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EP64 ユウガを信じて共に未来を! *


 「太陽系第3惑星テラ! そして次元α世界BSジャーブラ島! 」


 <テラ>と聞いて姉妹達は耳を疑った。

「まさか! 私達七人が、何十年も前に訪れた野蛮な惑星! そんな所に」


長女ステラをリーダーとする五姉妹は、すぐさまレンタルした超光速宇宙探査船<ピーピング・トム号>で、発進シーケンスを開始した。

「ステラ姉さん、目的地はジョセフィーヌとプレアのどっちに? 」



 予算の都合でレンタルした探索宇宙船は一隻、二手に分かれて捜索する事は出来ない。しかしレンタルした長女ステラの計算は早かった。金銭感覚が妹達とは一味違った。


 『返却する時は、燃料を満タンにしなればいけないから......』


「まずジョセの居る<テラ>に向かうわ。<テラ>はあれから未だに戦争ばかりしているから、ジョセフィーヌの身が心配なのよ」


 「テラ人って本当に反省しないんだから! それがいいわ! 流石はステラ姉さん」

「次元α世界BSジャーブラ島は、まだ危険の少ない冒険者時代。そこなら問題はないから、プレアは案外楽しく暮らしているんじゃない?」


 『そう? モンスターも居るんだけど......』

 ポーン ポーン ポーン

 「発進シーケンス・オール・イエロー」


 ......?



「あらまぁ、流石はレンタル。でも跳べない事はないから、取り合えずみんな飛ばして行くから吊り革に掴まって! 最光速スピード ワープ 7! スイッチ・オン」

「ステラ姉さん、いきなりワープ 7 は無謀ですぅ」


 クゥゥン ズドォォォォ ボボボボ パス ポス


+++++++挿絵(By みてみん)



 それは折りしも総統ヘドラーが、ゲッツを呼び戻しに<ヴリル・オーディーン>を発進させ、間もなくヨーロッパに到着する時間と重なっていた。


いかに最光速スピード ワープ 7でも、ゲッツが南極大陸の秘密基地に戻る方が早い。

ジョセの立場を知らない五姉妹は、無事再会出来る事を祈るのみ。対してゲッツは苛立ちを隠せなかった。




______「総統は何を悠長な事を。あの小僧、夢野優雅が邪魔なんだろうゲッツ? 。なら、ヴァルター程度でも消せるだろうに、何で欧州出稼ぎ中の俺が......ハンスはどうしたゲッツ? 」


 ハンスが心配した通り、ゲッツは最も簡単な方法を考えていた。


「シンプル イズ ベストだゲッツ。総統、異世界のダンジョンで、わざわざ始末する必要など無いのだゲッツ!  俺が速攻でケリをつけてやるさ。消せば総統も文句は無い筈、俺の配下に命じて準備出来次第 GOだゲッツ。俺が南極基地に戻るまでには、小僧は終わっているゲッツ」


 はひっふっふ


 ハンスはユウガに最も大事な事を話していなかった。

それは何故、総統ヘドラー達が "Cuty Bunnies" 抹殺を企んでいるのか。その中の最重要人物が、夢野優雅なのだと言う事を。



「ダンジョンで<夢野優雅>を抹殺するのは、総統ヘドラーの残忍性故のゲーム。抹殺するだけならば、本当はそんな手緩い方法をしなくてもいい。ゲッツがそれを実行したら、今度こそバニー殿達は負ける! 跡形も無く! しかし、それをバニー殿が知ったところで、今更どうにもならない話だ。日本に帰る事はもう叶わない。そうなると俺のボルトも」


 南国特有の晴れた青い空を見上げるハンス。その円らな瞳に決意を秘めて呟いた。


「そうならないよう、ここは俺とジョセ、あのプレアと言う姉と裏から共闘してでも、ここはなんとかせねばなるまい。しかし、その手段がわからんのだ」



_____転移


  第26日目 推定 8月26日 午後3時30分を過ぎた時。


  ズゴゴゴォンォン

 「何? 地震?」

 ジャーブラ島には火山は無い。考えられるとすれば地震か異常気象によるもの。

「空からじゃない? 」


 俺達は宿から飛び出し、空を見上げた。ハンスも屋根裏部屋の小窓から顔を出している。

 「空に黒い穴?」

「衝撃波だとすれば、あの穴からだ」

 

「穴から何か? 鳥みたいだわさ?」

「鳥があんな轟音を出すかよ」



 ハンスは気づいた。

「いかん! 次元転移ホールが開いている! それにあのV字型はゲッツの爆撃機だ。心配した通り、やはりゲッツは核爆弾でケリをつけるつもりか! 」


 近づいて来るソレの形が次第に見えて来た。


 「鳥瞰図(ちょうかんず)望遠モード起動」

 あたしも起動しよっと

 ユウガ、わたしも

 あ、皆ずるい、あたしも


「V字型の飛行機が3機来る。大きなタンクが付いているな。大戦中のホルテン爆撃機に似ている」


「バニー殿ぉ アレは核弾頭ミサイル搭載爆撃機 <デス・ゲッツ>ですぞぉ!」


 核ぅぅ!?

