優秀な弟妹と一緒に登校することが多い。
「―――ジューーーーン!!!」
「お、おう!京介!!おはよう!!」
幼馴染‥というか、相棒というか、めちゃくちゃ仲がいいのは確かなお隣の同級生、荒城京介だ。
「まじ最近寒くねぇか!?日本凍るぞ。」
「京介兄さんおはようございます。」
「京介兄ちょっと聞いてよ、准また全然おきなくてさー‥‥」
家族ぐるみの仲なので、うちの弟妹も慕ってくれている。彼は準家族みたいなもんだ。‥‥準家族ってなんや?親戚か?
私が高校一年生の平均身長169㎝なのに対し、彼は179㎝もありやがる、更にスポーツは何でもできるし、テストもいつも1位、爽やかイケメンに性格までいいときた。
「ん?なんだろあれ?流れ星???」
紫の指差す方向に白い光が一筋見える。
なんだろう?流れ星?もう日は出ているのに。
「まぁ、珍しいもんってことは間違いないやろ、願い事でもしとくか?チキュウガメツボウシマスヨウニ,チキュウガメツボウ‥‥」
なんだか不吉なことを唱えはじめる京介、スマホで写真を撮ろうとしている紫、ただ呆然と眺めている俺と日和。
光は北の方角から南の方角へ、ちょうど俺たちの頭上を通過していくルートをたどると思われていた。
このとき、もっと早く誰かが気付いていれば、あんなことも起こらず、平穏な1日を過ごせてたかもしれない。
その光は、ちょうど俺たちのいるところに降り注いだ。
―――その日の朝を境に、その四人を見たものは、この世界からいなくなった。