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EP68 壮絶核ミサイルの余波 被災者を助けるんだ *


_____転移

 第27日目 推定 8月27日 午前6時過ぎ。


おい!

起きるのにはまだ早いかと思っていたが、目を覚ますと俺の前にはガルガノスの厳つい顔があった。

 ゲッ ガルちゃん


「ちっ、朝から沢山の美少女に囲まれやがって。こっちはなぁ.....ゲフン  やっと起きたかユウガ。昨日は島中が大変な災害にあって、俺は今その後始末に追われているんだぞ」


 そうだった。

「昨日の出来事は夢じゃなかったんだ」

「なに馬鹿な事ほざいてる! あんな事は夢であって欲しいものだが災害は現実だ」



 "寄ってっ停" も本来ならかなりの被害を受けていたのだが、ナビコマちゃんのシールドのお陰で、被害を少なく抑えられた事は幸いと、ガルガノスは安堵していた。


 シールドを展開出来ない多くの島の住民は、迎撃した核ミサイルに<デス・ゲッツ>の大爆発、閃光と熱風で大きなダージを受け、冒険者ギルドが臨時の退避所と救急搬送の場になった。

ガルガノスを始め冒険者達は、徹夜で救出と怪我人の治療にあたっている最中なのだ。



「ギルド自体も大変な騒ぎになっているが、怪我人も大勢出たし俺は現場の指揮ですぐ戻らにゃならん。アイリス、後は頼んだぜ」


「あなた、わたしも後でギルドに向かうわ。ヒール魔法で怪我人を治療しなくちゃね」

「ああ助かるアイリス。それとユウガ、お前も冒険者なんだから、手が空いたらギルドに来てくれねぇか? 無事な奴は皆、出て来ているからな」


 「あっと俺達、Aランクだった」

「ふん、ついこの前まで最低ランクだったのによ、ランクアップが早すぎて、頭がボケてんのか? 」


 パパぁ がんばってぇ いっち らっちゃい まてぇ~


 ガルガノスには、あの騒ぎが自然災害では無く、核ミサイルのせいだと説明しても理解は出来ないだろう。アイリスさんでも、魔法が存在する異世界では、核とは何かが全く分からないのだから。



「ユウガくん、あたしだってゲッツが無断であんな事するなんて、未だに信じられないの。それに<デス・ゲッツ>? あんな爆撃機を、いったい今までどこに隠していたんだろ」


 その答えは、言いにくそうにしていたハンスの口から出た。


「ジョセフィーヌ、俺たちはずっとお前を騙していたのは、お前の超科学力が欲しかったんだよ。それにもう一つある。大戦中、俺たちの秘密結社が<アルデバラン>とチャネリングをしていて、<アルデバラン>の超科学力を既に一部持っていたんだ」


 恒星アルデバランは、プレアデス星団と近い距離にあるが、そこに知的生命体が存在しているかは謎である。


 総統ヘドラー達がチャネリングを通じて、意思疎通をしていたのがアルデバランだった。


 ユウガが毎晩、宇宙のスピリッツと一体化する修行と称して、念を送っていた方向と、ほぼ一致していたのは果たして偶然だったのか。


「あたし達七姉妹はヘドラー達を助けた。そして総統は<新たな平和の為の世界征服>と言って、心を改めたと思っていたのよ。今の今まで」


 ふん

「ジョセフィーヌ、お前は優しすぎるんだよ。平和なプレアデス星団生まれでは理解出来んのだろうが、地球の人間の本質なんて、強欲と嫉妬と支配欲だぞ。それにとても残酷な生き物さ。そんな地球人を信じたお前を利用し、騙し続けたんだよ」


