54
中央聖魔導帝国 首都メガラオテニア 宮殿
だいたい4月1日、午後4時あああ帝国の奇襲部隊が強襲上陸を敢行したころ
そのころ、ボナパルトは、南の植民地から運ばれてきた紅茶を飲みながら、優雅な午後を過ごしていた。
魔法で適度に保たれた気温が、眠気を誘った、そのころ、伝令の兵士が焦った顔で大王の睡眠を妨害する報告をしにやってくる。
「だ、大王様!ほ、報告し、しますっ!」
若い20くらいの兵士は、緊張した様子で、起こった事実を告げる。
「んあ?どうした?む、第一魔導艦隊はどのくらいの戦果を挙げたのだ?」
ボナパルトは期待しながら聞く。
「だ、第一魔導艦隊、戦果0!オブシウス帝国の艦隊は無傷とのことです!」
「ふざけるな!なんの冗談を.....」
「いえ、事実です!これをご覧ください!」
兵士が手渡したのは、無残にも曲がった真鍮のプレート。
ものすごい砲撃でひん曲がっているが、『アレイウス暦5428年3月20日進水 戦列艦ボナパルト』と銘打たれているのがかろうじて読める。
「ざ、残存艦艇を、かき集めて...」
「第一魔導艦隊は全滅しました。生存者なしとのこと。」
「なっ‥」
飲んでいたカップがタイル張りの地面に落ち、パリンという音を響かせる。
その見事なタイル模様は、この国の平和で繁栄していた時代を彷彿とさせる。
しばらく続いた重い空気は、さらに絶望的な報告で打ち消される。
「大王様!報告します!オブシウス帝国の艦隊が、北部の港町を砲撃!壊滅させたとのこと!
さらに艦隊は南進!どうやらここに向かっているようです!」
「メガラオテニアへの攻撃は避けなくては‥なんとしてでもオブシウス帝国の艦隊を少しでも足止めするように現地の部隊に伝えよ!」
「はっ!」
兵士たちは帰っていく。
「(あの第1魔導艦隊が!まさか敵はそこまで強大だというのか?)」
その報告のすこし前
ヤマート共和国 首都トンキン 国民議事堂
「・・・であるからして‥」
総統は、いつものとおりに普通に仕事をしていると、いきなり議事堂の部屋に秘書が入ってくる。
「総統!在中央聖魔導帝国ヤマート大使館より緊急の電報です!」
「な、何?読み上げろ!」
総統のあたまの中はオブシウス帝国関係の緊急連絡だと結論付けて、話を聞く。
「オブシウス帝国艦隊が中央聖魔導帝国に対し攻撃を開始、北部の港町は艦砲射撃で壊滅したとのことです!その後、現在首都メガラオテニアに向かって航行中とのこと。このままだと、今晩には首都に到達してしまいます!」
「中央聖魔導帝国の新式の戦列艦が交戦したようですが....どうやら全滅とのこと。」
総統は考えながら
「それはまずいな....もしも首都を制圧されれば、トンキンもオブシウス帝国の爆撃機の射程になってしまう...なんとしてでも撃滅、できなくても撤退に追い込む必要があるな....」
「よし、我がヤマート共和国海軍の出番だ。第2艦隊の艦艇の修理は完了しているな?」
「は、はい。」
「よし、直ちに出動させろ。夜の砲撃能力はオブシウス帝国と我が国では同等のはずだ。」
「わかりました。」
やがて、ヤマート共和国海軍の第二艦隊。戦艦3隻、装甲巡洋艦5隻、防護巡洋艦8隻の大艦隊がキュウシュウ港より敵を追い出すために出撃した。




