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EP16 冒険者チーム " Cutie Bunnies" 強化スペシャル・コスチューム

<<転移>>

______ 第11日目 推定 8月11日 午前10時


"コングラチュレーション"!!

  ジャ~ン!


 俺たちがベンチに座り、さっき浴びせられたばかりの罵声と屈辱の憂さ晴らしをしようとした時だった。


 「またかよ! よく沸いて出る奴だな! いったい今度はなんだ? 俺たちが馬鹿にされたのを笑いに来たのか? ジョセフィーヌ!」


 ジョセフィーヌはいつでも俺達を監視している。何が目的なのかは分からないが、奴が俺の転移と転性に関わっている事は、もはや疑う余地はなかった。


 「ちゃいまんがな少年。 おっと今は美少女だったね」

 あいつの声だけで、したり顔で人差し指をチッチッとやっているのが癪に障る。当然、今のジョセフィーヌの念話はレイとランにも伝わっているのだ。



 「今は美少女って?? ユウ先輩リーダー、また男言葉になってるよ。それがリーダーの本当の地なら、無理しなくて男言葉で通せばいいのよさ。私はそれでいいと思うけど。ねぇレイ、あんたもでしよ?」


 「あ ぶ なかった  そうだ  けど...... 」

「なによ、その後ろの.....わ ! ははぁん ここはスキル "探偵" の出番かしら」

 「ラン、止めるんだ」

  ぐはっ ショボ


 今はジョセフィーヌが何を言い出すのか、聞くのが先なのだ。

「あははユウ、あんたはその方がお似合い。なんたって......ねぇレイちゃん」

 と言いながら、ジョセフィーヌが3人のステータス画面を呼び出した。


 「ボッキュン ボン 閻魔帳!」

「「なんじゃ そら~!」」

「なんで やねん!」

 最後は控えめなレイまでが、呆れて咆哮してしまった。


名前 近藤 (ユウ) 登録名 ユウ  16歳

称号 サバイバルナイフ ハーフ美小女戦士 チームリーダー 

HP 26

MP 10

瞬発 LV2 

スキル 試行錯誤 LV2

武器 シャークテックナイフ LV2

防具 ユニケロ 男物パーカー上下 LV1 軍手 LV 0 

   男物トレッキングブーツ

魔法 Give LV2

魔女の加護

鳥瞰図(ちょぅかんず) LV2

閻魔帳+




名前 北川 (レイ) 登録名レイ 魔女の子孫な超絶ハーフ美少女 16歳

称号 魔法使い xxxのx

HP 26

MP 32

スキル 無い物ねだりLV3 ねだる物により消費MPが増減

武器 殴打兼用 ユウ自作 流木槍

ゴブリンの弓

防具 ユニケロパーカー上LV2 ウィッチのグローブ LV1

トレッキングショートブーツ

攻撃魔法 ファイアーボールLV3 MP2消費

     ファイアーボール・ウォール LV2 MP4消費

     サンダー・ライデンドロップ LV1 MP2消費

魔女の加護

鳥瞰図(ちょぅかんず) LV2

アラピカ魔法 LV1

閻魔帳+



名前 萌牟逗(ほうむず) (ラン) 登録名ラン 超絶ハーフ美少女 サウンドヒーラー 15歳

称号 駆け出しディテクティブ ポン()

HP 16 

MP 14

スキル 推理 LV1

武器 

防具 ユニケロ パーカー上 LV1 探偵のグローブ LV1

トレッキングショートブーツ

攻撃支援魔法 Ultra Soul LV1

聖魔法 イタイーノトンデケーノ LV1

B'sの加護

鳥瞰図(ちょぅかんず) LV1

閻魔帳+


 げぇ


「これはこれは!確かに酷いじゃないの。これだけ低いとクラス"BITABITA"でも仕方がないかぁ、本当に最低ですな。冒険者のルーキーなら、HP MPが30以上あるのが普通なのにさぁ~」


カチン

「おい、俺たちの傷ついた心に塩を塗りたくりに来たんなら、もう帰れよ!」

 突然現れて、いつもイライラさせられるジョセフィーヌに、俺の我慢も限度があるのだ。


 「まぁまぁ、話は最後まで聞くもの。あんたたちの弱点は、攻撃力とかHP、MPの数値じゃないのさ。つまり防御能力さね。そのお揃いのパーカー程度じゃ、チンピラゴブリンのこん棒や弓でさえ、ヒットしたらそれで致命傷でしょうが」


 そんな事は言われなくても、俺は十分に分かっているのだ。しかし防具を揃えるのは、例えレイのスキル "無いものねだり" でもMPが遠く及ばないし、それに金もない。


 「うっせぇな! 金がねぇから仕方がないだろ!」

「だ~かぁらぁ、冒険者登録祝いに、"運営本部"から特別に贈り物があるのよさ」

 "運営本部" からの贈り物だと?!