  ぐっ......。


 ハンスの言葉は、ジョセの心臓に突き刺さる。

「悔しいけど、それでもあたしはテラの人間を......信じていたいの」


 馬鹿が。

ハンスもその言葉が嬉しかったのか、わざと嫌味ったらしく返した。


「ふん、本当にどこまでお人好しなんだ、お前はよ。だけどそんな人間ばかりなら、地球から戦争は無くなる。そんな未来なんか絶対に来る筈はねぇけどな」


『来るわよ! それにあたしには信じられる人がいるもん』


 ジョセとハンスは、それっきり何も話さなくなった。

人間に完璧な人は居ない。欲にもいろいろあるが、向上心と言う欲は人間には無くてはならない。物欲、食欲と性欲も無ければ、人類という種は絶滅してしまうだろう。


 テラ人の持つ悪の欲を、良い方向にさへ導ければ、共存共栄の世界平和実現は可能なのだとジョセフィーヌは思うのだ。事実、プレアデス星団の歴史がそれを物語っていた。



_____転移

 第27日目 推定 8月27日 午前10時。


「俺達だけが、ここでのんびりしている訳にもいかないから、全員冒険者ギルドへ行こう」


「Aランク冒険者の私たちが出向かなければ、Aランクの名前が泣くわね」

「あたしのヒールが役に立つのよさ」

「あたしは怪我人を介抱したり、炊き出しなんかの手伝いをするわ」


「ああ、それがいい。ジョセ、お前も手伝ってくれないか? 人手が足りないと思うから」


 帰る場所が無くなったけど、これからはユウガの傍に居られる。それだけでも幸せを感じるジョセだった。



「も、もちろんよ、少年! あたしだって役に立つところを証明してあげる。だから後でご褒美にチュゥしてよね」


 その一言が無ければ、この場は穏やかに済んだものを、ジョセがまた爆弾発言をしやがった。

当然、修羅場が再燃して俺たちが冒険者ギルドに向かったのは、それから更に30分後になってしまった。



______俺、レイ、ランは色違いのお揃いのユニケロパーカー上下とOASIOのZ-Shock 。メーダは皮のジャケットとデニムの短パン、ジョセはどうやって俺に合わせたのか、ユニケロの全く同じパーカーを用意していた。


挿絵(By みてみん) OASIO ZーShock


「ジョセさん、あなたどうしてユウガと同じ色のユニケロパーカーなの? その点、じっくりねっとり納豆のようなお話し合いが必要なんじゃない?」

「レイ、あたしもその納豆試食会に参加するのよさ」

 ナットウって?


 嫌な予感しかしないので、俺は即話題を変えた。


「みんな、ギルドの中は怪我人と避難民で溢れている筈だから、ちゃんときっちりヤレよな」

 レイにしては珍しく、ジョセに対抗心を燃やしているのは、ジョセに何かを感じたのかもしれない。


「リーダー、あたしはナビコマちゃんと、MPが切れるまでヒールを続けるわさ」

意外なポン()の発言に俺は少し驚いた。きっと何か魂胆を隠しいるに違いない。


「あたしは怪我人の介抱に変わりはないけど」


 メーダはそう言ってくれるのだけど、少し不安がよぎる。

『エロフが介抱したら、治る怪我も悪化するんじゃ。重症の患者さんだと大量出血するんじゃね? ギルドにナース服なんてないしな』


 メーダの普段着は結構露出が多いのだが、南国のジャーブラ島なら、それも仕方が無い話だ。


 俺の心を詠んだレイがそっと耳打ちして来た。

「あるじゃない。ほら、わたしのスキル<無いものねだり>で出せばね、どう? しかもわたしはヒールが出来ないから、MPは無駄になってるから丁度いいの」


 なるほど、なるほど。

『じゃレイ、ミニじゃないナース服、だぶだぶした服を頼む』


 ふっ、任せて。

 秘匿回線でレイと会話した後、レイは大木の裏に回って何やらブツブツ言っているのが聞こえた。


「はい、メーダ用のナース服。あなたはコレを着れば、何も問題無しよ」


 渡されたナース服は、とても俺たちが知っているナース服では無かったが、ナース服を知らないメーダは素直に着てくれた。


「うん、これあたしにピッタリ」


「ちょっと、ちょっとレイ、あれのどこがナース服なのよさ。絣のモンペ上下じゃない」

「しっ、いいのいいの、メーダは気が付かないから」


 ......。


「レイ、あんたって意外にワルね」

「むふふ IQ 200とMPを駆使したの」


 IQの使い方が間違っているとは思うが、モンペの方が動きやすく、汚れても平気だから、俺はよしとした。


 他愛もない言い合いをしながら、俺たちは避難所となった冒険者ギルドに到着したが、お馴染みの扉を開けるとそこは戦場のような光景が広がっていた。


  ユウガ、こ、これは!

 凄い事になってるよぉ

 ポーションや医薬品が足りていないの?


ジョセはその光景を見て絶句した。その瞳には1945年、ヨーロッパで見た爆撃によって、瓦礫の中に横たわる人々の姿が重なったのだ。


++++++++挿絵(By みてみん)


 くぅぅ

「もしあれが核だったら、もう手の施しようが無かった。でもこの人達を何とかしなければ!  こうなったのは、あたしの責任だし」


 その時、混乱し騒がしいギルド内で、叫び声が響いて来た。


 「ジョセフィーヌぅ! 」




お立ち寄りして頂いた読者様に感謝。

もう少しで完結する予定ですので、最後にご感想など頂けましたら、作者がターボ全開になって壊れるかも。


 さてさて次回SFシリーズの4作目の構想を考えながら執筆中ですが、相変わらず どスケベ路線でないかと。


挿絵(By みてみん)


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