「きらきら」冬童話2026
ゆきのつもったミナの森は
しんとしています
きつねのコンは
あさのさんぽにでかけました
すると
ゆきのなかで
なにかが光っています
きらきら
「なんだろう」
コンはゆきをほりました
でてきたのは
まるくて ほそい えのついた
ぎんいろのもの
うさぎのミミがやってきます
りすのクルミもおりてきて
ことりもえだにとまりました
「石かな」
「つるつるだよ」
「たべものかな」
コンは ぺろり
「かたい」
ミミは ぽんぽんとたたきます
「たいこかな」
トントン
トントン
いい音はしません
ことりが くちばしでつつきます
「たねを すくう さら?」
でも
ゆきは こぼれてしまいます
りすは えをくわえます
「はっぱを あつめる くまで?」
でも
あつまりません
コンは ひっくりかえして
ゆきの上をすべらせました
「すべりだいだ!」
みんなで なんども ためしました
ゆきが きらきら はねます
そのとき
「それは すべりだいじゃないよ」
やさしい声がしました
森のはずれにすんでいる おばあさんです
「それは スプーン。
あたたかいものを すくって たべる どうぐだよ」
おばあさんは なべをだしました。
「みつけてくれた おれいに
いいものをわけてあげよう」
ふわあり
いいにおいが ひろがります
おなべのなかには
とろりとした
雪のように白いシチューがはいっていました
おばあさんは
ぎんいろのスプーンで すくってみせました
「でも ひとつしか ないね」
どうぶつたちは
かおを見あわせます
「みんなで つくろう」
コンは 小枝をさがしました
ミミは 大きな葉っぱをひろいます
クルミは まあるい木の実のからをみつけ
ことりたちは つるをはこんできました
えだをけずり
はっぱをまげ
つるでむすびます
それぞれの
スプーンができました
木のスプーン
はっぱのスプーン
からのスプーン
おばあさんは
おさらにシチューをわけました
「いただきます」
どうぶつたちは
じぶんのスプーンで すくいます
ひとくち
「あったかい!」
森の空気が
ふわりとゆるみました
コンのスプーンも
ミミのスプーンも
クルミのスプーンも
ことりのスプーンも
ほかほかのシチューを
じょうずにすくいました
ゆきの森に たのしそうな
みんなのわらい声がひろがりました
おわり




