EP24 激白? 歓喜で股が震えたアイリスさん
______<<転移>>
第15日目 推定 8月15日 午後6時
"寄って停"に戻って、久しぶりに名前も分からない焼き魚定食に舌鼓を打った後、俺たちは部屋でいろいろと話し合う事にした。
「ゲふぅ、食べた食べた。やはりあたし達日本人は、コメと味噌汁だよね~! つくづく日本人で良かったと思うわさ~」
「ラン、どんぶり飯の大でおかわりしたな、また太るぞ」
「だぁってぇ」
「えっ?! またってリーダー、あたし 太った?」
「......言えるかノーコメントだ」
ガ~ン
ランの話題はやはり食い物ばかりで、これがランの通常運転だ。
話題のメインは、売った魔石やLV4+の "盗賊変態ベア"の掌で、やはり高額で買い取って貰えた。
「レベルは中の下位のモンスターだけど、なかなか遭遇しない特殊個体という事で、掌が1,000Gとはびっくりだよな」
ジャーブラ島の通貨は、ゲームでもお馴染みのGで、1000Gは日本の平均的サラリーマンの給料に換算すると、およそ2か月分になる。
アイリスさんが心配したのは、金目当てにユウたちが襲われる事だった。
「俺はね、そのうちの半分で不足している装備や、拠点で足りない物を買おうと思っている。勿論MPによるけど、レイの"無いものねだり"で出せるけどな。俺はそれを極力使いたくないんだ」
以外な事にレイの話では、ブラとパンティーは、"無いものねだり"ではまだ出せない程、MPを消費する事が分かった。
『武器なら分かるが、何故だ? 俺は何者かの悪意を感じた。まさかジョセの仕業か!』
「それならリーダー、あたしに可愛いパンティとブラ買ってよ。着替えがないんだからさぁ。Tシャツだって欲しいのよさ」
「可愛いって、誰に見せるんだ? そのパンティー」
俺も含めて、レイだって下着やパーカーの替えは無い。3人共アラピカ魔法で、いつも着た切り雀なのだから。
魔法で清潔だから問題は無いのだが、そこは美少女、おしゃれと身嗜みは気になるのだ。
「ま、考えておく」
「それは 嬉しいんだけど ユウ 本当は 何が 欲しい?」
レイは俺が欲しい物をやはり勘づいている。ツーカーで気持ちが通じるってのはいいものだ。これは食い物大好きのランにも見習って欲しいものだが。ま、ランには今更だ。
「ブラとパンティーも必要だけど、実はレイとランには悪いんだが、もう一本予備のナイフが欲しいんだ。両手でナイフを使う時もあるだろうからさ」
ブラもパンティーも、命に関わる緊急な物ではない。
「そりゃその通りだけどさリーダー、あんたは前衛、自慢らしいそのナイフ1本では、あたしも不安だったわさ」
「いいんじゃ ない? もう1本 買っても」
レイは、永年連れ添った女房みたいに、俺を理解してくれている。
『レイなら......結婚ってどうなんだろな?』
ピク 俄然、ランの推理LV1が発動した。
「ユウ先輩、今とてもエゲつない事、考えてなかった?」
「ないない。何も考えてない」
『ユウ わたし 感じたよ』
ふ~ん
「ところでさぁ、リーダーにもMPが付いているけどアレは何んなのさ?」
確かに閻魔帳で見ると、少しだが俺にもMPが表示されていて、何か不明なスキル"Give"も付いている。
『まさかスキル ギブアップとかエスケープの類かな?』
「さぁ、それは俺にも分からんのだよ、ラン」
「え~、それって酷くない? 私には自分のスキルや魔法を知っとけって言った癖にぃ」
「分からんものは、分からんのだ」
「それ理不尽だわさ」
俺がナイフを落とした場合、素手で戦うには無理がある。前衛の俺に足りていない物は予備のナイフだ。それにいくら金が必要になるか分らないが、俺のナイフを新調する事で一件落着したのだ。
______今まで戦って分かった事だが、バニースーツは着ているだけで、体全体をフォース・フィールドで包んでいるらしい。派手で露出の多いバニースーツの防御力に不安があった俺だが、結構防御力は高かった。
そんな理由もあって、ランとレイにはシールドを持たせていない。特にバニースーツのカフスは、強力な小手としても機能している。これは瞬発を武器にしている俺には、シールドが邪魔にならないので好都合の仕様だった。
「皆さん~、夕ご飯が出来ましたよ~」
「綺麗な おねぇたん ごはん~ ごはん~」
階下からアイリスさんと、アイシャちゃんが俺たちを呼んでいる。
「丁度いい、武器屋の事をアイリスさんに聞いてみようか」
俺たちは、いつも座るテーブルで食事をしながら、アイリスさんの手が空くのを待っていた。
「げふぅ また食べた食べた」
「ラン どこに入るの 2人前も」
「その体、全部胃袋なのか? 間違いなく太ったなラン」
ゲェェェ
またまた美味い晩飯を食べ終わり、今度は部屋でまったりしていると、やっと手が空いたアイリスさんが入って来た。
「遅れちゃって御免なさいね」
アイリスさんが入って来るなり、話題はすぐに昨日の話になった。
______「あなたたち、本当によく無事で帰れたわ。今まであの"盗賊変態ベア"の魔の手にかかって、何人の女冒険者が随喜の悲鳴を上げたことか」
はて随喜とは???
