ゴルン教異変編 出発前夜その1
ライブラの頼みで、ミールス村に翌日の早朝に向かうことをカノンに言われたユキナとグラン
その前夜、気持ちが落ち着かずに寝れないユキナは、隠れ家の森で剣を振っていた
百年祭の事件で色々ありすぎたこともあるが、今回は嬉しい気持ちで落ち着いていなかったのだ
憧れである裁定者のライブラから頼まれた事だからであった
『おうおう、随分と力が入りすぎじゃないか?後輩?』
満月が照らす真夜中の森の中で剣を振るうユキナに、少し反響した声でユキナを後輩と呼ぶ者が近づいてくる
「ユーゴ…様…ですか?」
ユキナは声の主で誰かはわかっていたが、振り向いて見た人物の予想外の姿に困惑する
ゴートの魔装鎧の姿だと思ったユーゴの姿は、透明感のあるが人間の姿…生前のユーゴの姿、ユキナがよく知る、歴史で習うユーゴ・カリバーンの姿そのものだったのからだ
『へへ、その気になれば生前の姿を映すことも出来るようだな。どうだ?見惚れちまうか?』
ユーゴは自身の容姿に自信があるようで、カッコ付ける
「…絶対それで街とか歩かない方がいいですよ、騒ぎになります。ユーゴ様はぶっちぎりの知名度と顔を知られているんですから」
『らしいな。へへ、有名人は辛いぜ』
「いや、偽物扱いされてとっ捕まるのがオチじゃない?」
辛辣な事を言えるほどにユキナには、ユーゴ対して親しみを感じていた。カノンにボコボコにされたり、無鉄砲で考えずに荒々しい戦い方をするが、仮にも世界を救った大英雄。しかしユキナに感じるのはそういう偉大な感じではなく、身内のような安心感、グランとは違う、兄貴分という言葉が似合う。少なくともユーゴに対してユキナはそう感じている部分がある
(この間の戦い振りと、リーノさんの記憶を見せてもらった時のユーゴ様の戦い方…同じ剣を使う者としても強いのはわかる…)
『…ほお?オレの力量を測っているのか?』
「…バレましたか」
ユキナの目線と反応で、ユーゴは自身の力を測られていることに気付く
『そりゃ、そんなに木刀を強く握っていてはな?…それで?オレに勝てそうか?後輩』
「…どうでしょう、何とも言えない…」
『なら、試してみた方が手っ取り早い』
ユキナの曖昧な回答にユーゴは不敵な笑みを浮かべると、ポージングとり
『キャストアップ!…変身!!』
ユーゴはゴートの魔装鎧の姿に変身した
『聖剣を抜きな、レオ…聞いた話だとデインダイトとムーンダイト、二刀流で使えるらしいな?』
親しみのある雰囲気から一転、今にも襲い掛かりそうな雰囲気を出すユーゴ、もとい聖剣のゴートにユキナは身構える。それはわざわざ言葉に出す必要はないのはわかっていたが、つい、言葉に出てしまう
「本気ですか?」
『稽古に付き合ってやるって言ってるんだぞ、この聖剣のゴート直々に、聖剣の勇者の先輩としてな…全力で来いって言ってんだ。見せてみろよ、噂の聖剣二刀流を』
「…私が聞いたのはそういうことじゃないんですが…確かにユーゴ様は強いです。でも、私も聖剣2本にレオの魔装鎧を纏うとなれば、流石に負ける気がしない。グランが纏っているなら話は変わりますが」
ユキナと呼ばずに、レオと呼んだということはゴートは魔装鎧を纏えということを言っていることを察するユキナであるが
レオの魔装鎧スペックと聖剣2本、それにこの状態のゴートのことを、リーノとカノンから聞いているユキナは、単体だと本体のスペックを引き出せないと聞かされていたのだ
『そいつはどうかな?カノンがどうしてこの付近に隠し家を構えた理由を聞いていないようだな、ここは魔力が満ちやすい場所でな…肉体じゃわからんかったが、この幽霊に近い存在になったからこそわかる』
