EP93 最終話 嵐を呼ぶ謎の美少女Youtuber Rock Band 現る! なんと全員がバニーガール!*
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糞ジジイのヘドラーやアンドロイド4人組、レイとランを除いたジョセとメーダが、夢野家に住み着いて早1か月が過ぎようとしていた。
夢野家では、ジョセとメーダまでが優雅の嫁認定され、飯を食わないアンドロイド組は、いつもどこかへ出かけて帰って来る<通い妻>候補となっていた。
「あの4人は御飯を食べないから食費が助かるのよね、それにあなた、通帳に(株)南極から毎月振込みがあるのよ、ボケ爺さんのアテント代も馬鹿にならないから助かるわ」
「ふ~ん(株)南極か? 慈善団体かもしれんな」
母亀代は思考がズレまくり、父鶴吉のパンツもズレまくっていた。
父鶴吉も母亀代も、4体がアンドロイドとは全く気づいていない。つまり優雅の嫁を数えると8人にもなるのだが、鶴吉も亀代も大奥気分でそれを迎え入れようと思っているのだ。
「ハーレムは男の夢、息子は大奥を実現してくれた」
「あなた、わたし優雅の本命はジョセちゃんだと思うわ」
いったいどういう馬鹿夫婦なのか......そのように思考を曲解させたカラクリは、ジョセのマインド・コントロール波装置のせいである。
ついでに糞ジジイは、<神隠し>に遭った住所不定の行き場の無いボケ老人として、隠居部屋に一人で住まわせているが、部屋からは「おぉ、メロディはこれだ!」とかぶつぶつ言う声が聞こえて不気味だった。
それを可能としたのは、夢野家の家は古民家で大きく、ちょっとした民宿経営が可能なほど部屋数が多かったのも幸いしていたのだ。
さて______優雅の通う高校では、あり得ない事に行方不明事件が<神隠し>だった事に学校側も生徒も納得してしまい、何食わぬ二学期が始まっていた。
同じクラスのレイと、1年生のランは問題は無いのだが、なんとジョセとメーダが、ジョセの何らかのスキルで俺のクラスに編入して来たのだ。
おい!
「ジョセとメーダ、お前達二人は俺より年上だろうが。それにメーダ、その顔とエロフ耳はどうしたんだ?」
ふふん知りたい?
つまり転校する前の学校も戸籍も何もかもを捏造し、メーダのエロフ耳もスキルで人間の耳と全く見分けがつかないようになっていた。
更に凄い事には、ジョセもメーダも超美人なのだが、これもジョセのスキルで、普通の女子高校生に見えるよう幻覚を見せているという凝りようなのだ。
目的は当然、男子生徒から注目され無い事と、優雅の傍に居たいからであって、放課後になれば軽音部でバンドの基礎練習をする為でもある。
その軽音部は、ドラムスのラン以外に部員が居なかったのも幸いして、防音装備のある部室で、基本練習をかかさず続ける事が出来た。
______あの壮絶な夏休みが過ぎて、10月ともなると少し肌寒くなって来たのを契機に、プロモーターの糞ジジイ、ヘドラーが異世界ジャーブラ島で、プロモーションVTRを撮影すると言い出した。
これには学校に通わず、する事の無かったアンドロイド4人組が喜んでADとなり、カメラ、マイク、レフ版、ケータリングと手際よく動きまくってくれた。
おまけにジジイが、夜も寝ないで昼寝して作った作詞と作曲まで用意してあり、ジジイの世界征服をする企みは着々と進んでいった。
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「ごほっ、"The Cuty Bunnies"の諸君、軽音部で基礎練習は出来たと思う。次は異世界ジャーブラ島の海岸で、新曲のリハーサルとプロモーション動画を撮影するぞい」
「やったぁ異世界!」
「また行けるの?」
と言う事は、もう軽音部で練習はしなくて、いきなり放課後に異世界トリップして練習を重ねると言う意味に他ならない。
俺達は学校の放課後になると、密かにポータブル次元転移装置を起動して、異世界ジャーブラ島へと転移した。
転移すれば当然、俺はまた超絶ハーフ美少女に変身し、ジョセとメーダの幻覚効果も解けている。
「チェンジ・バニー」の掛け声と共に、着慣れた強化スペシャル・バニースーツに変身すると、糞ジジイの作詞・作曲したスコアで練習を重ね、10日程で完全に弾けるようになった。
「ふむ、私の狙い通りのサウンドで、エロビジュアルも最高だ。よし、完全版の動画を撮影して、早速Youtubeにアップロードするぞい」
「でもさジジイ、このシチュエーションって、あの<ハルヒ>とそっくりじゃないか? バニーガールのバンドってさぁ」
......。
「ジジイが黙りやがった。さてはパクリか!」
俺達"The Cutie Bunnies" は営利を目的としていないYoutuber ロックバンドなのだ。もともと素が高校生であって、ヘドラーの目的も金では無く、世界に"The Cutie Bunnies"旋風を巻き起こす為なのだから。
糞ジジイが動画を撮影、編集したものをアップロードしたのは、それから3日後の事である。もっとも編集作業は、南極秘密基地の元四天王達が全面的にバックアップしたもので、その完成度は異常に高かった。
♪
「おい、このロックバンド、すげぇ可愛い!」
「ああこれ知ってる、"The Cutie Bunnies" って言うんだろ。メンバー5人が全員、超絶ハーフ美少女でコスチュームがバニーガールだなんて、こんなエロいバンドは、アニメのハルヒ以外見た事もない」
「それにデビュー曲の名前と歌詞が面白いんだ」
瞬く間に日本はおろか、世界中が騒然となったその曲の名こそ<異世界アイランド Oh My God!!>である。
"The Cutie Bunnies" デビュー曲 "異世界アイランドOh My God"
作詞・作曲 ヘドラー総統
♪What's 異世界 Where アイランド
誰も 見た事のない世界
それはどこにあるのよ
教えて~プレイアデス
♪美しい空と海 だけど
戦いがあった異世界ワールド
戦いのむなしさ胸に秘め
Cutie Bunnies vs ラストボス
♪What's 異世界 Where アイランド
勝鬨上げて ゲートをくぐれば
そこは<Tokyo> Oh My God!!
