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EP30 3階層攻略はエロエルフ付き


______転移

 第18日目 推定 8月18日 午前11時過ぎの"寄って亭"


「それで君は、何を見ているのかしら?」

入り口の扉に立ったまま、余裕の表情で腕ぐみをするメーダに、俺は問いただした。

 

「俺達に何か用があって尾行したんですか? それは何の為に?」

俺にそう問われたメーダは、返答に少し困ったのかクネッと腰を捻るしぐさをした。


「う~ん、やっぱり聞きたい? でもねぇ......」

『本当はユウガ、あなたにだけなんだけど。この小娘2人とアイリスが邪魔なのよね』


 このエルフ女、メーダの言い方と態度には、嫌な予感しかしない。するとメーダはそれを察したのか、レイとラン、アイリスさんには聞えないよう意味ありげな仕草で、そっと俺の耳元で囁くのだ。

同時にいい女特有のフェロモンを含んだ、甘い吐息を吹きかけて来た。

 ふぅぅ~

 クラっ 

 ゴニョ

「ねぇあなた、変わった能力を持っているでしょ。違う?」

 ドキィ

俺がギルドで頭を過ぎった不安、それが目の前のエルフ美女が見抜いていたのだ。

『このエロエルフ! あの時の視線はコイツか!』


途端に俺の目は、皮ジャンの下のビキニから主張する豊満な谷間から、右斜め上の空間をさ迷った。

 ゴニョ ゴニョ ふぅ~

「ムフ 図星だったかしら ユ・ウ・ガくん」

『こいつ!』


 俺は一人、ジワッと額と手に汗が滲み出るのを感じていた。

『メーダと言うこのエルフ女は、俺の秘密を知っているんだ! いったいどこまで! 糞』

アイリスさんが傍らに居るのだ。迂闊にYESとは言えない俺は、赤い革のリストバンドを着けたメーダの細い手首を掴むと、無理やり2階へと駆け上がった。

 はぅ あらら!?

 ダダダダダ


「ユウ そんな(ビッチ)と手まで繋いで なにする気?!」

「リーダー、お昼ご飯!」

騒ぐレイとランを無視して、俺は自分達の部屋に着くなりメーダを強引に扉の奥へと押し込んだ。

 ドン

 あん 痛ぃんだからぁ~


 押し込まれた勢いで、メーダが床に横座りになると、短パンから白いパンテイが丸見えになった。

『セーフ、これはラッキースケベだから』


「ちょっとユウガくん、こんな狭い部屋にエルフナンバーワン美女のあたしを連れ込むなんて、ユウガくんって意外に積極的ぃ。それはあたしに興味深深って事かしらぁぁ? かわいい ユ・メ・ノくん」

 うふ

『糞、このエロエルフ、やっぱり何もかも知ってやがるんだ!』

 ダン ダダダ


 俺とエロエルフが二人きりで、とてもいけない事にならないよう無論、俺達の後に続いてレイとランの駆け上がって来る音がして来る。

 バタム!


レイが閉じていたドアを蹴り開けた大きな音がした。

「ユウ なんなの このエロフ!」

普段は穏やかそうでも、レイの言葉には殺気がさっきから迸っている。


「ユウ 離婚は しないけど わたしは ユウを 信じているの! でも 説明して!」

「リーダー! 酷くない? あたしと言うものがありながら!」


 日頃、何かと<夫婦>が口癖になっいるレイは兎も角、ランまでが俺の彼女認定して来たのには驚いた。

「ちょっと待てよ おい! ちょびっと待てってば」

俺はこの異世界へ来てから、ドラマの主人公キムラ・タコヤのセリフを吐く事が多くなっていた。


 クス

「おやおや、ユウちゃんは、こんなおしっこ臭い小娘二人に愛されてんのかしら......でもさ、小娘よりちょびっと年上だけど、大人でナンバーワン美女エルフのあたしに乗り換えない? (いい)事いっぱい 教えて あ・げ・る」