ゴートは満月に指を指す
『満月の夜であれば、この場所は魔力が満ちやすい。全盛期とまでとは言わんが、グランが纏わずともお前を叩きのめすことは出来る。それに、誰が聖剣相手にまともに戦うと思う?その二振りはオレも使ったことがあるんだぞ?ムーンダイトとデインダイトの力をわかっている。ならば、聖剣には聖剣で相手をするのが道理であろう?』
ゴートは魔力を込めて手をかかげる。何かを呼び出すように
『疑問に思わなかったか?どうしてゴートの魔装鎧は聖剣の座にあったのに、エクスカリバーがあの場になかったのか?お前さんの親父さん、ユーダはもっとも安全な場所に保管していたんだよ。まあ、居場所さえわかれば、オレなら呼び出すことは容易い。来い!エクスカリバー!!』
ゴートが呼び出すと、遠くの湖から轟音共に水柱が立つ。それはユキナ達がいる聖王都の郊外の隠れ家からでも見える程高い水柱。そして刀身が光り輝く剣がゴートの元に飛んで来て、それを勢いよく掴む
その聖剣を目にした瞬間にユキナは、手が震える。その剣は聖王都、カリバーン王国で住まう者なら誰もが知る形状の伝説の聖剣であり、カリバーン王国が過去に存在する聖剣の中でも最強
「エクス…カリバー…!」
ゴートの魔力を込めたエクスカリバーは、刀身が眩い輝きを放つ。圧倒的な魔力にユキナは少し後退りをする
そんなユキナを見てか、ゴートはゆっくりユキナに向かって歩いてくる、エクスカリバーを右手に持ちながら
『さあ、どうしたレオ?来ないならこっちからいくぞ?』
ゴートは本気であること、こちらも本気でやらなければ切り殺される。察したユキナは、カードを取り出す。それも3枚
「キャストアップ!」
カードの一枚に魔力と詠唱を唱えると、防御魔法の展開ともにユキナにレオのベルトが装着される
一つはレオの魔装鎧を収納、変身時の無防備をリカバーする為の防御術式を展開させる術式のカード
「変身!!」
ユキナに金色のレオの魔装鎧が纏われる。続けてレオは2枚のカードの魔力を込めて
「召喚術式!来て!ムーンダイト!デインダイト!」
2枚のカードは聖剣ムーンダイト、聖剣デインダイトを収納させ、それを呼び出すことが出来る術式のカード
呼び出した2本の聖剣を手に取り、ユキナは構える
『いいね…聖剣二刀流の勇者なんてかっこよすぎるじゃねーか。金色の鎧でな…構えからしても、ハリボテじゃねーな?』
ゴートもエクスカリバーを構える
『ジェミニアから聞いているかどうかは知らねーが、オレは最初っから全力全開だぜ?いくぜ、いくぜ、いくぜぇぇぇ!!』
それは一瞬であった、ゴートが地面を蹴りだすように前進、というより突進に近い動き
(目で追えなかった!?いつの間に間合いに!?)
レオはゴートの動きを目に追うことが間に合わず、瞬時にゴートが間合いに入り
『術式展開!フォトンスラッシュ!Vの字斬り!!』
ゴートの渾身の魔力を込めたエクスカリバーが振り上げられる。レオは瞬時に反応してムーンダイトで受け止めるが、レオが足が立っている地面にめり込む程の反動と力強さであった
レオは左手のデインダイトをゴートの胴を狙う、二刀流の利点を活かした反撃であったが、ゴートも瞬時に反応してムーンダイトを流し返し、デインダイトを弾く
そこから激しい聖剣同士の打ち合いとなった。優勢なのはゴートの方であり、勢い任せの戦いにレオは押されていた
(勢いと力任せのような戦い方…だけじゃない!剣術も剣技も使ってくる!…カリバーン王国で扱われる剣術による、超正統派スタイル…!)
