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EP57 四天王ナンバー3 ハンスの弱点 ?


______転移


 第25日目 推定 8月25日 午前11時30分 四天王ナンバー3ハンスの笑撃で昇天寸前の"Cuty Bunnies" "誘惑のケイヴ" 5階層。


トドメとばかりに、ハンスの次弾笑激波が放たれる。

「食らえ! 達磨さんが 転んで屁を....こ」

 こかなかった。


 クァッ~っ?!

「そのボルトは! 私の<ヘブシ>! 」

ハンスの視線の先にある物、それはユウガが肩から掛けていた<ヘブシコーラのペットボルト>。サバイバル生活に必要不可欠だったペットボルトを、ハンスは食い入るように見つめていた。

(※俺が<サバイバル・エセンシャル・ボルト>と名付けて大事にしていたボルト)


「なんてこったぁぁ! パンナコッタぁぁ~! 」

えっ?

 ぷっ ひぃ~

「今のは笑波なの? 緩かったけど」

「はひぃ 助かったのよさ」

「ラン、まだ漏らしてなかったのか? 」

 怒!

「あっユウガ、ハンスが怯んでるわ! 」


 俺はすぐに反撃には移らず、構えていた右手のシャークテックナイフを、ゆっくりと降ろした。

「どうして? 今が反撃のチャンスなのよ! ユウガ」

「リーダー!」

「ユウガ殿!」

「ユウガ、魔弓(ボウ)はいつでも撃てるわ! 撃たなくていいの? 」


最大の攻撃のチャンスが来た。しかし俺はハンスの瞳に敵意が消滅し、落胆の方が大きい事に気づいた。


「待つんだ、攻撃はするな!」

「ええ? どうしてなのよさ」

「でもユウガ、このままではまた笑波を」


 レイだけは、ユウガの感じたモノを股間で理解した。

「みんな待つのよステイ! 」


糞美少女兎(バニー)共、そのボルトをどこで手に入れた? 」

 ハンスの興奮は尋常では無かった。口から泡を飛ばし、黒く円らな瞳から涙を流してボルトを愛でるように見つめているのだ。

「あの悲しそうな瞳は......」


______昔、俺にもそんな目をしていた事があったそうだ。

それは小学生の頃の話だ。俺がサバイバルや天体観測に興味を持ち始めたのだが、天体望遠鏡なら兎も角、俺が欲しがる危険なサバイバルナイフを、親が簡単に買い与えるなんて事は、父鶴吉も母亀代も最初は大反対していたのだ。


「お前にはまだ早い!」

「そうよ優雅、ナイフなんてもっと大人になってから」


どこかの白い犬が、娘に怒鳴っていたTVCMが蘇る。

その時の俺はうな垂れ落胆し、とても切ない顔をして泣いていたそうだ。


 ハンスの表情も、大切なオモチヤを無くしたのか壊したのか、耳が垂れ下がり悲しい子供のような瞳をしているのだ。


 ......。

「ハンス、お前このボルトがそんなに欲しいのか? 」

 すると、ハンスの瞳はクワッと見開き、両手を組んで懇願と服従のポーズをとった。

「くれ! いいえ下されバニー様ぁ!」

「いやハンス、腹まで晒さなくてもいいんだけど」

「まるで忠犬スヌーピーだわさ」


 ハンスの妙な行動に、俺達"Cuty Bunnies"はどう対処していいのか分からなくなってしまい、こちらも戦意などすっかりどこかに吹っ飛んだ。


「ハンス、このボルトをお前にやれば、この戦闘は終わるのか? それなら考えてもいい」

それを聞いて満足したのか、ハンスは<セニア・カー>を降りて駆け寄って来た。

 キャウン シュタタタタタ


 間近で見ると、正しくスヌーピーそのものだった。

 プッ

 はひぃ


「くう、私の熱線攻撃で、ボルトがこんなにボロボロに! しかしやっと戻って来たんだ、少し溶けてしまったが致し方なし。それで我慢しよう」


 ハンスは、大切な美少女フィギュアに頬ずりをするオタクマニアのようだった。

「ハンス、そんなにそのボルトが大切なのか?」

 俺の問いかけに、ハンスは大いに頷いた。

 ブンブン


「うむ、良くぞ聞いてくれたバニー殿。これは日本で大人買いし損ねた、<ヘブシコーラNex>という超限定レア物なんだよ。その時スーパーで、強引に奪うように買った1本が、私のコレクションから盗まれてしまった。なんとそれは私のボトルに間違いないのたが、どうしてそのホトルをバニー殿が持っているのかは聞かないでおく。だからそれを私に返して欲しいのだよ」


『コレクションを? ジョセの仕業だったのか』

『盗んでたのジョセが? 』

「面妖な女だし」


「わかった、キミの物ならこのボルトはハンス、キミに返そう。だけどそのボルトなら、俺も昔大人買いして、ボルトは俺の家に戻れば今でも20本はあるぞ。俺も箱買いして大切にして保存しているから」


 ギラァァン

「な、なんと20本とな! おお同志よ! 」

それを聞いたハンスは驚愕し、見えない尻尾をブンブン振って擦り寄って来た。

「ハンス! ホーム! 」(レイ)

 ビクゥ

「バニー殿の奥様ですか」


 "奥様" 俺はその言葉に驚いた。

「ハンス、お前俺が男だと分るの? 」

 ハンスはニタリと笑って話を続けた。

「我ドスコイ第4帝国の科学力は世界一ぃぃ。私の鼻は、バニー殿を見てすぐ理解しておりましたぞ」


『ジョセは転性の事はまだ話せないと言っていた。ハンスに聞けば、その謎が分るかも知れない』

 大切な事を考えようとしていると、外野がそれを許さない。


「「ハンス、あたしが妻なの! 」」

 はぁぁ~ドクロマーク


『ユウガ殿、敵は既に降参しておりますぞ。これ以上は無粋で御座る』

「ああ、分っているよナビコマちゃん、武士の情けだろ? 」

大人しくなったステイ状態のハンスに、俺は優しく話しかけた。


「ハンス、残念ながらボルトはここには無いんだ。地球の日本、俺の家にならあるんだけど、ここは異世界だから俺達は戻れないんだ」


 ハンスは日本と聞いて、更に同志の念を深めた。

「ぐぅ、それでは同志バニー殿、日本に戻ればボルトを私に」

「ああ、勿論2本でも3本でもハンスにやるよ」

「流石は三国同盟の日本! 太っ腹ですな」

 !


レイは母親がフランス人であり、幼少の頃からヨーロッパの歴史は知っている為、ヨロチクビにピンと来るものがあった。

『三国同盟。するとやはりハンスも』


ジョセの過去と秘密をユウガは知っているのだが、<プレアデスの加護>をジョセが持っている謎については、詳しくは話してはいなかった。


 ワおぅぅン

 レイが何を考えようがお構いなし。ハンスは勝利の雄叫びを上げて、ガッツリポーズをしていると。


 ズゴゴゴ

ハンスが喜んだのも束の間。大きな地響きが聞えて来た。





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