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プロローグ

 春休みが終わった。


 中学生になって二度目の春休みだった。今日から中学三年生になる、俺、高倉良太たかくらりょうたは退屈な学校に行くために通学中だ。

 元々春休みは、次の学年や環境に備えるための短い休みだ。そんな短い休みに、『今年は受験だ』と言わんばかりに宿題を出され、春休みは宿題をした事しか記憶に残っていない。


(どうすっかな、受験……)


「おーい、良太。ちょっと待てよ」


「ん? ああ、おはよう健悟」


「おはよう良太! 一緒に行こうぜ」 


 声を掛けてきたのは、小学校からの親友、山元健悟やまもとけんごだ。俺と同じサッカー部所属で、ポジションはひょうきんな性格と小学校の時に所属していたスポーツ少年団の実力を買われてゴールキーパー。ちなみに俺もそのスポーツ少年団に所属していた事もあって、ポジションはフォワードだ。


「なぁ、良太。今年こそ絶対県大会まで行こうぜ! 俺等の代まで地区止まりなんて御免だ」


 そう。俺達『和中中学校わなかちゅうがっこう』のサッカー部は、地区大会止まりの弱小サッカー部だ。並びに、歴代最高が地区大会優勝、県大会出場だ。それも二十八年前の事で、部員が十三人の今ではその面影も全くない。 


 健悟の父親が二十八年前に県大会に出場した事で、健悟は父親に憧れてこの和中サッカー部に入部した。夢は県大会出場で、俺も健悟の夢の為に巻き添えを食らった。


「それもあるけど、俺ら受験だぜ?」


 部活もそうだが、大事なのは『受験』だ。初めて自分で学校を選んで決め、その高校に入学できるように試験を受ける。今の時代は、高校に行かないと周りから白い目で見られたり変な噂を流される。


「分かってるよ……けど、最後の中学生活を楽しまなきゃ」


 適当に相槌を打っているうちに学校に着き、校門を潜った。


「そうだな。じゃあ部活で」


「うん。また後で」


 終業式に担任だった先生から聞いたクラスに、それぞれ別れて向かった。



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