レオがゴートに対してそういう評価をするのも無理もなく、レオのここ最近で剣でやり合ってきたのはカノンであり、カノンは搦め手の技量と反応速度で押し切るタイプに対し、ゴートは良くも悪くも力と勢いで押してくるタイプなのだ
最初は押されていたレオであったが、徐々にゴートの動きに対応出来るようになってきて、二刀流というアドバンテージを活かし、むしろゴートを押し込んでいく
ゴートも攻撃しながらも、レオの反撃に対応していくが、徐々に防戦を強いられていく流れになっていく
だが、ゴートも王家の血統の聖剣の勇者。レオの攻撃の反動を利用して
『術式展開!フォトンスラッシュ!サークル斬り!』「術式展開!烈火刃!」
ゴートは光の魔力を込めた回転斬りを叩き込んでくるが、動きで次の動作を読んだレオはデインダイトに炎の魔力を纏わせた斬撃を叩き込む
エクスカリバーとデインダイト、互いの技がぶつかり、相殺するが、ゴートの方が飛ばされて、距離が離れる。ゴートは宙返りしながら着地し、態勢を立て直し
『パワーならお前の方の上か…へへ、どうも十二騎士の女性陣は強くて頼もしくて嬉しいもんだ』
パワー負けしたことにゴートは落ち込むどころか、逆に喜んでいた。一方のレオはこの誉め言葉を素直に受け入れることが出来ず
(パワーで押し切っただけで、剣技自体は互角…だけどゴート様が踏んでる場数が違う。さっきの技の打ち合いで打ち負ける判断が早かったから、すぐさま受け流して仕切り直しに入った…たぶんあのまま畳み込んでも、カウンターを打ち込んで来ていた)
ゴートが宙返りしている時ですら付け入る隙がなかったと、レオは判断、分析をしていた
『剣技は自体は互角…地上戦ではな。さて、空戦となればどうかな?レオ?』
ゴートはゆっくり浮き上がり、そして一気に上昇する。レオがゴートが急上昇したことに気付いた時には遅く
『術式展開!!フォトンスラッシャー!!乱れ撃ちだ!!』
光の魔力の斬撃波の雨がレオに降り注いでくる。レオも2本の聖剣に魔力を込めて、降り注ぐ光の斬撃波の雨に対し
「術式展開!三日月!日輪円!乱れ撃ち!」
三日月状と円状の斬撃波を放つ。光の斬撃波と月と太陽の斬撃波がそれぞれ相殺し合う、その斬撃波を相殺することに気を取られていたレオは、ゴートの接近に気付かず
「しま…!?」『術式展開!!フォトンアッパースラッシュ!!』
ゴートはレオを打ち上げるようにエクスカリバーを力いっぱい振り、レオは二本の聖剣で受け止めるが隙だらけで、十分に受け止められる態勢ではなく、そのまま百数メートル上空に打ち上げられてしまう
「ぐぅ!!!」
レオは踏ん張りながらブレーキをかけて態勢を立て直そうとする、だがゴートはそのまま畳みかける
回転しながら斬り込んでくるゴートに気付くレオだったが、その回転斬りの威力に負けて、聖剣の一本、ムーンダイトを弾き飛ばされる
レオも黙ってやられっぱなしではなく、残ったデインダイトで反撃を行う。だが押しているのはゴートであった
空戦機動の剣による近接戦は、その機動力や慣性を生かした回転斬りや、大振りな戦い方が有効になる場合、場面がある。空戦機動における剣技はレオは心得があっても実戦経験、ましてや同じレベルの剣の腕の者と戦う、剣で打ち合うのは初めてであり、一方的に押されていた。妖魔達が全盛期で暴れていた時代に、エクスカリバーを空戦で振り回して妖魔を倒してきたゴートの経験値に、レオは圧倒的に負けていた
胴体や頭にまともにエクスカリバーの斬撃を何度か受けていた
「ぐ!」「スゲェ頑丈じゃねーか、剣で打ち合うより、魔装鎧に当てた方が手に反動が来やがる」
レオの元々の頑丈な体の上に、魔装鎧と桁違いの魔力出力の防壁でエクスカリバーの斬撃では強めの衝撃を受けた程度のダメージしか入っていない
しかしここまで純粋な剣技で押されていたことに、少なからずレオは動揺、ショックは受けていた。だが押しているゴートはレオに対して失念している要素があった。レオの剣技の成長速度、そしてここ最近まで、誰を相手に練習をしていたのか
レオはゴートの剣のタイミングを計り
(ここだ!)