魔の手→熊の手や爪 随喜→恐怖 悲鳴→犠牲、断末魔
「アイリスさん、今のなんか間違ってません?」
トロ~ン
するとアイリスさんの瞳が、若干潤んだようになり右斜め上の空間を見つめ出した。
はふん
「お~い、アイリスさぁ~ん」
「はっ、いい? 今からアイツの本当の恐ろしさを説明するから驚かないでよ」
①"盗賊変態ベア"は名前の通り、冒険者を襲って装備を盗む。
「ほう、モンスターにも収集癖が」
②狙うのは女性、しかも美少女だけ。
「なーる、それで俺たち3人を」
こ、ここからが本当に羨ま......凄惨で恐怖なのよ!
ゴクリ
③アイツは狙った美少女の装備と服を身ぐるみ剥ぐの!
げぇっ
そして......すっぽんぽんにした美少女の体を、あんな事やそんな事をして、はぁはぁ、私、興奮してきました。美小女にさんざん破廉恥な事をした後、満足してから解放すると、なんと奪ったパンティとブラを頭に被って、ルンルン気分で帰って行くの。
「なな、そんな馬鹿な!」
「「げぇぇ!!」」
ちなみに、私のお気に入りのパンティとブラも、アイツが被ってたわ。今思い出すだけでも股が震えるの。......興奮して」
あふん
「ア、アイリスさんも、アイツと遭遇してたって事か! よく無事で」
イヤ~ン クネクネ。
『そっちの身震いですか?』
「え~と、つまり"盗賊変態ベア"が美少女を襲う目的は、パンティとかブラとかアレで、冒険者、特に美小女を殺すつもりはないモンスターだと?」
「そ、そうなの。あの"盗賊変態ベア"に会うために、大勢の女が森に入ったのよ。下は10歳から上は90歳のお婆ちゃんまでが! でもね、ブスと年増と三段腹は相手にしないのよ。それにパンティは新しいのは駄目って事まで分かったの。その点、あなた達は合格だったってワケ。そして当時冒険者修行中で、しかもピチピチの私が満点合格したのよ」どうよ。
「ベアの試験に、満点で合格したんですね!」
『ここは、おめでとうと言うべきなんだろうか? 分からん』
「リーダー、アイリスさんは何の話をしているの?」
「うむ、難しい受験の話さ。ランにはまだ早いだろう。大人しく飯でも食ってりゃいい」
レイだけは、しっかり理解していた。
モジモジ あはん あへ~ ユウぅ
「おい! レイしっかりしろ」
しかしアイリスさんの話には、どうもおかしい部分がある。
俺たちが襲われた事が、まるで羨ましいように聞こえるからだ。
「じゃぁ、俺たちは悪い事をしたって事?」
「そうでもないわ。無理やり狩って来る男の冒険者は、遠慮なく殺すの。だから、どちらとも言えないのよね、これが」
「アイリスさん、この島には"盗賊変態ベア"は他にも居ますか?」
「少なくとも一匹じゃないわ。今でもピチピチだけど、現役冒険者の頃、パンティを被った複数の"盗賊変態ベア"と遭遇していたから」
「俺たちの出会った"盗賊変態ベア"は、パンティを被っていなかった。恐らく奴は......俺たちのパンティとブラが欲しかったのだ! そして"盗賊変態ベア"にとって、パンティーとブラをかぶっていなければ、そいつは仲間として認められずハグレとなる!」
「イヤ~ん」
「ふぅ、危なかったのよさ。あたしたちは殺されなかったけど、最悪スッポンポンで拠点まで戻る事になってたってワケね! なんて恐ろしい奴」
ランは今になって全貌を知った。スキル推理が泣いているぞ。
レイは思い出した。アイリスさんのあの言葉を。 "よく生き恥を晒さずに......戻れたわね、本当に"
「ユウ アイリスさん あの言葉 そういう意味だった」
なーる
『アイリスさんには、生き恥では無いみたいだけど......うっとりと喜んでるし』
問題は、今後遭遇したらどうするか俺たちは迷った。何しろ3人とも超絶ハーフ美少女であり、"盗賊変態ベア"の最高のご馳走なのだ。
だけど、パンティーとブラのスペアは無い。
すると
______「話は全部聞かせてもらった!」
いきなりガルガノスが入って来た。
「お前たちも武器が必要なんだな。それなら何故早く俺に言わなかった」
「いや、パンティーとブラも欲しいんだが」
俺の言った事が全く耳に入っていないのか、ガルガノスが取り出したのは、ナイフより大きい黒いシミターだった。
「ふっ、これは俺が冒険者時代に使っていた獲物だ。徒手空拳の俺には特に必要は無かったが、万一に備えて持っていた。ユウ、これをお前にやるぜ」
『ガルガノス、パンティーとブラはどうした? 俺のパンツはブリーフだが、それを知っているのはレイだけだ。つまり俺はノーブラ状態なのだ。まずい! しかしパーカーだから、ランには気づかれてはいないけどな』
さて、刃がぐっと湾曲して凶悪さを漂わせた小ぶりのショートソードは握りも悪くない。
ナイフを新調しようと思っていた俺には、丁度タイミングが良かった。
「いいのか? オッサン。なかなかの一品みたいだけど」
「ふっ、良いって事よ。アイリスだって愛用のスタッフ"Komachi Angel"をランにくれてやったんだ。引退して宿屋経営の俺たちにはもう不要だからな」
それを聞いたアイリスさんも、納得しているのかにっこりと頷いている。
「何から何まで、本当にありがとう。ガルガノスさん」
オッサンから、さん付け。ユウガもランのように大概ではある。
俺たちは宿屋夫婦に感謝とお礼を言うと、レイとランは部屋に戻っていった。
俺はと言えば、明日は"誘惑のケイヴ"2階層に挑戦する為、ガルガノスとアイリスさんから、攻略する情報を聞く事にしたのだ。




