EP52 四天王ナンバー3 ハンス・コラコーラ 嵌るピースの断片 *
ジョセフィーヌが残したキーワードは4つある。
①"誘惑のケイヴ" 5階層の四天王ナンバー3、その名前は<ハンス・コラコーラ>である事。
②ハンスは、ヴァルター兄のような強力な超破壊兵器を使わないと言う。
③俺達の"強化スペシャル・バニースーツ" のレベルは上がっているが、ハンスの攻撃の特殊性には無意味らしい。
④アイツが最後に残した"ラビット・ラビット" これが意味不明な為、ちょびっとだが不安になる。
『最後に言いたかったのは<ラビット・イヤー>だったのか?』
レイ、ラン、メーダの嫉妬は、ジョセフィーヌが残した言葉とヒントによって有耶無耶に消滅しかけていた。
『シット! Sit ! 』だわさ。
「ところで"ランちゃん"、ランちやんのスキル<推理>で、何か分らないのか? 確かLV4だったよな」
「急に猫ナデ声で、ちゃんって。ニマァ、じゃぁ早速やってみるわさ。では4つの条件を"インプット"してと」
ランの扱いは、レイに比べれば楽チンである。ちょびっと甘やかしてやれば済むのだから。
『どこにインプットするんだろう? やはり腹か? 』
『ユウガ、余計な事言うとまた騒がれるわよ』(レイの<魔女の加護>の秘匿回線使用中)
「よっこらSet」
ランが一休さんのような座禅を組み、瞑想を開始した。
ポクポク 時間にして3分が経過したところで鐘の音が鳴った。
トン チーン カ~ン
「なかなかランに相応しい、粋な電子レンジみたいなマヌケな音だな」
『こら、ユウガったら! 』
「主ラン殿、時間で御座る故、では僭越ながら某が」
ナビコマちゃんも、何かが閃いたらしく口火を切った。
「実は某も今の問いに対して、主と共に分析してみたので御座るが、一つにはハンスは生命体である事は間違い無かろう。ならば某のスキルに反応して、ハンスの能力解析が可能で御座るよ」
「なるほど。でもハンスの能力が事前に分らなければ、俺達は戦略を組め無いけどさ」
「うむ......問題はそこで御座るな。流石はユウガ殿」
「じゃぁ真打登場。ハンスは物理攻撃じゃ無いのよね~、だとしたら考えられるのは、例えばお笑い攻撃で戦闘不能にされるとか! それならバニースーツが無意味になるのよさ」
「「はぁぁ~??」」
「不動不滅のポン娘」
「そんな事だろうと思ったわ」
どうやらランが、<推理>LV4を駆使して出した結論がソレだった。
「俺達を笑い殺すってか? そんな攻撃......」
しかし俺には、仮にもスキルLV4の<推理>が、そんな馬鹿げた答えを導き出すとは思えなかった。
俺のスキル<試行錯誤>が、2つのピースで起動する。
『コラコーラ......俺が大人買いしたヘブシコーラ』
「何? ユウガいきなり。そのヘブシコーラって、ユウガが持っていた水筒に使ったペットボトルよね」
そうなんだけど......。
______ヘブシコーラ、それは俺が異世界転移して間もない頃、水の持ち運びを解決してくれた大事なボルトだ。今はさほど必要が無くなり持ち歩いてはいないが、俺にとってサバイバル修行中の命のペットボルトだった。
「皆、俺がヘブシコーラのペットボルトを見つけた時、中に手紙が入っててさ、つまり<ボトル・メール>だった訳だよ」
「<ボトル・メール>? で、それがどうしたのよさ?」
「ラン、手紙にはこう書かれていたんだ」
<これを拾って読んだ人は、警戒してください。島には凶悪な何かが居ます。身を守り備えなさい X>
「でもリーダー、島にはちゃんとモンスターが居るじゃんよ<サンド・タコ>に<サンド・ワーム>、<盗賊変態ベア>とかさ、いろいろ。どうせなら<サンド・ウィッチ>なんてモンスターが居たら、あたし超嬉しかったのよさ」
「あのなラン、モンスターなら<サンド魔女>って思わないのかな? 」
ずぇんずぇん だわさ
「アホポンが通常運転してる」