デインダイトでエクスカリバーを絡めるような形で止める
『ほう?カノンの奴の十八番じゃねーか。そのまま剣を弾き飛ばす、ジパンの剣技…だがな!』
剣で動きを止められて勢いを止められたゴートであったが、レオが次の動作、剣を弾く前にゴートは頭部に魔力を集中させる
『術式展開!頭突きだ!くらいやがれぇ!!』
「そう簡単に!させるか!」
ゴートの頭突きに対して、レオは左手に魔力を込めたパンチを繰り出す。互いに強烈な一撃を相殺し、お互いに吹っ飛ぶ。ゴートはさらに上空に、レオは地上に近づく
「来て!ムーンダイト!!」
距離を取った隙をついて、レオはムーンダイトを呼び出し、左手に掴み再び二刀流の状態になる
『やるじゃねーかレオ!オレの空戦剣技にもついてこれる剣のセンス…流石はその二本が選んだ聖剣の勇者なだけはある』
ゴートはレオを褒めたたえながらも、エクスカリバーを構える。構えた瞬間、周囲の空気が震えるような感覚をレオは感じる
『さて、オレはともかく、あんまり夜更かしも良くねーからな…そろそろ終わらせてやる!!聖剣のゴートとエクスカリバーの最大出力の剣技…レオ、お前も全力で来ないと、隠れ家が消えるぜ?』
レオの真下には隠れ家があり、ゴートはそこをめがけて放とうとしていた。自身の最大威力の技を
エクスカリバーを高らかに構えると、刀身がさらに眩い輝きを放ち、空気を震わせる。ゴートはエクスカリバーにありったけの魔力を込めていた
この異様な魔力に、レオは危険を感じる
(斬撃波を放ってくる…しかもただの斬撃波じゃない…滅・月光破と同様かそれ以上!しかも回避も防御も許さない状況に追い込まれていた…!十二騎士のリーダーというのは伊達じゃない!)
ゴートの戦い方は、一見は勢い任せで考え無しの戦い方に見えるが、戦い慣れしている、追い詰められたことにレオは再度感心する
そしてこの一撃を防ぐ方法は一つ、シンプルかつ、純粋な真っ向勝負
レオもムーンダイトとデインダイトを上に構え、2本にありったけの魔力を込める。狭間の怪人が出した、巨人を跡形もなく消し飛ばした剣技、聖剣のレオの最大必殺技
レオが二つの聖剣にありったけの魔力を込めると、空気中の震えがさらに大きくなり、周囲が地鳴りのような現象が起きる
『いくぜ!いくぜ!!いくぜレオ!受け止めてみせな!この光の嵐を!!術式展開!!フォトン!ストーム!!!』
「ムーンダイト!デインダイト!術式展開!滅・月光破!!」
フォトンストーム。まさしく光の嵐という表現が似合う、聖剣のゴートの最大出力の斬撃波であり、まさしくレオどころか、レオの真下にある隠し家を跡形もなく消し飛ばす程の巨大で強烈な斬撃波
そしてレオが放った、滅・月光破とフォトンストームがぶつかり、激しい衝撃波が発生し、近くの木々が激しくなびき、眩い光を放ちながら滅・月光破とフォトンストームがお互いに相殺していく
その相殺する光に、レオは気を取られていた。その光の中を突っ切るように、この状況をわかっていたかように、眩い光を放ちながら、エクスカリバーを構えた聖剣のゴートが突っ込んできたのだ
「な!?」
『こいつが本命だ!!いくぜ!!術式展開!フォトン!スターダストスラッシュ!!』
ゴートは魔力を込めたエクスカリバーの連続斬りを仕掛ける、レオも反応して2本の聖剣で受けるが
「ぐ!?今までと違う!?受けきれない!?」
ゴートのエクスカリバーの太刀筋に、レオは力負けしていた。そのままゴートに滅多切りならぬ、滅多打ちにされてしまう
(さっきのフォトンストームの最大出力の魔力を保ったまま、連続斬りをしてる!?しかもこの太刀筋、単純に速くてパワーだけじゃない、一瞬だけペースを落としたり、上げたりしてリズムを崩される!やりづらい!!)
