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あああ帝国 帝都アアアシティー 国防省会議室
ここには、帝国軍の名だたる面子が集結していた。
全軍総司令部総司令官や、各軍の参謀本部参謀総長など、彼らの命令一つで歩兵の二等兵から航空母艦の艦長までが動くのである。
「うむ、時間だ、では会議を始める。さて、まずは各軍現在の状況を聞こうか、まずは海軍から」
総司令官がそう告げると、若手海軍幹部は緊張した感じで告げ始める。
「はっ、えー例の上陸作戦ですが、戦艦あああと第2機動艦隊は、4月1日未明より艦載機を用いヤハラート要塞のレーダー基地をすべて破壊、その後は艦砲射撃によりヤマート共和国軍の上陸を援護しました。その後は当該海域において警戒中とのこと、またオブシウス帝国本土付近で即応体制をとっている原潜隊は、そのうちの1隻に病人が出たためヤマートキタカイドウ州付近の海域まで引き返し、急病人を引き渡すとのこと。以上です。」
あああ帝国は、オブシウス帝国本土を衛星で発見後、不測の事態に備えて原子力潜水艦4隻を派遣し、いつでも敵国の中枢を焦土化できる体制を整えていた。
ちなみに、その位置は秘匿されており、ヤマートなどが知る方法はない。
「ほう、なかなかやるな、陸軍はどうか?」
「はっ、我が精鋭第11騎兵師団は、強襲上陸に成功し、第18軍は上陸完了。第13、14機甲師団の第19軍も上陸体制を整えております。」
カーキ色の制服を着た幹部は誇らしげに、海軍幹部の方を向きながら答える。
「ふむ、さすが我が帝国軍の花形、機甲師団だ。では空軍は?」
「はっ、我が空軍はヤマート共和国キタカイドウ州はもとよりトンキンやキュウシュウにて即応体制をととのえ、いつでも戦地へ飛び立つことができる体制を整えてあります!」
「すばらしい、それでこそわが軍だ。くれぐれも頼んだぞ。」
ヤマート共和国 首都トンキン あああ帝国大使館横の倉庫
ババババババ
「いいぞーおろしてくれー」
ヘリコプターからは、1機の戦闘機が吊り下げられている。
やがてそれは地面につき、ヘリコプターは飛んでいってしまった。
「やあ、おはようアアアーレ君、まだ8時だというのに早いね。」
全権大使アアアノフが、煙草をくわえながら、かぶさっているカバーを外そうとするアアアーレに近寄ってくる。
「あ、おはようございますアアアノフさん、今日はこれが届くんで早く来たんですよー」
そこには紺色の戦闘機が現れた。
「これはヤハラートで鹵獲された無傷の敵の戦闘機だそうです。どうやら本部はこれを解析し、オブシウス帝国の技術レベルを測れとのことだそうです。」
「ふーむ、君も大変だな。」
「われわれ技術屋からしたら、大した仕事じゃありません。アアアノフさんも見ていきます?」
アアアーレは、その戦闘機のキャノピーを開け、計器盤を見る。
風防はひび割れており、計器盤のガラスもところどころ割れて見えなくなっている。
計器盤には、アルファベットをひっくり返したような言葉が躍る。
「これは速度計、これは高度計か、これは姿勢指示器か、まあ標準的な第二次世界大戦中クラスの航空機ですね。」
「強いのか?」
文官のアアアノフはよくわかっていないので問う。
「アアアノフさん。こうゆうのは単機あたりの性能よりも、戦法とかそうゆうのが重要になってきますので決して空戦に勝てるとは限りません。」
「ん?これは.....」
「(無線機か、4つのバンドが設定できるんだな。これは酸素マスクのホースの穴か?)」
次に機体の側面の蓋を工具で開け、中を見ようとする。
世界が違っても、ネジの基本的な構造は変わらないようだ。
「これは、敵味方識別装置のアンテナだな、これは無線機か、すごい技術力だ....」
さすがにIFFは、あとからつけられたもののようで、無線機とは違い無理やり増設した跡があった。
「思ったより敵の技術は高いようです。なめてかかったら思わぬ出血を強いられるかもしれません。」
「そうなのか?私にはさっぱりわからん」
「うーんでもここで試験するには設備が足りないな....本国に送らないとわかりませんね。」
後日
「アアアーレさん。本国からのfaxです。」
「ん?どれどれ」
「エンジン馬力2000以上、武装は20mmクラス2門、12.7mmクラス4門、その他用途不明な電装品等あり、か、なかなかだな。」
「これはヤマートのみでは勝てないな.....」
ヤマート艦隊が壊滅したころ
キュウシュウ沖1200km
1隻の巨大な黒い物体、潜水艦が浮上し、甲板には2人の男が立ち、その向こうにはヘリコプターが止まっていた。
「やれやれ、まさか盲腸だとは...」
「異界の風土病かと思って隔離してたのが馬鹿みたいですね。」
「しかし何にもなくてよかったですね艦長。」
やがて急病人を載せたヘリは西へ飛び立っていった。
すると
「艦長、緊急事態ですすぐに発令所へ!」
「おい、行くぞ」
「はいっ!」




