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百年祭 『オレは最初から最後まで全力全開だぜ!!』

上空の暗雲から降り注ぐ圧縮弾と、蜘蛛の妖魔の猛攻に裁定者のライブラは完全に押されており、防戦に徹するのに手一杯の状態であった

被害を抑えるために再び空中戦に持ち込むことはできたが、上空からの圧縮弾で機動力を封じられているライブラは空戦機動においても遅れをとっていた


『ハハハ!!!そんなものなんですか!!魔王ライブラの力は!!』


蜘蛛の妖魔を操っているであろうマグスの声が、ライブラを煽り、思わずライブラは舌打ちをしていた


(ちぃ…完全にコントロール出来るようになったのか?動きが先ほどまでとは違う!それに…)


ライブラはワームシュートを複数展開して攻撃をするが、それも難なく避けられる。縦横無尽に展開しているのに関わらずに避けられて、ライブラの間合いに入られて近接戦に持ち込まれる

一見回避困難なオールレンジ攻撃のワームシュートが避けられるか、ライブラはおおよそ答えは気付いていた


(おそらくマグスとやらが遠くから観察しているのだろう…ワームホール展開しようとすれば、その予兆がある…そこを読まれていると考えるべきか…長期戦になってしまったのがアダになったか…)


大剣と防壁の魔法で近接戦を凌ぐが、背中の8本の脚と腕2本の高周波の爪の攻撃、猛攻に完全に手数でもパワーでも負けており、その時は来るべくして来た

ライブラの大剣は弾かれ、8本の脚が魔装鎧を貫通して脇腹と肩や腕に刺される


「ぐぅぅぅ!!」

『無様ですねぇ…魔王ライブラ』


身動きが取れないライブラは刺されたまま、持ち上げられ、そして首を掴まれる


『まだトドメは刺しませんよ魔王ライブラ?私としてはあなたに聞きたいことがあるんですよ。いや一人の演出家として、あなたの魔王として、魔王らしからぬ振る舞いについてね?』


マグスは魔王に語り聞かす、本来の魔王たる存在を


『かつては人類の敵対者であり、魔族を先導し、そしてカリバーン王国の初代国王とも戦った魔王ライブラ。敗北を期に人類と争うことをやめ、そして妖魔大戦を期に人類側にこびへつらうようになった魔王…かつてはあなた以外にも数多の魔王がいたとされ、そのほとんどが妖魔大戦の妖魔達の餌食になったと聞く…そんな彼ら魔王たちが今のあなたを見れば嘆くでしょう。生き残る為とは言え、人類と手に取り合うなどあってはならない!魔王とは恐怖であり!理不尽で!暴君!!そして絶望的な強さを持つ!!本来のあなたなら、この辺りを消し飛ばす気になればこの妖魔にも勝てた筈です…そんな無様で弱った魔王と共に人類に寄りそうをとしたこの女も哀れなものですねぇ?魔王ライブラ、彼女がこんな目に遭っているのはあなたが不甲斐ないせいですよ?』


自身満々に自身の魔王の理想像と、ライブラの罪を語るマグス


「…言いたいことは…そんなつまらない魔王としての理想像か?実にくだらなく、つまらない話をするんだな貴様は」


ライブラは呆れるようにマグスの語りをつまらない話と一蹴する


「一部分に関しては認めよう…確かに私の不甲斐なさ故にそこの妖魔にされた彼女がひどい目に遭っているのは事実だろう…だがな、貴様の語る魔王の理想像は、力を持てば誰でも出来そうな馬鹿で簡単な魔王だ…だから私以外の魔王は妖魔によって滅んだ」

『ご自身は違うとでも?』

「…奴は言った…どうせならなるのが難しい魔王になればいい…最低の暴君たる魔王ではなく、最高で善を成す魔王の方が難しいし、やりがいがあるに決まっている…奴の言う通りだったよ…私は最高で善を成す魔王の方が楽しいんだよ…貴様程度が我が魔王としての在り方を語るな…!」


ライブラの語る魔王の理想像に対し、マグスは


「…やれやれ、最後の魔王もこんなにもつまらない人物だったとは…仕方ない、我が物語の一ページとしてその最期だけは綴らせてもらいましょう。この形態のデータも十分に取れたことですし」


興味を失ったマグスは、ライブラを用済みとして判断する。そして妖魔の口が開きプラズマレーザーの発射態勢になる。この至近距離から撃たれればライブラは跡形もなく消し飛ぶ