流星の如く降り注ぐような、エクスカリバーの最大出力による連続の剣撃。レオは剣で防御に徹するものの、リズムを狂わされて、次第に追い付けなくなり、ついに大振りな回転斬りで2本の聖剣を弾き飛ばされ
『ボディが!がら空きだぜ!!術式展開!フォトンナックル!!』
魔力を込めたゴートの拳、ボディブローを叩き込まれてしまう
「ぐうぅぅぅ!!??」
まともにボディに受けたレオは、そのまま地上に叩き落されてしまい、変身が解除されてしまう
「まさか、あんな剣技を使ってくるなんて…」
すぐさま立ち上がろうとするユキナであったが、その見上げた視界には、エクスカリバーをユキナの顔に向けたゴートの姿であった
「…私の負けですね」
『すぐに立ち上がるとはな…結構渾身の一撃を叩き込んだ筈だし、さっきの技も自信があったんだがな。なかなか対応してきたじゃねーか。なるほど、マジで聖剣の選んだ勇者の中でも、最高スペックじゃねーか、ユキナ。正直、期待以上だ』
「嫌味にも聞こえるけど…英雄ゴートに褒められていることに喜ぶべきか、負けたことに悔しがるべきか悩ましい」
負けず嫌いであるユキナは悔しいながらも、表情はどこか嬉しいようでもあった。自身の力不足を認めざる得ない程に、ゴートの剣技は素晴らしいものと認識してしまった為に
『オレ達のような、魔力出力が高い聖剣の担い手は力技、大技による出力過多の戦い方になりがちだがな、それだけに周囲に余計な被害をもたらしてしまう、だから実戦じゃセーブして戦わざる得ない状況も多い。それに再生能力のある怪人相手なら、連続攻撃を叩き込むの有効だ。オレのような最大出力を保たせたままの剣技を覚えておけ』
「…それを教える為に?」
『お前とオレは似たようなタイプだ。体を叩き込んだ方が覚えるだろ?それに先輩の威厳を見せたかったしな』
「最後の方が言わなければいい話だったのに」
ゴートの茶目っ気に、ユキナは呆れつつも、笑ってしまっていた
『ほら、手をかしてやるよ、ユキナ』
ゴートはユキナに手を出して、立たせようとし、ユキナも手を取ろうとした…が、ユキナの手が止まった
「…そういえば、私が力負けてして、ユーゴ様は隠し家を吹き飛ばしていた場合、カノン先生にどう言い訳するつもりだったんですか?」
『そりゃ…お前とオレの全力技をぶつければ相殺するのはわかっていたからな…まあ、エクスカリバーの一撃で消し飛ぶような耐久性じゃないだろ?その程度で消し飛ぶようだったら、カノンの奴が悪い』
「そうかそうか、覚悟はいいか?さまよう鎧野郎」
背後から声に、ゴートが急いで後ろ降り向くが
「術式展開、トルネードスマッシュ」
強烈な回し蹴りを叩き込まれて、ゴートは地面に叩き込まれる
『ぎゃぁぁぁ!!!カ、カノン!?』
ゴートの視界には、寝間着を着ているカノンが立っており、それは笑顔であったが、同時に恐怖を感じるものであった
ユキナはカノンの存在に気付いていたから、手を止めたのであった
「んで?ユキナ、オレたちの隠れ家を守ったのはお前で、このバカが隠れ家を消し飛ばそうとしたバカか?」
「あ、はい」
『ユ、ユキナぁぁぁ!?』
カノンの圧に、ユキナは即答し、ユキナに裏切られたと思ったゴートは絶叫していた
「まあ、聖剣の勇者として後輩育成するのはいいけどな…さっきの発言は聞き捨てならんぞ?ユーゴ。覚悟はいいか?」
カノンは拳を鳴らしながら、ゴートに迫る。ゴートも立ち上がりエクスカリバーを構える
『覚悟だぁ?へへ、この魔力の満ちる地、そしてオレの手にはエクスカリバーがあるんだぜ?やれるもんならやってみやがれ!!術式展開!!フォトン!スターダストスラッシュ!!』
カノンとゴート、互いに臨戦態勢で、先に仕掛けたのはゴートであったが、カノンはゴートの剣技の一撃目をあっさり躱すとゴートの手首を掴み、足払いをし、そのままゴートを地面に叩き伏せる
『あ、あれぇ?』
「その技、閃光のバルゴからヒントに、オレと共に開発した剣技だろうが。パターンはわかってんだよ、それにさっきまでユキナとやりあっただけあって、疲弊しているんだよ。疲弊したお前の剣技なんざ、オレが目で追えないと思っていたか?」
常識外れの反応速度のカノンからすれば、疲れているゴートの剣技は目で追える程度であった
カノンはゴートが掴んでいるエクスカリバーを蹴り飛ばし、杖を展開させていた
「さて、覚悟はいいな?」
『ちょ、おま…ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!』
その後、カノンが一方的にゴートをボコボコに叩きのめしたのであった




