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EP54 深夜は二人で密談を アイツは<白>だ


______転移


 第24日目 推定 8月24日の丑三つ時


  アジャッパァ~

真夜中だと言うのに、アイツが俺のベッドの前に現れた。レイとラン、レンジャーで気配に敏感な筈のメーダが気づかない所を見ると、何らかの爆睡スキルを食らっているのだろう。

俺には直前、アイツからダイレクト念話が入っていたので、薄目を開けて待っていたのだ。


「ヘロ~来ちゃった」

 なんと言うか、恋人に会いに来たかのような、はにかんだジョセフィーヌの仕草が意外だった。

「レイは爆睡中だな」

「うん、ちゃんと邪魔が入らないようにしたから」

 クネ クネ


「ジョセフィーヌ、俺も丁度会いたいと思ってたんだ」

アイツの表れる時間は決まってはいない。それはアイツにとって何かの事情があるからだろう。

 はぁぁん

「あたしもよユウガクン、あたしの出したヒントで、何か掴んだみたいね。あれは四天王ナンバー3の攻略に関係しているんだから」


ジョセフィーヌは、昨晩の俺の推理をサブ・コントロールルームで聞いていたと言う。

「ユウガクン、あなたが辿りついたあの推理.....凄いわ! その通りよ。あたしはプレアデス星団の七つの姉妹星の一つ<アルキュオネー>から来たの」

「<アルキュオネー> そんな遠方からどうやって?  光子ロケットだって400年以上かかる距離だぞ」


 随分としおらしい喋り方になったもので、ここからはジョセフィーヌが何故、地球に来ているのかを話し出した。

 ......。



  10分経過。

「プレアデス星団の<アルキュオネー>! そうか、そう言う事だったのか! チミにはそんな過去が。そして奴等に反逆する為に、俺達を裏から助けようとしてくれていたのか」


 アイツの事を意地の悪さから、最初は"狸ばばぁ"と呼んだりしたものだが、話を聞いて見ると若くても随分と苦労人な<アルキュオネー>人だった。

深夜の出で立ちは、赤いパーカーの下は超ミニスカートと水色のニーハイ・ソックスで、それに合わせたようなスニーカーを履いていた。


 『あれはズイキの人気モデル"ズイマー"』

 レイ達を爆睡させているので、邪魔者が居ないジョセフィーヌは大胆な行動に出た。


 「あたしはユウガクンを助けたいの......個人的に」

と言いながら、ジョセは俺の頬に頬をくっ付けて来ると、超ミニスカートが捲くれて、パンティが俺に挨拶をして来た。暗がりとは言え、これだけのミニでは見えない方が不思議だ。そして俺も律儀なパンティに挨拶を返した。


 「ジョセフィーヌ、おまえ<白>だね」

 はぁぁん

『はぁんて、見せる為にわざわざそんなミニで来たんだろうが』

 バカ 


 俺はアイツの苦しい事情を知ってから、出来る事なら何でも協力すると誓った。それがお互いの為になるからだ。


「これからはジョセって呼ぶよ。今からジョセは<俺達>の大切なパートナーだからな。助け合っていこう! よろしく頼むよジョセ」

そう言われたジョセは感極まったのか、頬を真っ赤に染めて頷いた」

 カァァ~ 

 コクン


「うん、今夜、たった今からあたしはパートナー。よ、よろしくね」

 ??

『えっ今の反応、なんだか意味が違うように聞えたんだけど......ま、いいか』

ジョセが幸福の絶頂を迎えた為か、爆睡モードが解けてしまった」


 ビビン バァ(レイ)

「何奴! 曲者か? 」(メーダ)

「リーダー、もう朝ご飯なの?」(ポン())