「核ミサイルが何で?」

「何ですの? 核ミサイルって」


 爆撃機もミサイルも見た事の無いアイリスさんは、物珍しいそうに空を眺めている。アレが空中で閃光を放った途端、美しい南海のジャーブラ島は消滅するとは想像もしていないのだろう。



++++++++挿絵(By みてみん) デス・ゲッツ 3機



「私のセニア・カー搭載の熱線銃ではどうにもならない、間に合わない! ジョセぇ お前はいったい何をしていたんだ! 」



 南極秘密基地でも、この事態に大混乱していた。

「アレはゲッツの核搭載爆撃機、余が命令もしておらんのに誰だぁ、発進させたのは! ヴァルター! 」

「総統、ゲッツが事前に配下に命じて<デス・ゲッツ> 3機を発進させたようです。次元転移装置が、何者かによってリモートで展開されておりますぞ」


 次元物理科学者であり、四天王ナンバー1のヴィクトールも、この予期せぬ事態に驚いていた。


「まさかゲッツが! となるとトゥーレ協会もか」


「ゲッツ貴様なんと言う事を! ヴィクトール、何としても核だけは使わせるな。断固阻止せよ!」


「御意ではありますが、総統.....異世界の核ミサイルを爆破するのは困難ですぞ」

「それは余も分っている。ヴィクトール、苦心して異世界に作ったダンジョンなのだ。最善を尽くすのだ!」

 はっ


 ヴィクトールは、ヴリル協会技術者に命じた。

「次元転移ホールを展開し、直ちにビーム砲をミサイルに向けて撃て!」

 了!


 実はゲッツの配下とは、ヴリル協会と反発し合うトゥーレ協会の技術者達の事であり、大戦中と同じく協会の優劣を巡って、未だに犬猿の仲となっていた。


 組織では不可欠な報告 連絡 相談(ほうれんそう)が味方同士で見事に崩壊していたのだ。



「くそぉ、俺達は日本に帰るんだ! なんで核ミサイルなんかが!」

「バ、バニー殿、これは総統ヘドラーの仕業。もう我々はここで終わるのです。ジャーブラ島は蒸発します! 逃げ場はどこにも無いのです! 」



「ユウガ.....わたしは いつも傍に居るから」

「......流石にもう 駄目だわさ 五平餅......」

「せめて、せめてユウガにあたしの耳を.....カプリと」

それぞれの想いと悔しさを、短い言葉に込めて呟いた。


 『俺はレイ、ラン、メーダを死なせない!!』



 その時俺は考えた。すると<思考錯誤>が勝手に起動し、周りの時間が緩やになる。

「時間の流れが......思考錯誤が発動したのか」


 今俺達がする事は、逃げる事では無い。そして"Cuty Bunnies" の持てる全てのスキルで、この場を回避する方法を考える事だ。


①ハンスの最高出力の熱線銃

②ランとメーダの<バスター・ボイス=BV>

③愛のバクダンの加護+

 これはどんな加護なのか不明だが、爆弾と言う名称から、何か関係があるのではと推理した。

④レイのファイアーボール


 手持ちのカードはこれだけ。今はこれをぶつけるしか無いと俺は結論を出した。そして俺はレイ、ラン、メーダ、そしてハンスに直ちに命令した。


「ハンス、3機の核弾頭ミサイルの信管に向け、最高出力の熱線を撃つぞ」

「バ、バニー殿、照準をミサイルに合わせて撃つ事は可能、ですが威力は」


 俺は土壇場の賭けに出ているのだ。しかしハンスの言う事は正しい。だからこそだ。


「レイ、最大出力ファイアーボール3発、詠唱開始」


「ランとメーダ、<バスター・ボイス>LV3 LV4 俺の合図で声が枯れるまで、核ミサイルに向けて詠え!」


 今俺が考えられる攻撃方法はこれだけだ。そして3発の核ミサイルが迫る。


 『ふ、そろそろだゲッツ』


 ズゥゥォォォ


 BVは音波、当然熱線より伝達速度は遅い。それはレイのファイアーボールも同じで、空気抵抗を受ける。


「ラン、メーダ、BV 最大出力で詠え! レイ、最大出力ファイアー・ボール3発を核ミサイルに向け、射出出力最大で撃て!!」


 レイはIQ 200だ。俺がやろうとしている事は理解したが、相手は核ミサイルだ。作戦成功の確率など、咄嗟に計算出来る筈も無い。


 「でもわたしはユウガを信じる!」

  ファイアー !!!

続いてランとメーダが、ありったけのMPを注ぎ、肺が破れんばかりに詠う。


 ラァァ~ ラァァ~


レイの持てるMPを全てつぎ込んだ最大出力のファイアー・ボールの後を、BVが追う形になる。巨大な火球の背後に、破壊の音波を乗せたリング状の空気が飛んで行く。


 音速と光速のタイミングを測り、俺はハンスに命令した。

「ハンス、熱線銃 MAX Power !! 三連射! 」


「OK バニー殿ぉ 私もやってやるさ!」

 キャァァンー ビスゥー ビスゥービスゥー

 三条の熱線が、ファイアー・ボールとVBの音波の後に続いた。


  チリチリチリ

「おぁっ熱い! 不味いスーパーヒートしている!」


 ハンスのセニア・カーが赤熱している。もう爆発寸前かも知れない状況だが、しかしハンスもこれを無視して攻撃を続行、更に三連射。


 チュイィィィ チュァン チュァン チュァン

  ジジ チリチリ チンチンチンチン


「これを外せば誰も生き残れない!  バニー殿ぉぉもう爆発しそうだ」

 くっ

「耐えてくれハンス!」

「地獄か天国でまた会いましょう......バニー殿」


  諦めるな! ハンスゥ!




 その時、今まで謎だったメーダの <愛のバクダンの加護>が、この時初めて発動した。




イラストは過去作品の流用です。描いている時間が無いもので。ペコリ

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