「今日もランは平和ね。それはランの言う通りだけど、もしかしてユウガ、凶悪な何かってモンスター以外の事じゃないかしら? 」
俺は<思考錯誤>で、この違和感の原因を探ってみた。
ハンスの攻撃=非物理攻撃=バニースーツは役に立たない=ハンスは人間=ランの推理=笑い殺す?=ペットボルト=手紙の最後のイニシャルはX。
これらの断片化したピースが、またくるくると俺の頭の中で回り出した。すると俺の周りの時間が、急速に緩やかになった。
「いや待て、ピースを更に追加しよう。それは<プレアデスの加護>とジョセフィーヌの存在を」
レベルが上がったスキル<試行錯誤>は、ピースを加えた事により、より正解を導き出そうと回転が早くなった。
『Xとは確かに名前を意味しているのだろう。4階層ではマイナスを掛け合わせてプラスに......加減乗除......+ - × ÷ Xは加減乗除の乗 ?』
ユウガは突然、電光のように股から閃いた。
「どういう理由があるのかは分らない。しかしXとは "ジョ" セフィーヌの事だ!」
俺の言葉にすぐ反応出来るのはレイだ。流石にいつも俺の心を読んでいるだけはある。
『オールタイムは止めて欲しいんだけど』
『わたし、ユウガの妻だもん』
レイのナシクズシ作戦も、着々と進化していた。
「つまりユウガ、その手紙はジョセフィーヌが書いて海に流したって事になるけど何故?」
「うーん、最近のジョセは誰かに監視されているように思うし、転移して間も無い頃だったから、サバイバルで苦労していた俺に、水を保存出来るペットボルトを俺に渡すついでに手紙で警告した? とか」
「警告ねぇ......念話じゃダメだったのかしら?」
一つのピースが揃ったと思った途端、それはピースが形を変えただけで、問題の解決には繋がってはいない。
「もう少し情報を整理してみよう」
ハンスの攻撃=非物理攻撃=バニースーツは役に立たない=ハンスは人間=ランの推理=笑い殺す?=ペットボルト=手紙を書いたのはジョセフィーヌ=<プレアデスの加護>持ち=アイツとチュー=加護のロックが解除した=ついたキス・マークで俺はボコボコ。
『キス・マークとボコボコは関係ないか......しかし』
スキル<試行錯誤>により、少し前進したように思う。
そして俺は更に<EP6>のジョセフィーヌのあの言葉を思い出した。
(以下抜粋、ユウガの反応付きでお届けします)
<「銀ぃぃん河ぁ<プレア>宇宙の神ぃぃ<アルテ様ぁぁ>
我は願いたもう......」 おお!
「この彷徨える子ブタチェリーに神の慈悲を~」 ガク
「ラーメン、ソーメン、味噌うどん」 ゲェ
「この異世界チェリーの為にぃぃ ここに気になるあの子を召喚!」 なぬ?!
「出でよ! レイ! ハァ~っ!!」
ブリっ>
である。
「リーダー、アイツはその時、最後にコイた」
ポン娘
「何よメーダ、あんただって出るものは出てるでしょ! スカシた顔してもダメなのよさ」
......。
「話を戻してよユウガ」(メーダ)
「ユウガ、それってわたしを異世界に召還した時、ジョセフィーヌが唱えた呪文だったね」
俺はアイツが唱えた召還呪文の、<プレア>と<アルテ様>、<プレア>宇宙の神ぃぃ<アルテ様ぁぁ>に引っかかっている。
<プレア>=<プレアデス星団>と考えると、<プレアデスの加護>を持つジョセフィーヌは、宇宙人ではないのか?
そう考えると、妙に辻褄が合って来るのを感じるのだ。俺は宇宙の神秘、スピリチュアルと一体となる修行をしていたのだから。
「何かが掴めそうな気がして来た。もう少し考えてみよう」
俺が唸りながら頭を抱えていると、メーダがポツリと呟いた。
「アルテ......ユウガ、エルフの里は女神<アルテミス様>を信仰しているのよ。それと何か関係があるのかな?」
俺はメーダのその言葉に、股間にドドンパァンと電撃が走った。
「メ、メーダ、そ、それだぁ!!」