「お前の贈り物には必ず裏があるからな! 俺は素直に喜べねぇし!」

「ちっ、警戒されてる」

 百聞は一見にしかずと言う。ジョセフィーヌは口で言うより、現物を取り出して見せた。


 「出でよ! "BITABITA" 限定スペシャル・コスチューム!」


 デロデロ~ン ぱっ


「ほら、あなた達のチーム名 "Cutte Bunnies" にちなんで、3人お揃いの強化スペシャル・コスチュームを進呈します。攻撃力が弱くても、防御力があれば後はなんとかイケるから。あとは閻魔帳で確認してチョ。では、さらばじゃぁ~」


 プッ


「言いたい事だけ言って、またすぐ帰るなアイツは。でさ、あいつ、何置いてったんだ?」


 残された四角いケースには、黒い服? が3つセットになっていた。

「服は分かるが、この赤いハイヒールは何でだ?」


 ユウが不思議に思っていると、ランがその正体に気づいた。

「これ! これバニーガールのバニコスよ! ちゃんと網タイツ、うさ耳、蝶ネクタイ型チョーカー、カフスと丸いシッポ付できゃわいい!」


 レイとランは、もともと超絶ハーフ美少女でスタイルもグンバツなのだ。着れば当然似合う事は言うまでもない。


 「それって俺も着るのかよ?」

「なんで嫌がってんのよリーダー。女のあんたが嫌がってどうすんのさ。リーダーは微・少女なの? スタイルだって私とレイには、ちょびっと負けてるけど、まぁそこそこだよ」


 「いや、俺にはちょっと抵抗が......流石にコッパズカシイんだよ」

 男がバニコス......当然悩んでしまう。


 「着る、着ないはともかく、しかしなぁ、そんなもんで防御できるのか? お色気でモンスターを怯ますとか? モンスター相手に無理だろそんなの」

 (案外ゴブリンには効くかもしれないが)


 「ふふん、じゃぁ閻魔帳で確認しときますか」

 ランがここは出番とばかりに、閻魔帳を呼び出した。


「Come On イネイバー 閻魔帳!」

 ヴゥゥゥン


 検索アイテム "バニーガール スペシャル・コスチューム"

 ピピピ


 防御力 防刃 LV3 ナイフ、ソード、槍 矢は貫通出来ないが、大きな衝撃はダメージに繋がる。

コスチューム付属効果 ラビットイヤーwithチョーカー通信 LV1

激痛のハイヒール LV1

      

「なーる、これなら敵の攻撃は通らない。だけどチンピラゴブリンの持っていた、こん棒みたく殴打武器には弱いだろうな。これは要注意だ」


 「ユウ先輩リーダー、補足説明。 装着する時は "チェンジ・バニー ウッフン" だって」

 ゲぇッ!


「それにバニコスを "チェンジ・ダッフンダ" で解除すると、元のパーカーに自動で戻れるそうだよ」

 ガハッ!


 スゲエ.....しかし、コレって凄い事なのだろうか??

「そりゃそうだろ、常時バニーガールじゃ俺は外も歩けん。それじゃ男.....ゲフン、女でも変だしな。その辺はアイツも考えてくれた訳か」


「ユウ先輩リーダー、 それともう一つ。コスチュームには、自動収納と修復機能がついてる。持ち歩かなくてもいいし、これは便利だよ」


 ハァー♡ ハぁー♡

 静かだと思ったレイは、バニコスをうっとりとした目で眺めていた。

「てかレイお前さ、これに何の抵抗もない訳? 目がなんだかノリノリじゃねぇか!」

 