 ゴクリ


メーダの言葉一つ一つが、レイとランに喧嘩を売っているようなものだった。

「ユウ なんで ゴクリなの!」

「リーダー、こんな時に何食べてんのさ!」


 俺が生唾を飲み込んだだけでこの騒ぎだ。それにこの状況で何か食べているとは! 俺は牛みたいに反芻はしない。否、出来んのだ。


「メーダさん、あんた言っている事が支離滅裂ですよ」

レイとランは、二人共超絶ハーフ美少女なのだが、初めて見る年上らしきエルフも、ルックスとバディは破壊力抜群の魅力に溢れていて、エロ雑誌の表紙を飾れる程のいい女だ。


「嫌だぁ、あたし結構本気(マジ)よ」

などと言いながら、視線は俺から離れず悩殺ポーズをキメて来やがった。


「このエロエルフ、脳みそがボインにあるんだわさ」

『ラン、お前も同類では?』

とは口が裂けても言えない俺ではある。


 その点レイは、全てがパーフェクトなんだと俺は改めて認識するのだった。しかしレイが、こんなに嫉妬深いとは思わなかったけど。

『嫁にしたら、絶対に浮気は出来ないタイプだな。俺がレイと結婚とか......』

 ピク

今のレイは恋愛に関して、俺の考えている事が全て分かるらしい。

「これも何かのスキル? 待てよ、確か俺には<魔女の加護>ってあったよな。まさかそれのせいか?」

「あぁんユウ~」

『結構、面倒な加護なのかも知れないな』



______俺を挟んでレイとラン、エロエルフの睨み合いが続いたのだが、ユウガを巡って最悪の雰囲気を脱したのは、メーダの一言だった。


「あんた達、"誘惑のケイヴ"3階層をどう攻略するつもりなの?」

 なに!?

 このメーダの一言で、一気に流れが傾いたのだ。

『このエロエルフ、3階層の事を知っているのか?!』

 俺の心の内面を詠んだのか、メーダがニィっと笑った。


「ふっ、驚いた顔してるわね。あたしはね、ガルガンとアイリスのA級冒険者チーム<GAM>に居たのよ。あたしは森の住人のエルフ、目と耳がとてもいいから、レンジャーだったあたしを、ガルガンから強引に誘われたの......」

『本当は、あたしから無理やり仲間になったんだけど、それは言わないわ』


 エルフは森の住人であり、レンジャー職にはうってつけだ。そのメーダが、ガルガノスとアイリスさんのA級冒険者チーム<GAM>に居たとしても不思議ではない。

 俄然、俺はアイリスさんの驚いた理由と、メーダのスキルに興味が沸いて来た。


「3階層の攻略方法を知っているんですか?」

それに対してメーダは、もったいぶってこう答えるのだった。


「あたしが3階層の攻略方法を、つまりあなたの冒険者チームに加えてくれたら、教えてあ・げ・る」

「「にゃぁぁ!!」」(なんだってぇぇの略)

異論を唱えたのは勿論、レイとランである。


「あらら、アイリスさんのスタッフじゃ、ダンジョン内ではいろいろ不都合があったんじゃないの? ほらピンク・ゴーレムとか。あたしはとても優秀なレンジャー、目と耳がいいの。それにね......」


 エロエルフがまたもや俺の耳元で囁いた。

「「このエロフ!!」」

 レイとランの怒りに触れるようなマネを、堂々とするエロエルフ、メーダだ。

 ゴニョゴニョ

「あたしのスキル<能力看破>はね、あんた達の能力が分かるの。勿論どんなモンスターもよ」

 パチリ


 "どんなモンスターでも" メーダはつまり、ゴーレムのような非生命体のモンスターであろうと、能力を把握感知出来ると言っているのだ。

本人が暴露しているのだから、俺達の秘密はもはや秘密では無くなった。ここはレイとランを説き伏せるしか道がなくなった俺は、覚悟を決めて下腹に力を入れた。

 ふん

 ぷぅ~

臭い屁をこいている場合では無かった。


「レイとラン、聞いてくれ。俺はエロフメーダをチーム"Cuty Bunnies"のメンバーに入れたい」


 途端に怒涛の反対の声が上がった。

「「にゃぁぁ!!」」

NON NON NON!!!

ダメよ ダメダメ ソコワ ダーメ!


