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EP27 もはやここまでか 2階層のゴーレム戦 


_____ ユウガたちを送り出した"寄って亭"では、ガルガノスと妻アイリスが、神妙な顔を突き合わせていた。


「あなた、あの子たちにゴーレムはまだ......」

「ああ俺もそう思っているさ。如何にお前が贈ったスタッフがあろうと、あの2階層は、精神も肉体も強靭な俺のような男のパワーファイターで無ければ無理だ」

ゴーレムとは、誰しも怪力パワーモンスターばかりだと認識しているのが普通だ。


「なら、どうして止めなかったの? あの子たち、私よりちょびっと落ちるけど、凄い美少女なのよ、あなた」


ガルガノスは、妻アイリスのその言葉に暫し目を瞑った。

『......アイリス、お前はもう少女ではないが』


「戦士の勘と言う奴か? あいつ等はあの装備で、LV4+の"盗賊変態ベア"を倒している。今度も何か仕出かすと俺は思っているだけだ」


 強さの比較ならベアよりゴーレムの方が厄介なのだ。それに相手は生命体では無く、情けなど持ち合わせてはいないからだ。

 ゴーレムとは、"盗賊変態ベア"より無慈悲であり、侵入者を機械的に昇天させるだけのマシーンなのだ。


「"誘惑のケイヴ" の本当の恐ろしさを知ったら、あの子たち......もう戻れないかもしれないのよ」

「否アイリス、あいつ等に強い意志があれば、きっと戻れるさ」

 あふん あなた......



______転移

 第17日目 推定 8月17日 午前11時


「ま、待たれよ主、ユウ殿、レイ様!」

突然侍ナビコマちゃんが叫んだその時。

 ギギギィィ バタム


 俺達は既に扉を超えていて、後ろを振り返ると丁度醜悪な扉が音を立てて閉まっていた。

「不覚!」

 ナビコマちゃんが、しきりに自分を責めているのだが、俺達にそれが何なのかは分からない。


「どうしたのよさ、ナビコマちゃん?」

「ぐふ主殿......某、やらかしてしまったで御座る」

 ???

「手短に申せば、某、生命体では無いモンスターは感知が出来ぬ。前の主であるアイリス様と同行しても、ガルガノス様が某より気配を先に感知して、某の出る幕はなかったので御座った......」


「それに! なんという事か! 2階層の扉が閉じるとは! こんな事は決して今まで無かったので御座るよ」

げぇぇぇ!


「それじゃナビコマちゃん、今までそれを忘れていたって事? あたし達、袋の美少女(ねずみ)なの?!」

「御、御意、面目次第も御座らん主殿」


早い話が、ガルガノスが冒険者チームの先頭を行く時、前衛戦士の勘がナビコマちゃんより優れていたのだ。生身のモンスターは察知出来るが、侍ナビコマちゃんが、永年ガルガノスにゴーレムのような、非生命体の感知を委ねていた事が原因だった。


 うーあー!

俺が閉じた扉を開けようと、全力を出しても扉はビクとも開かない。


 ぷぅ

「ダメだ、これ以上力んでも屁が出るだけだ。最悪、(うんこ)も出かねない。皆、扉は閉じてしまったから、もう先に進むしかないぞ。ここからはラビット・イヤーを起動して進むんだ」


「て 事はリーダー、ゴーレムが数体出て来たら、あたしたち1階層に逃げれなくて、そのツミ?」

 口には出せないが、恐らくランの言った通りツミだろう。

「ユウ......」

「心配するなレイ、ラン。必ず突破口はある!」


 レイとランを激励したものの、ゴーレム単体なら兎も角、俺も複数体では勝ち目が薄いと思っている。

『まずいな』

咄嗟に俺は考えられる作戦を二人に話した。


「ラビット・イヤーでゴーレムの出現を感知したら、LVがいくつであろうと、狙いを定めて瞬発LV1 で接近、ゴーレムのパンチを避けて跳躍、頭部の赤い弱点を叩き壊すしか手はないぞ」


 その時、萎れていたナビコマちゃんが喋った。

「ゴーレムの体は硬いが動きは遅い。早く動けば恐らく我等でも活路は開ける筈で御座るよ」


「この2階層まで42段.....死に段......死中に活か」

「そ、そうね やるしかない」

「リーダー......あたし死にたくない」

「馬鹿野郎、戦う前に弱音を吐いてどうする! ここで勝たなきゃ、"寄って亭"の旨い味噌カツが食べれなくなるぞ、それでいいのかラン!」

「それだけは絶対にイヤぁぁ! 味噌活ぅぅ」

死と背中合わせな時でも、ランだけには有効な活だ。


「レイとラン、ここはパンツのゴムを絞めていけ! ズレ落ちたらそれが目の保養......命取りになるからな!」


「ヒモパンじゃ無いのに、どうやって絞めるのよさ。こんな時にウケないジョークを言って......はっ」

勿論、俺の言った事はジョークではなく、レイとランの緊張を和らげる為だ。


「あ、あたしにだって、スキル"Ultra Soul"があるのよさ。ビビってなんかいられない!」

そのとおりだ!