妖魔がプラズマレーザーをチャージしようとした時、遠くから一条の光が暗雲を切り裂き、暗雲を晴らし、空に青空が戻る


『何事だ!?』


驚いたであろうマグスが、一時的に妖魔のコントロールか意識を離してしまったのか、妖魔が無防備になった。それをライブラは見逃さず


「術式展開!ワームシュート!!」


ワームシュートで自身を刺していた妖魔の脚を切断し、拘束から逃れる。しかし飛べるだけの余力が無い為に、そのまま落下していくが


『ご無事ですか?魔王様?』


アクエリアスの式神を操るリーノがそれを受け止めてその場から離脱する


『逃がしましたか…しかし今のは一体…』


マグスは妖魔のコントロールを戻し、背中の脚を再生させていたが


術式展開(オレの必殺技)!!フォトンストライク!!!』


妖魔は光の魔力を帯びた飛び蹴りをお見舞いされ、そのまま落下して街路の地面に叩き込まれる


『な…今のは一体…』


驚くマグス、操っている妖魔が立ち上がって視認したことで飛び蹴りを叩き込んだ正体に気付く


それは妖魔大戦時代、十二騎士達をまとめ上げた人物であり、十二騎士達のリーダー

聖剣に選ばれし勇者であり、数多の聖剣を使いこなしたとされる

その勇ましい戦いぶりと、逸話からカリバーン王国に限らずに、多くの人々に愛された英雄

その肉体は滅びても、その魂は白銀の魔装鎧に宿し、勇気ある者と共に戦う

そして太陽の聖剣、デインダイトをかざす


『暗雲を切り裂き、空に日輪を照らすは太陽の聖剣の役目…この国に似合うのは青空ってな』


ユーゴ…もとい、聖剣のゴートはデインダイトを地面に突き刺し、見得を切る


『十二騎士が一人!!聖剣のゴート、参上!!』

『聖剣のゴート…まさか生きていたというのか?確かにジェミニアの例があるとは言え…』


マグス…というよりはウロボロス達はカノンが100年前の人間であることは気付いていないだけあって、不思議がっており、そこにさらに聖剣のゴートまで現れたことで、困惑している様子であった


『死んでいたぜ?たがな、てめぇら見たいな妖魔の力と魔法を悪用して悪さして、美人を騙して操って、泣かせる悪党がいるっていうならオチオチ永眠している訳にはいかねぇからなぁ!行くぜグラン!!』

「わかってる!ユーゴ・カリバーン!」


聖剣のゴートはグランが纏い、体の主導権はユーゴが握っている状態である。ユーゴは地面に突き刺したデインダイトを抜くと、ベルトのバックル…ドライバーを操作する

魔装鎧には主にカリバーン王国製とルドン帝国製があり、仕様が異なる。ジェミニアの魔装鎧はルドン帝国製であり、マキシマムチャージシステムが採用されているが、カリバーン王国製のゴートの魔装鎧にはフルドライブシステムが採用されており


『オレは最初っから全力全開(フルスロットル)だぜ!!フルドライブ!起動!』


フルドライブが起動すると、ゴートの魔装鎧の肩パーツや脚部パーツの開口部が開き、魔力の光を激し放出する

動力源である魔石を限界ギリギリまで稼働させて、出力を大幅に上げる

フルドライブを起動させた聖剣のゴートは、通常の3倍以上の出力、機動力、防御性能を上げるのだ


『行くぜ!行くぜ!行くぜ!!!』


フルドライブ状態で妖魔に真っ向から勢いよく向かうゴート、妖魔も圧縮弾や電撃に迎撃するが、ゴートはそれをものともせずに当たりなら、急接近から自身の間合いに入り


『遅いぜ!!オラオラオラ!!!』


デインダイトを振り回すように妖魔を滅多切りにして、妖魔にダメージを叩き込む

咄嗟の攻撃でまともに受けていた妖魔も、背中の8本の脚と鋭い両腕の爪で対応するが、ライブラとは近接戦闘技術は大違いであり、いかに手数のある上にパワーのある妖魔の攻撃をゴートの剣技と戦闘技術はそれを上回り、難なく対応されて逆に反撃を受ける

上空に展開した暗雲はゴートのデインダイトによって、振り払われて、上空からの圧縮弾を降らせることも出来なくなり、ライブラ相手にしたいた時より一転、完全にゴートのペースになっていた


『これは…いけませんね』


一旦距離を取ろうと、妖魔は空に飛ぼうとしたが


『逃がすかよ!』


瞬時に勘付いたゴートは、背中の脚の一本を掴むと、そのまま引っ張ってゼロ距離まで間合いを詰めさせると


術式展開(オレの必殺技)!!連続頭突きだこの野郎!!』


妖魔の頭に頭突きを連続で叩き込む

荒々しいを通り越して、もはやめちゃくちゃなノリで戦うゴートに操っているマグスは困惑しており、妖魔の操作がおぼつかないが


『なんて無茶苦茶で品のない!!』

『知らねぇのか?戦いっていうのはな…ノリが強い奴が勝つんだよ!!それに仮面の騎士が悪党に負けるかぁ!!』


何とか反撃しようと、妖魔の口の開口部を開き、プラズマレーザーの発射態勢を取ろうとした瞬間、それを待っていたかのようにゴートは妖魔の顎に魔装銃を叩き込み、顔の向きを上に向けさせたまま