「ゲッ ジョセフィーヌだわさ! 」

「道理でわたしのビビン バァに反応した訳ね! ユウガ! 」

「レンジャーのあたしが反応出来なかったとは」


 レイ、ラン、メーダは突然のジョセの来襲に嫉妬の炎が再燃中だ。

「ユウガぁ これはどう言うこと? 」

「リーダー、しっかり説明してもらうわさ」

「またしてもユウガは! あたしが惚れた弱みに付け込んで、女を連れ込みチチクリ合うとは! 」

「メーダ、チチクリってどんな栗よ、それ美味しいの? 」


「ちょっと皆落ち着いて!  ジョセフィーヌは完全に俺たちの味方だと分ったんだ。それを今二人で話していたところなんだからさ」


「なんで深夜になのよ! 」

レイの怒りは収まらない。


 メーダはレンジャーという特性で、ジョセのスキル<爆睡>にある程度免疫があった。

「それでユウガは、ジョセフィーヌを<白>って言ってたの? 」

『メーダは、そこだけ聞いていたのか? 』


「なぁんだ、ジョセフィーヌは味方で<白>だったのよさ」

「でもわたしの<ビビン バァ>がまだ否定するの」

『ふぅ、メーダの勘違いで助かった。<白>が白いパンティってバレたら......あっ不味い! 』


「ユウガぁぁ~! ユウガ つーん! 」

 レイには結局バレた。



「いい? あたしはここに余り来ていられないの。5階層のハンスは人間だけど、少し変わっているのよ。生身の体で武器と防具は一切無し。耳がデレンと垂れ下がっていて、髪をキモイ七三に分けているのが特徴よ」


 俺は耳が垂れ下がっていると聞いて、大仏様の耳を思い浮かべた。それに七三の髪となると、やっぱり絵面としてイメージは最悪だ。


「ハンスと対峙しても、ハンスは動かない。それは動く必要が無い攻撃をして来るからよ」

動かずに攻撃出来る......俺達が頭に浮かぶのは、アニメに良くある<サイコキネシス>、つまり念動力だ。


「じゃあハンスは、超能力を駆使して戦うのか? 」

「それならリーダー、ハンスを先にボコれば楽勝だわさ」

「そうだわ、4人で一斉にボコっちゃえば、ハンスは念動力を使えないのよ」


 ジョセの反応は冷ややかなもので、"あんたたちアホか"と言う顔で溜息をついた。

「ハンスと直接対峙すれば分るわ。一つ言っておくけど、ハンスを前にしたら、<ラビット・イヤー>をハンスには向けてはいけないから。これは絶対によ」


 『確かにこの前ジョセは、攻略方法は<ラビット・イヤー>と言っていた。しかしそれは違うのか? 』

「それともう一つ。長期戦を覚悟して、ユウガクンが拾ってくれた <ヘブシコーラのペットボトル> あれは持って行った方がいいわ」


「ユウガが言った通り、<ボトルメール>を流したのはジョセ、あなただったのね」

 コクリ

レイの問いに無言で頷くと、そろそろ時間的に不味いと思ったのだろうか、ジョセが帰還のしぐさを始めた。


「もう帰るのか? ジョセ」

「うん、ご免ね。暫くは来れないと思うから......その死なないでねユウガクン」

 じゃ

 アジャッパァ~ン


「行っちゃったよジョセ」

「面妖な術を使う奴」

「それでもハンスの特徴と攻略のヒントはくれたから、ジョセはやはり<白>だった・わ・ね! ユ・ウ・ガ・クゥン」


「なんでレイは<白>に拘ってるのよさ」

『パンテイの色だったなんて言えるものですか』



「ハンスはサイコ。<ラビット・イヤー>は結局、どうすればいいのか分からない。それに<ヘブシコーラのペットボルト>だろ? 俺には何がなんだか意味不明だよ。いずれにしても戦うのは25日だ。今日1日はゆっくり休養しようか」


 皆をまた朝まで眠らせると、俺はある事を考えていた。それは俺たちの夏休みがもうすぐ終わる事だ。


 25日に第5階層のハンス戦。その流れでいけば、後5日余りで四天王ナンバー2、ナンバー1、そしてラスボス戦に勝利しなければ、俺達は日本に帰れない筈だ。......と言うか夏休みが終わっても、俺達は新学期に登校出来ない事になる。


 『当然、俺、レイ、ランの捜索願が出て、大変な事になるぞ』

 レイは眠っていなかったようで、俺の心配に答えてくれた。

『サバイバルの修行で、わたし達を巻き込んで、森で迷っていましたと答えれば? でもユウガ、今大切な事はラスボスに勝つ事なのよ』


 レイとの念話はこんな時助かる。自分の弱さ、寂しさをちゃんと分ってくれているのだから。


 『ありがとうレイ』

 『どう致しまして』

 俺とレイは、どちらか共無く手を握り合ったのだった。





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