(日本語ver)
俺達"The Cutie Bunnies" の正体は誰も知らない。全員がハーフの超絶美少女でとても日本人には見えない。歌詞に<Tokyo>と書いてあっても見る人間の国籍により、その国の都市の名前に変わる。
これまたジョセや四天王達の超科学力で、歌がその国の言葉に変換されてしまうのだった。
その為、国籍不明でいくらネットで調べようが全く情報が掴めない摩訶不思議なロックバンドになった。それはつまり地球上の全ての言語で歌っているスーパーバンドなのだ。
その理由の一つは、動画の撮影場所が異世界のジャーブラ島の海岸である事で、地球では無い為にグーグルアースで検索しようが誰にも分からないのだ。
美しく最高のロケーションで歌うメーダはヒートアップ。ドラムスのランもベースのレイも、キーボードのジョセも皆が最高の演奏を繰り広げた。
安いが俺のHAMAYAのリードギターも全開バリバリだ。
CD、DVDをリリースすれば、前代未聞のビリオンセラーは間違い無いのだが、俺達は謎のYoutuber ロックバンドとして世界征服をするのだ。そして世界中に熱烈なファンが爆発的に増殖し、ヘドラーの<世界征服>はあっという間に実現してしまった。
それにしても、糞ジジイヘドラーの本気は凄いものがあったが、謎のYoutuber ロックバンド"The Cutie Bunnies"は、俺達が高校を卒業するまでのわずか1年でネットから姿を消した。
嵐のように現れて風のように消えていった"The Cutie Bunnies"。
その正体は何でもない只の男子高校生と4人の美少女であり、その一人は異世界の勇者だった事に気づく者は誰もいない。
高校を卒業すると同時に、世界征服を成し遂げた糞ジジイヘドラーとアンドロイド4人組は、<新たなる世界征服>に満足して南極秘密基地に帰って行った。
続けて大都市の息苦しさに耐え切れなくなったメーダも、異世界のエルフの里に戻り、ジョセもプレイアデス六姉妹の元へと去って行った。
レイと俺は同じ大学に進学し、ランは高校3年に進級すると、1年後には俺達と同じ大学に進学すると言っていた。
それぞれが、それぞれの本来の居場所に戻って行くと、あっと言う間に寂しくなってしまったが、異世界転移と"The Cutie Bunnies"の経験が縁となって、俺とレイはついに婚約したのだ。
俺は大学を卒業して就職が決まり次第、式を挙げる予定だ。勿論あの時の約束通り、ハンスには招待状を出すつもりだが、四天王も糞ジジイヘドラーもアンドロイド4人組も招待してくれと言って来ていた。
「そうなるとレイ、式は異世界ジャーブラ島の海岸でしようか? 鶴吉と亀代は驚くだろうけど。ガルガノスさんやアイリスさんも招待してさ。もしかしたらプレイアデスさん達も来るかもしれないし、予期しないゲストも来たりして」
「ふふ、やっと捕まえた!」
「へん、捕まってやったんだよレイ」
「もう素直じゃないんだから! ユウガつーん」
「おっ、それ懐かしいなレイ」
ふふふ
あははは
◇◆◇◆◇◆
「ア、アルテミス様、その恰好はどうされたのです?」
「あらクロックス、あの子達のロックバンドに触発されて、私も着てみたのよ」
「はぁ、とても似合っているとは思いますが、あなたには銀河宇宙の女神様と言う立場が」
「本当に堅いわね、私だってボッキュンボンの女神なのよ、当然バニーガールが似合うと思わなくて?」
「し、しかしそれは余りにもエロ過ぎますぅ!」
「ありがとう。それとねクロックス、わたしバニーガールで結婚式に出てみたいの。駄目かしら?」
「そんなの駄目に決まってるでしょ! 」
あぁん~
プレイアデスの七姉妹が信仰する女神様、アルテミスがバニーガール姿になり、まさか鏡の前でくるくる踊っていようとは、これもまた誰も知らない事だった。
完