「あん バレ てた?」


 レイとランに、バニコスは抵抗がないと見た俺は、二人を連れて人気(にんき)のない茂みに入り込んだ。

ジョセフィーヌ(アイツ)から貰ったスペシャル・コスチュームと、付属品の効果を試す為だ。


 「ここなら人目につかない。いっちょバニコス試してみるか?」

 道から少し外れた木々を抜けると、丁度良い広さの空き地があった。


 「よし、ここでやるぞ」

 「ヤル」

 「昼間 から」

 レイとランが声をシンクロして、嬉しそうに叫んだ。


「「「チェンジ・バニー ウッフン!」」」

  パァァァ~ン


 黒い渦が、それぞれが持っていたスペシャル・コスチュームから立ち昇ると、俺たちの体に纏わりつくや、ついには繭のようにすっぽりと包み込んだ。

 今度は繭の内部から流れて来る、眩いレインボーの光の洪水と共に、俺たちの体が回転した。

 ギュル ギュル ギュル

 シュタァァン


 フィギュア・スケーターのフィニッシュのように動作が止まると、お互いの姿を見合って、暫し目をパチクリさせてしまった。


 「「きゃ きゃわいい~ん」」

「「ス スゥ エク シィ~!!」」


 絶叫したのはレイとランの二人だ。俺はと言うと、確かに美少女でスタイルもいい。誰が見てもバニーガールの美少女である。しかも靴は赤いハイヒールだ。


 「こんなんで闘えるのか?」


 履いてみると、意外にもハイヒールは見た目だけで、足はしっかりと地面を捉えている。試しに"瞬発"を発動してみたが、以前のトレッキングブーツよりワンランク速くダッシユ出来る事が分かった。


 「いける! 瞬発レベルが、ハイヒールの効果でLV3 に上がっている」

 加えてハイヒールの効果は、閻魔帳で確認するとそれぞれが瞬発LV1を獲得していたのだ。そして更に。


 「みんな」


 と俺が喋ると、レイとランがキョトンとした顔を見せた。

「あれ? ユウ 隣に いるみたいに 聞こえた?」

「ほんとだ。レイの言うとおりじゃん、これも効果?」


 「ラビットイヤーと、チョーカーが通信機の役目をしているようだな。チョーカーがマイクで、ラビットイヤーがアンテナか。閻魔帳にもそれらしい表示が出ている」


 戦闘において、3人が通信で情報を共有出来るのは有効だ。どんな戦法でいくのか、瞬時にフォーメーションを切り替えられるからだ。また離れ離れになっていても、通信が可能になるのは有り難い。


「それと"激痛のハイヒール"って何だよ?」

「ちょっと 分かりにくい けど 武器?」

「私にもわかんない」


 ここで"激痛のハイヒール"を解説しよう。

 これは男性は特に経験があるのではないだろうか。


満員電車やバスが揺れる車内で、隣の女性が体勢を立て直した時などに食らうアレだ。

あの激痛は食らった人にしか分からない。特にピンヒールだったら、それはもう地獄の破壊武器となる。


______「"激痛のハイヒール" の効果は分からないが、全員が瞬発のスキルを獲得して、その上に通信機能だ。これは戦いに有利だぞ」


 「お前等、なにクネクネしてる?」

「「だぁってぇぇ」」


 コスプレイベントなら兎も角、レイもランもバニーガールになった事はない。レイがランを、ランがレイを見て、何やらお互いに興奮しているようだった。


「いやんもう、私ってば超セクスゥィ~」

「わたし とても イケ てる そう 思う?  ユウ」


「あのなぁ、今は防御効果の検証をしてるんだ。いつまでもホケてると、二人共シバキ倒すぞ」

と言って、俺はランの丸い尻尾のついたケツを叩いてやった。


 バシン

「H いや~んって、アレ痛くも痒くも......ない」


「そうか、これは防刃効果の一つだな。この位の攻撃では攻撃判定にならないのか。じゃあレイ、お前の流木の槍でちょっと俺を突いてみろよ」

 

 ええっ

「痛かったら 御免 ユウ」

 てぇい!

「うん? 今何かしたのか?」

「確かに防刃効果はありそうだ」



______検証が終わったので、いつまでもバニーガールで居たくはない。

俺は "チェンジ・ダッフンダ" を一人唱えて普段のパーカーに戻った。


 「やっぱ、これが一番楽でいい」


 あっと言う間に、俺が来ていたスペシャル・コスチュームは、跡形もなく消えてしまった。


「んもうリーダーってば、早くない?」

 ブータレながらも、レイもランも"チェンジ・ダッフンダ" でしぶしぶパーカーに戻っていった。


「少し早いが、今日はこれで宿に戻ろう。戦闘方法がアップしたんだから、部屋で明日からの予定も立てなきゃならんしな」


 「それでリーダー、お昼はどうすんのよ?」

「ラン、お前は食べる事が最優先なのか?」

「いいじゃん、育ち盛りなんだから」

「もう十分育ってるぞ......胸だけは」

 H


 ジョセフィーヌがくれた、バニコスの成果の大きさに喜びながら、俺たち3人はまた"寄って停"に戻って行くのだった。


 「リーダー、みんなセクスィだったわね」

「俺は超抵抗があるぞ」

「ユウ きれい だった」


  これから先、このスペシャル・バニコスで戦うのかと思うと、こんな贈り物をして来たジョセフィーヌに俺は殺意を抱いた。



 『楽しませてよ少年! XXX様が期待してるんだからさ』




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