春告雨【200文字小説】
――雨が降っていた。
天から連なり落ちてくる。桃色の雨が。
今は逢魔が時も過ぎ。
その色は、月明かりに映えた。
そして、その背に敷かれた同じ色。
降ったのなら、溜まりもするだろう。
別段おかしいこともない――
視界を埋め尽くすほどに土砂降りなのだ。
手を差し込み、掬い上げ――零れ落ちてゆく。
さらさらと、ではなく。ひらひらと。
一枚一枚。
時に抜けだすように。
時に名残惜しそうに。
この雨に濡れる中で――
君の、面影を見た。
ニュースやらで見た枝垂れ梅の映像があまりにも綺麗だったので。
三重県だったかな?
一度目にしたら忘れられないぐらい、鮮やかな桃色でした。
んで衝動的に書いて、連載小説のラストっぽくていい感じだったので……
過去にタイムスリップして、なんか向こうでいろいろあって、
戻ってきたら枝垂れ梅の木の下で目が覚める――みたいな。
だけども、今から新しい連載書く体力もないし、
今の連載終わってから書くと季節が過ぎちゃうし……
ということで、200字小説として投稿です。
今回は200字に収めるのに苦労した……
一度でいいから、寝転がって見上げてみたい。
これで膝枕的な妄想ができた人はナカーマ。