「ユウ ラン わたしたち 最大のピンチ だけど 最高の成果も上げられる」

レイとランもやる気が出て来た。ここはもう一押し、俺はあの約束の言葉を口にした。


「忘れてないだろうなレイとラン! 俺達は日本に戻ってやる事があるだろう! こんな所で負けてられないぞ!」

 あっそれ

「"The Cuty Bunnies" !!」

それはこの異世界から戻れた時、俺達3人があの時約束した輝く未来への目標。


「そう わたし 諦めない!」

「ゴーレムなんか、やっつけるのよさ!」


 言葉の"Ultra Soul" 言葉は時としてスキルや魔法のような力を発揮する。古来よりそれを"言霊"と称されてきた。俺達3人の戦う意思は今固まったのだ。


______ドスゥ ドスゥ ドスゥ


 地響きを立てて何かが接近して来る。

6つのラビット・イヤーがその音を捕らえたが、音の感じからそれは3体だ。


 「レイ、ラン、来やがったぞ!」

「ユウ ゴーレム 3体!」

「黄色い目が全部で6つだわさ」


 距離にして後20m、 奴らはゆっくりと前進して来た。

形はDQに出て来るゴーレムとよく似ているが、レンガのような体ではなかった。そのゴーレムの体は、俺達のフォース・フィールドの光にゆらりと照らされて、あたかもステンレスのように輝いていた。


「あれでは、"ユーラン"も"ナビコマちゃん"の刺突は無理だ。作戦通り頭部の赤い弱点を狙うぞ」

2階層は、体長2mのゴーレムが動き回れるよう高さが4m、横幅が10m以上はある。

仮称ステンレス・ゴーレムが、狙いを先頭の俺にロックオンしたのか頭を向けた。

 咄嗟に俺は瞬発LV3で、ゴーレムの頭上に飛んだ。

はぁぁぁ!

カキィィン


 右手のシャークテックナイフで、赤い弱点を切り付けたが、弾かれてやはり傷をつける事は出来なかった。

チィィ

ブォン 


ゴーレムのパンチが風切り音と共に、俺を捉えようとする。

そのパンチが、弾かれて体勢が崩れた俺の左胸に炸裂した。

 メキャ


嫌な音がしたが、それは強化スペシャル・バニースーツのフォース・フィールドと激突した音だったが。

 ごふっ


 しかし、ゴーレムのパンチは予想以上だった。俺は血反吐を吐きながら転げ落ち、側壁に激突してしまった。

「ユウ!!」

「リーダー!!」

ゴーレムが繰り出したパンチの威力で、俺の強化スペシャル・バニースーツの左胸部が破れた。

 ポロリ

#ピコーン


するとゴーレムの黄色い目が、突然ピンク色に変わったのだ。

同時に俺を助ける為に、レイが"ユーラン"を、ランが"ナビコマちゃん"を右手に瞬発LV1でジャンプ、赤い弱点に向けて振り下ろした。

カイーン

 ああん!

