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EP45 4階層 出たぞ! 四天王の一角 ナンバー4


オロオロと、最近の亀代は落ち着きがなかった。

「どうしたんだ亀代? 俺はまだ便所に用は無いぞ。存分にこいて来るがいい」

「便所はまだいいの。あなた、ユウガは一人で大丈夫なのかしら?」


 いくらのんびりとした性格の亀代でも、優雅とは20日も顔を合わせていないのだ。変人だが、一人息子の優雅を心配しない母親などは居ないだろう。

亀代に比べれば、父鶴吉は平然と事を構えていたのだが、実は昨日の夜、妙にリアルな夢を見ていたのだった。


 『......あれはまさか、虫の知らせじゃないだろうな。縁起でもない』


 鶴吉の見た夢、それは一人息子のユウガの横に立った、以前に我が家を訪ねて来た嫁が二人......確かレイちゃんとランちゃん。それに見た事の無いエロい女が、悲しそうな顔をして鶴吉をじっと見つめていたのだ。


 ブルルッ

『あれはまさか"夢枕"なのか? 夏休みも後10日だしな、一度"裏飯神社"に行ってみるか』


「亀代、ユウガの馬鹿は、携帯を持って行かなかったから、俺がちょっと確認に行って来る。好きなサバイバルの修行に行ったんだから、心配した事はないさ」


 強がりを言ったものの、内心では鶴吉も不安になっていた。

ほっ

「全く、サバイバルの何が面白いんだか。我が子ながら呆れるのよね。神社の社務所からなら、電話の一本くらい出来るでしょうに。本当に馬鹿なんだから」


 鶴吉が確認に行くからと聞いた亀代は、少し安心したのか、鶴吉に差し入れのおにぎりやら、菓子を持たせる為に、早速いそいそとコンビニに出かけて行った。

その顔は穏やかで、息子の無事を確信しているかのように、晴れ晴れとしていた。


「優雅は"ツナマヨ"と"たこ焼き味"が好きだけど、嫁になるレイちゃんとランちゃんは、何が好きなのかしら......"バニラ味"とか"味噌味"とか! うふふ、将来が楽しみだわ」

 母亀代は日本の刑法では、重婚は犯罪なのをご存知無い?


 くしゅん

 へークション ぷぅ あっご免 (ラン)

 エッ エッ エールプっ(メーダのくしゃみ)

「メーダ? なんだ今のそれ?」


 レイの好きなものはバニラ・アイス、ランの好物は"味噌カツ"だ。ちなみにメーダも、ガルガノスの作る味噌料理は、格別に旨いと言っていた。



______転移

 第22日目 推定 8月22日 午前9時


 転移して21日目の昨日は、いろいろと考える事が多すぎて、俺達4人はどこにも出かけず攻略方法を考えていた。そして出した結論が4階層の攻略だ。

それは4階層の攻略=日本へ帰ると言う、俺達の決意の現われなのだ。


 ザッ

 そして今 "Cuty Bunnies" 4人が"誘惑のケイヴ"入り口の大きな穴の前に立っている。二度と帰れないかも知れないと思うと、レイもランもメーダも......緊張しているのが分る。

「明日の為に その①だ!」


俺が多くを語らなくても、今はそれで十分だ。そしてランのB'sの加護神の掛け声で、4階層攻略の幕が開く。


「「「「ナマ イッチョウ!!!!」」」」

「「「「チェンジ・バニー うっふん」」」」


 パァァァァ

 クルクル

 シュタァァン!


淡い黄金に輝くのフォース・フィールドの光。強化スペシャル・バニースーツに身を包んだ美少女戦士4人が、それぞれ装備の最終チェックを行う。


「「「「ラビット・イヤー」」」」


 「よし行くぞ!」

 はい『あなた』

 たくさん食べて来たから!

あたしの未来の為にも!


 俺たちが1階層をなんなく通り過ぎると、現れたのは2階層への階段では無く、見慣れない銀色の金属扉があった。

「確かジョセフィーヌは、準備が出来ているから降りられるって......これの事か! 用意がいいこった」


「手間が省けたのは助かるけど」

「リーダー、お腹が空かなくて楽じゃん」

「ユウガ、あたしかえって不気味」


 それは4階層の四天王戦を前に、3階層までのモンスター戦で、体力を消耗させない為のジョセフィーヌの配慮だった。

「いよいよだ」


 改めて生死を分けた戦闘になると、俺は心を引き締める。

俺たちが扉の前に立つと、いぶし銀のような金属製の重厚な扉が静かに開いていく。

 ゴウン ゴゥン ゴウン


「ラン、<Ultra soul !>

「わかってるってば!」


 俺は立てた作戦通りに、ランにスキルを発動させた。

すると不屈の闘志が、全身にみるみる沸いて来る。


「よし、ラン、次は詠唱バンクにヒール魔法を4発頼む」

「ラン使いが荒いのよね、リーダーは!」


『待たれよ、それは某にお任せあれ。同時に策敵と探知を開始するで御座る』

どうやらナビコマちゃんは、主ランの負担を軽くしようとしているのだ。


「わたしは、強化ファイアーボールを2発」

「あたしは、魔弓(ボウ)をいつでも連射出来るようにスタンバイしておくわ」


「よし、行こう」


 一歩、二歩と俺が先頭になり、後ろをレイとメーダが続く。ランは後衛だ。

俺の軍手の中は、ランの<Ultra soul>発動にも関わらず、まだ遭遇しても居ない四天王に少しだけ汗を滲ませて、手にしたシャークテックナイフの柄に力が入る。


「ユウガ 落ち着いて」

「ああ、武者振るいみたいなもんだ、心配するな」

『ユウガ殿、拙者も同様で御座るよ』


 こんな時、レイの方がいつも冷静だ。女はつくづく強いと思う。

『レイと結婚したら、さぞ尻にひかれるんだろうな......』

これはまずい、よくゲームや小説に出て来るフラグを立ててしまった。

「ユウガ、明日と言う字は<明るい日>と書くのよ。わたしの尻にひかれるのも、......その 悪くないから頑張りましょ」

 ポッ


「「何??、今の尻にひくって!」」

ランとメーダがシンクロして突っ込んで来た。

「ああ面倒くせぇ。しかし! 明日を迎える為にも、今日を勝たねばならない! 」


 歩測にして125歩、まだ四天王は現れる気配がない。

「どうだ? ナビコマちゃん」

『むぅぅ、気配は皆無で御座るな、ユウガ殿』

四天王は何をしているんた?


 すると、聞き覚えのあるあの音楽が......


♪ダッシュ ダッシュ ダンダンダダン♪

そんな軽快な音楽に乗って、銀色を反射する物体が飛んで来た。

「来たぞ! 四天王だ!」

「あれがぁぁ?」


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