 ランが偶然にもメーダのフルネーム?を叫んだ。

「あなたソコワ ダーメじゃないから、あたしはコソア、コソア・メーダだから」

 いつの間にか部屋に入ってきたのか、アイリスさんだけは何故かホッとした表情を見せて立っていた。


「確かにメーダなら、3階層の攻略に有利になるわよ」

以外にもアイリスさんから、メーダを推薦された? ような口ぶりだ。

「メーダとは色々あったけど、レンジャーの腕は確かなの。だからユウちゃん、メーダを仲間にするのは、悪くはない話よ」


『アイリスさんの話は、俺には何か厄介払いのように聞えたぞ』

それを聞いたメーダは忌々しい顔つきをしながら、軽く舌打ちをした。

 チッ

「あたしはね、もう諦めているから昔の話はよしてくれないかしら」

 何があったのかは知らないが、ここは3階層攻略のチャンスと見た俺は、アイリスさんの言葉を借りて、嫌がるレイとランを説き伏せようと言葉を選んでいた。


______その時、珍しくジョセフィーヌからの念話が、俺達3人に届いた。

 ハロー!

『やぁチェリー少年、困っているようだから簡潔に言うよ。あたしも嫌なんだけどさぁ、ここはエロエルフを仲間するのが吉だよ。後はあたしがなんとかするけど、3階層は手強いのよね』


 プッツん

決まりだ!

3階層が手強いと聞いて、レイとランも受け入れるしかない。俺がレイ、ランの顔を見ると、ジョセフィーヌの<あたしも嫌>と言った念話に納得したのか、二人共頷いた。


「「仕方がない エロフ 受け入れるわ」......のよさ」

「誰がエロフじゃ! それはこのあたしの事か?」

早くも仲間割れの崩壊状態だ。


「ふん、小娘が。しかしあたしのような大人は寛大なのよ。この場はユウガに免じて許してあ・げ・る」

 バチコーン(メーダのウィンク)


 折角収まりかけた修羅場を、自分でブチ壊すエロフのメーダ。この先が思いやられるが、3階層を攻略して次に進まなければ、俺達は異世界から戻れないのだ。きっと。


「よし、じゃぁ今日からメーダを仲間にするから、お前達うまくやってくれよな」

異世界から日本に戻れれば、この嫌なエロエルフとは決別出来るのだ。レイとランは、渋々メーダを仲間に加える事に同意したのだった。


<メーダの能力>

「メーダ、仲間になったんだから、メーダのスキルと能力を教えて欲しい」

共にチーム"Cuty Bunnies"の仲間として3階層に挑むのだ。それはリーダーとして、俺の当然の質問だ。


しかしチームの仲間になったばかりなのか、それとも異世界転移して来ていないからなのか、俺達はスキル"閻魔帳"で、メーダのステータスを見る事が出来なかった。


『ジョセフィーヌは、後でなんとかするって言ってたけど、何を何とかするかは分からんしな』


「ユウガがリーダーならいいわ! 教えてあげる。あたしは凄腕のレンジャー。しかも超美人のね。能力は索敵と敵の<能力看破>で、武器はエルフしか使えない魔弓(ボウ)と、スキルが一つよ」


 ゴニョ ゴニョ

「ユウガ、あんた達の能力、全部知っている事は黙っておくから」

また耳元で甘い吐息をかけながら、俺に囁くエロエルフだ。

 怒!

「ユウ 夫婦に 秘密なし エロフ 今何言ったの?」

「いやいや、晩飯は何かなぁ......なんて」

嘘! つーん


もはやレイに嘘は通用しなくなった。これがレイの口癖<夫婦>と言うやつか。などと思っていると。


「なんだメーダってば、あたしと気が合うじゃん」

食い気のランは、もうすっかり騙されている。

『スキル推理を持っているのに、ランはポン() あっそうか! こいつ等二人共、食べた栄養がボインになってるんだ』

ぷっ

(今の笑いはレイだ。やはり俺の考えた事がバレている)


「取り合えずだ、メーダのスキルと能力は役に立つ。狸ババァもそう言ってたしな」

 ピクン

「あら、狸ババァっていったい誰の事......?!」


「あっ、ははぁ~ん、なるほど。そいつがユウガくんたちをね」

この瞬間、スキル<能力看破>でメーダにジョセフィーヌの事がほぼバレてしまった。恐るべしメーダのスキル。これはランの中途半端なスキル<推理>の上級版と言えた。


 ジョセフィーヌの件や、俺達が日本から強制転移して俺だけ転性した事は、折を見てメーダには話すつもりだ。

今は明日の3階層攻略の為に、この流れのまま緊急作戦会議を開く事にしたのだった。




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