81話
オブシウス帝国 メガラオテニア付近の前線指揮所
「失礼します!」
「うむ、入れ」
師団長のテントに、参謀将校が入ってきた。
夜は更け、ランプの炎がジジっとなる。
「偵察隊より市街地の地図ができたとの報告が上がってきました。」
「よし、よくやった。どれ、見せてみろ。」
師団長は喜んで、机の上に完成した市街地の地図を広げる。
「....うむ、いい出来だ。これで明日から受領した装備で習熟訓練だ、中隊長たちに手配しておいてくれ。」
「はっ!」
「しかし....」
「はい?」
師団長は、いきなり失望したような、なにか信頼していたものに裏切られたような表情で、
「あの17師団が壊滅した、という情報は本当なのだろうか、本当なら兵士の士気にかかわるし、作戦にも支障がでる。」
「それに関しては参謀部でも問題になっています、敵の情報まったくないとも言い切れませんがすべて真偽不明、せめて兵器の写真でもあれば対策の市街がありそうなものですが,...」
「ふむ.....」
夏の虫が外でリーンリーンと鳴いているのが聞こえる。
「....君は、この『聖戦』が正しいものだと思うかね?」
参謀は、いきなりの質問に戸惑う。
「は、は?え、た、正しいのかと言われましても...」
「いいんだいいんだ。個人的な所見を述べたまえ、」
「はい、個人的には、少し信念に揺らぎを感じております。当初、1か月あれば大陸を制圧し、隣のロマリア大陸まで手中に入ると聞いていました、しかし2週間たっても制圧したのはごくわずかな地域のみ、将兵の心は揺らぐばかりで、この作戦と立案した上層部には不満しかありません。」
「うむ、私も君と同じだ。」
師団長は大きくうなずいた。
「そう、結局我々軍人は国家の手足でしかない、ということだ。上の命令で遠い戦地に赴き、死んだらそれでおしまい。わずかばかりの見舞金が支払われるだけ。悲しいもんだな。」
「それでも戦う。それは皇帝陛下と国民への恩だ。非才の身をこんな身分にまでしてくださった。私は人民と皇帝陛下の信頼を受け、この地位に就いた。その恩分の働きはするつもりだ。」
師団長は、椅子から立ち上がって、参謀の手を握りしめる。
「いいか、この作戦は必ず成功させよう!」
「はい!!」
翌日
1人の兵士が対戦車ロケットを右肩に担ぎ、立っている。
すると、てっ!という隊長の指示で引き金を引く。
ドン!パシュッ!ドオオオオオ..
後ろから勢いよく煙が吐き出され、弾頭はコースを描きながら着弾する。
座ったり立ったりして眺めていた兵士たちはおぉ~という
「うおーすごいなこれは」
「見た通りこの兵器は極めて市街地戦において極めてであると判断した。各自、訓練に励むように。」
一方そのころ、メガラオテニア 宮殿 謁見の間
ここには大王ボナパルト、そしてなんか侍ってる人たち、女官、そしてアガスク防衛に成功したアガスク知事。
その功績を買われ、首都防衛に駆り出されたのである。
「アガスク知事、貴殿の今回の戦働き、大義であった。」
ひざまずいてかしこまる。
「ははーっ」
「そして貴殿を首都守備隊参謀に任命する!」
「ありがたき幸せ。」
で、儀式終わって、会議するところ
「えーアガスクの戦訓より、敵の砲撃とかは、とても強力で、既存の防具では身を守れないので、掘った穴などでやり過ごすことが効果的だとわかりました!なので、まずは成人男子の市民を強制的に臨時守備隊に入れました、いま、広場で訓練中です。」
「なるほど、で?」
「やつらはあの鉄の箱みたいなやつで市街地に侵入すると思われます。しかしこの箱、上からの攻撃にはこれはめっぽう弱い。そこで上から攻撃するために道を封鎖し、3階建ての建物の集中している中央通りに誘い込んで、そこで一斉に攻撃です。大魔導士クラスが6000人、魔導士クラスが1万人程度。あとは一般人が4万人ほどですが、うまく使えば、きっとどうにかなるでしょう。」
「極めつけは旧式艦からの艦砲射撃です。もっとも係留した旧式ガレアス船に臼砲を積んだだけですが....これが4隻です。以上が、王都防衛の方針です。」
「うむ、解説ご苦労、我が国は無敵だ!フハハハハ」
王立造船所
もっとも、空襲で壊滅したので、ドック程度しか造船所を思わせるものはない。
しかし、2隻の旧式ガレアス船、そして2隻の戦列艦を改装するには充分であった。
これは海に面した要所に配置され、徴用された市民によって運用されることとなった。
これらの船は、臼砲を積んで、帆を撤去された。
地球風に言えば、少し違うが臼砲艦、ボムケッチというやつだ。
一方そのころ、総合基地
定例会議
「....中央聖魔導帝国首都付近に敵の戦力が集中しています。これはかなり危機ですね...」
「うーんこの辺で敵を蹴散らして恩を売るのも外交だ。よし、これの動きを常に監視、進撃開始の兆候あればすぐに対地兵装でSu-27あたりを10機ほど向かわせるように、以上。」
定例会議終了




