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3月25日 キタカイドウ州沖300km 午前4時
空母1隻、それを護衛する2隻の戦艦が、朝焼けを受けて黒光りする。
紺色の艦載機は一斉に並べられており、爆弾やロケットを懸架した機がカタパルトで次々と離陸していく。
「古い艦載機だなあほんと、本国では噴進式の戦闘機が実用化され始めたというのに...ここにはあと何年後くらいに配備されるんだろうなぁ」
後ろの部下が話す。
「何十年後とかかの話かもしれませんよ?」
「それもそうだな ははは」
僚機は、護衛の航空機80機と艦攻艦爆が陸上から離陸したものを合わせて合わせて75機ほどであった。
「おっ見えてきたぞ!」
「うわーすごいですね。」
上空には陸上基地より発進した陸攻14機が編隊を組んで少し上を飛行していた。
キタカイドウ州 軍港 D地区 1番レーダー
「ふぁ~あまったく夜勤はつかれるなあ」
「あと30分で交代だから頑張ろうぜ」
「しっかしこのれえだあとか言うのにほんとになんか映るのか?奇怪な道具もあるもんだなあ」
「なんかいいもんでも映んねえかなあ」
「ん?」
「どうした?なんかいいもんでも映ったか?」
「いや、なんか青い点がいっぱい近づいてくる...なんだこれ?」
白で丸く縁取りされたブラウン管の上では走査線が忙しそうに回り、表示した敵の位置情報を更新し続けている。
「一応電話で聞いてみるか」
横に備え付けられ、上にヤマート語で敵発見時は迅速に連絡することと書いてある受話器を手に取りコールする。
「あ、隊長、れえだあとか言うのが故障しましたよ。なんか青い斑点みたいなのが急にいっぱい現れて...」
「馬鹿者!あれは敵だ!あれは敵の航空機だ!」
「ええっ!!!」
「敵襲!四時の方向!!!」
このことは防空指揮所に伝えられた。
同時刻 キタカイドウ州海上50km 攻撃隊
機内の後ろで電測員が機械をいじっている。
すると、後ろを振り向いて、
「隊長!逆探に感あり!敵防空レーダーに探知された模様!」
と焦った表情で伝えた。
「なにっ!」
敵はヤマートだと聞いていた。いまだに航空機も実用化されたばかりの国で、レーダーが開発されるのはまだまだ先と考えられていたが、どうやらその予想は覆された。
「隊長、どうされますか?」
「作戦に変更なしとする。」
「了解。」
基地司令部
ついに完成して新築の赤レンガの基地司令部には、たくさんの装備が備え付けられており、最前線基地あることを改めて意識する。
もちろんここはヤマート国人立ち入り禁止の場所である。
「敵の進路は?」
「まっすぐ時速300km程度でこちらに向かってきます。ざっと見積もって160機前後かと。」
「このままではかなりまずいな。防空隊は?」
「第7師団に出動要請をだしましたが....間に合いません。こちらには第27戦車大隊の防空隊がわずかばかりです。」
「到底あの数に対抗できるほどの戦力は.....」
「ヤマートの航空隊に出動要請!とにかく全機上がらせろ!」
「はっ!」
航空基地にはあああ帝国が供与したA型戦闘機が50機ほど駐機しており、それが鳴り響くサイレンとともに次々と離陸していく。
「いよいよ実線だなあ!腕が鳴るぜ」
攻撃隊
「攻撃目標発見!攻撃開始!」
無線の合図ともに、ロケット弾や陸攻の魚雷が一斉に攻撃を開始する。




