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あまのじゃくな日傘

掲載日:2026/08/26

夏の盛りは過ぎたというのに、まだまだ暑い。

じりじりと焦げつくような日差しに、吹き出す汗。

真夏日の連続更新は止まらない。


買い物の途中。

デパートで涼みながら店を見て回っていると、日傘がセールに出ていた。

暑さは続いているが、日傘のシーズンももう終わりか。


買う気があるわけでもないのに、安くなっていると、つい見てしまう。

手には日傘をぶら下げているというのに。


並べられた日傘は、どれもありきたりで、今持っているものと、あまり変わり映えしない。

晴雨兼用?そうね、ゲリラ豪雨に見舞われた時に役立つかも。

でも、デザインがいまいち好みじゃないなぁ。

これも、これも。

売れ残りなんて、こんなものかしら?


いくつか手に取っては戻し、を繰り返していると、1本の日傘が目についた。


生成りの白い日傘。

縁に上品なレースがあしらわれている。

木製の華奢な持ち手。

洒落ている。


あら、いいじゃない、これ。


さりげなく、値札を見る。

うん、お値段も手頃だわ。


手に取って、広げてみた。

ふんわりとしたデザインで、クラシカルな雰囲気を醸し出している。

白いワンピースに身を包んだ大正美人がさしていたら、絵になりそうな風合い。


これにしよう。


ちょっと見るだけのつもりが、気づけばレジで会計をしていた。

まぁ、掘り出し物だったし。いいわよね。


自分に言い訳をしながら外に出ると、まだ強い日差しが照りつけている。

ちょうどいいわ。この日傘をさしてみましょう。


いそいそと日傘を開く・・・いや、開こうとした。

だが、開かない。

さっきは簡単に開いたのに。

どこか引っかかっているのかしら?


つぶさに見てみるが、どこも何ともなっていない。

しかし、一向に日傘は開こうとしない。

仕方なく、持ってきた日傘をさして、家路についた。


帰宅して、一番最初にしたことは、買った日傘を開くこと。

もし開かなければ、ただの銭失いだ。

ドキドキしながら日傘を開く。

・・・難なく日傘は開いた。


良かった、壊れたんじゃなかったのね。


鏡の前で、開いた日傘をさしかけて、ちょっとポーズなんかをとってみたりする。

やっぱり、いいわ。この日傘。


翌日も、良い天気、というには日差しが眩しすぎる日だった。

買ったばかりの日傘を使いたくて、少しばかりお洒落をして外へ出た。

ウキウキしながら日傘を開く・・・いや、開こうとした。

だが、開かない。

どこをどうしても、一向に日傘は開こうとしない。


どうして?昨日は、ちゃんと開いたのに。


一旦部屋に戻って、ちょっとイライラしながら日傘を開こうと試みた。

・・・難なく日傘は開いた。


「何よ、もう。ちゃんと開くじゃないっ」


思わず声に出して文句を言うと、


「だって、私だって日焼けしたくないんだもの」


と、日傘が澄ましたように、口答えをした。

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