術式展開(シーケンス)、アイスバレッド!!」


凍結弾を妖魔の顎と首に叩き込み、凍らせて向きを強引に上に固定させる

妖魔は上を向けたまま、空に向かって無意味にプラズマレーザーを発射、放出させられてしまう

妖魔はプラズマ動力によってをプラズマを表面に帯びている、プラズマフィールドを張っている。

そのおかげで防御性能が上がっており、聖剣を以ても一刀両断するのは難しい。しかし高威力、高出力のプラズマレーザーを発射した直後では一時的にプラズマフィールドが減衰することをグランとリーノは見抜いており、ユーゴも経験則から気付いていた

ワザと発射させて、その一瞬の防御を緩む瞬間


『よくやったグラン!!この瞬間を待っていたぜ!!』


ゴートは瞬時に背後に回り、デインダイトを構える。太陽の聖剣デインダイト、その名の通りに太陽の力を模した剣の刀身が、真っ赤に燃える


術式展開(オレの必殺技)!!プロミネンススラッシュ!!Vの字斬りだぁぁぁ!!!その脚!もらったぁ!!』


ゴートはVの字に刀身が燃えるデインダイトを振り、妖魔の背中の脚8本全て一気に叩き斬る

ゴートはデインダイトを投げ捨てて魔装銃を右手に持ち


変形魔法(バリアブルライゼ)、ビックアームナックル!」


魔装銃を自身の腕より一回りも二回りも大きい腕に変形させて装着する


『わかってるじゃねーかグラン!!行くぜ!術式展開(オレ達の必殺技)!!フォトンナックルだぁ!!!』


自分好みの武器を用意したグランに喜びつつ、光の魔力を込めたパンチをお見舞いし、妖魔をぶっ飛ばす

妖魔は苦悶の声を上げながら、ゴートが狙ってぶっ飛ばした場所に飛ばされ


『後は頼んだぜ!魔王!!』


妖魔がぶっ飛ばした先には、ライブラが待ち構えていた

リーノから事情を聞いたライブラは


「全く、相変わらず魔王使いの荒い勇者だ…だが、お前に頼られるのは悪くない…!」


ライブラは呆れつつも、そして懐かしくも嬉しい気持ちになっていた

ライブラはベルトのドライバーを操作し


「行くぞ…!フルドライブ、起動!」


フルドライブを起動させて、自身の用いる全力の手を使い。妖魔の向かってくる距離に合わせ、自身の間合いに入った瞬間


術式展開(シーケンス)、グラビティフィールド」


時空系魔法、グラビティフィールド。自身以外の周囲の時の流れを遅らせる、ジェミニアが使う加速魔法、ウインドアクセルとは対になり得る魔法

ライブラは妖魔の動きを遅らせ、完全に無防備、心臓、ウロボロスカードが狙える状況に持ち込む

ライブラは魔力を右足に集中させる。ライブラの近接技の中でも大技の一つ


術式展開(シーケンス)、奥義・次元斬!」


妖魔の胴体狙って、ライブラは魔力を込めた右足で回し蹴りを入れる

ライブラの回し蹴りは空間を切り裂き、妖魔の胴体の中を晒出し、不自然な黒い物体を見つけ出し


「見つけた、そこだ!」


ライブラは妖魔からウロボロスカードだけを引き出し、空間を元に戻す。そしてそのままウロボロスカードを握り潰して破壊する

ウロボロスカードを引き抜かれた妖魔は元の姿、女将の姿に戻り、ライブラは受け止める

女将は気を失っている様子であり


「…どうやら、上手く行ったか…」


ライブラは自身のマントを女将にかけると、そのまま膝を付き、そのまま気を失ってしまう。限界だったのだ


「…成功…したのか…?」

『ああ、流石魔王…やってくれると思った…お前もよくやったぜグラン』

「そう…か…」


ゴート…とうよりそれを纏っているグランも限界だった、無茶苦茶なユーゴの動きに振り回されて魔力を強引に使われたことで、大の字になって倒れてしまい変身が解除される


『おいグラン!?どうした!?グラン!?』


グランもそのまま気絶してしまう

ライブラとグランが総力をもって、満身創痍になったものの、蜘蛛の妖魔は撃退に成功し、女将の救出に成功したのであった

聖剣のゴート グラン変身時  ※()内の数値は本来の装着者のスペック


パンチ力 20トン (50トン)

キック力 30トン (30トン)


最高速度 マッハ2.5

装備 勝手に借りてきた聖剣デインダイト

フルドライブシステム搭載


ユーゴ・カリバーンの魂と意思が憑依しているゴートの魔装鎧を、グランが装着している状態

基本的に体の主導権はユーゴで、状況に応じてグランの意思でも動かす。全盛期程ではないが、ユーゴの近接戦闘力と剣技を再現出来ている

ただし、身体的負担は全てグランに来るのと、本来の魔装鎧の使用用途はかけ離れた使い方、ユーゴの荒々しい戦い方や、無理やり魔力をグランから引き出している為、グランにかかる負担が大きい

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