やはり二人共弾かれた。

#ピコーン #ピコーン


残る2体のゴーレムも、俺達に向かって仕掛ける為だろう、何かの予備運動を始めた。奴らの目もピンク色に変わっている。


 ヴヴヴヴ

 ごふぅ ごふっ

「来る!! 何を する気だ!? ごふっ」

ズビィィィィ ズバァァァ パパパ~ャァン


 ピンク色の目から、ピンク色のビームを発射したのだ。

俺は動けない。ビームが咄嗟に俺を庇ったレイの右胸を僅かに掠った。

 ポロリ

 <オルガァァ~ スムス!>


 何故かゴーレムが、ガッツポーズをしているように俺は感じた。

今のはゴーレムが発した雄叫びだ。


 ズビズビ ズバァァァ パパパャァ~ン

3体のゴーレムが、ピンクビームを一斉に乱射する度に、俺達は次第にスッポンポンにされていった。


「何なんだ、この攻撃は! 老人と子供のポルカみたいな発射音なんか出しやがって! もう止めてケレ!!」

ランなど、もはやラビット・イヤーを残すだけとなり、右手はアソコに当てて、ちょこまかと逃げ回っている始末だ。


イヤ~ん 何よコレぇぇ

「ユウ もう ダメ わたし もうスッポンポン」

「ゴーレムの特殊攻撃だ! レイ、俺もスッポンポンだ。糞、ここまでか!」



______『レイ あのスキルだよ』

レイには聞えた。間違いなくジョセフィーヌの声だ。


「あのスキル それは レイにとってアレしか無い」

レイがまた瞬発LV1 を起動し、1体のゴーレムの頭上にスッポンポンで跳躍し、大きく股を広げた。丸見えであった。


「サンダー・ライデンドロップぅぅ!」

「な、なんと大胆なレイ! 眼福過ぎるぞ!」

 グワシャ


 鋼鉄のヒップと化したレイの尻が、剥き出しの赤い弱点を粉砕したのだ。

「見え過ぎだぁぁ~!」

ブゥァァって俺の鼻血だった。


 弱点を粉砕された1体のゴーレムがコントロールを失い、もう1体のゴーレムにピンクビームを乱発射。これが同士撃ちとなり、瞬く間に2体が沈んだ。


 あのビームは生命体には無害で、装備や金属を破壊するだけのエロピンクビームなのだろうか。


 残るはあと1体。その時の俺は、血反吐か鼻血か分からなくなって、壁際で臥せていた。

 はぁはぁ


「ユウ! そんなに 怪我が 酷いの?!」

『いえ、眼福で』

なんて事は言えなかった。とりあえずこの場は誤魔化しておく。

 はぁはぁ ごふっ


 この間に逃げ回っていたランが、俺にヒール魔法をかけている。無論左手はアソコを隠しているが、ポロリは丸見えだ。


 パァァァ~

「レイ、リーダーの出血が止まらないわ。特に鼻から!」

「ユウは ユウは 逝かせない」


言うが早いか、レイがまた瞬発LV1を起動しジャンプ、美尻で華麗にサンダー・ライデンドロップを再度見舞った。

 相手は1体、しかも動作は遅い。

 グシャァァ


 レイ本日2回目の御開帳 "サンダー・ライデンドロップ"で、3体のゴーレムは沈んだ。

やったぞ!


ランのヒール魔法で、俺はやっと動けるようになったが、どうも出血が多かったようだ。


 フラフラと立ち上がろうとした俺を、両側からレイとランが支えてくれた。

無論レイもランもほぼスッポンポンで、二人のポロリが俺のポロリとご挨拶している。

女同士で風呂に入っていれば、こんなものなのだ。二人には、もはや恥ずかしいと言う感情は......今は無い。戦闘で忘れているから。


「ユウ 無事で 良かった」

「リーダー、味噌カツ定食」

 ごふっ

「ランは ブレ ごふっ ないなぁ」

 だぁってぇぇ


 笑って演技はしているが、俺の目はしっかり二人のアソコに集中していた。

「兎に角、今日はここまでだ」


「「「チェンジ・ダッフンダ」」」

もはや強化スペシャル・バニースーツは、ラビット・イヤーを残すだけだが、俺たちは元のパーカーに戻る事にした。いつまでもスッポではいられない。


 ファイアーボール

 ボッ

バニー・スーツのフォース・フィールドが無くなれば、2階層は暗闇だ。レイが松明代わりのファイアー・ボールを唱えてくれた。


 入り口を見ると、あの固く閉まっていた扉が開いていた。

「レイ、ラン、帰れるぞ!」

「うん ユウ 帰りましょう」


 ゴーレムのエロビーム攻撃で、殆ど無くなっていた強化スペシャル・バニースーツは空間収納され、いつものパーカーに少しずつ戻りつつあった。地上に出るまでには戻っているだろうが、それまでは3人共スッポだ。


「アレは自動修復再生機能があるからな、次の戦闘までには直っているだろうさ」

「うん それより今は 早く"寄って亭"に戻りましょ」

「そうだな レイ。今回はレイに助けられた」


 へ、ヘクシ

「ユウ わたしに くっついて 暖かいよ わたしの 身も心も」

「むぅ何さ、その二人だけの世界は! あたしだって」

 えい ギュゥ

『ほぇぇぇ~ 眼福と至福のパラダイスじゃぁ~』


「レイ大変! リーダーがまた大量出血してるのよさ!」

「鼻から」


 "誘惑のケイヴ" 2階層はなんとか攻略出来た。しかし本当の戦いはこれからだとほくそ笑む男がいる。無論全てを見ていたあのXXXだった。


「ふがいないゴーレム序盤戦を突破したか。だが余の楽しみはこれからだぞ」

 

 


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