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あああ帝国召喚  作者: あああ
32/104

31話

あああ帝国 アアアツカヤ 

「ほう!これが我が国に供与していただけるという!」

「そうです。A型中戦車にございます。」

ヤマートの使者は、この日、あああ帝国より供与される兵器の見学に来ていた。

屋内の倉庫には、ざっと見ただけで2000両あまりの戦車が並んでいた。


「現在この工場では総力を挙げて戦闘車両の生産に取り組んでおります。どうぞこちらへ。」


あああ帝国の担当者と使者は工場のほうに向かう。


「これは!」

そこにはヤマートでは実現不可能な光景が広がっていた。


一様なスピードで動くベルトコンベアの上には先ほど見た戦車の車体が乗っており、そこに工員が様々な工具で内部に天井からつられているエンジンや砲塔を積み込んで溶接している。


あたりに飛び散るアーク溶接の光。始終一貫された流れ作業。まさに工場制機械工業を象徴する光景であった。


「貴国の工業力にはいつも驚かされる。わが国では逆立ちしてもまねできないでしょう。」

あああ帝国の役人が話す。

「いえ、貴国はまだ始まったばかりではありませんか。わが帝国と協力してともに発展しましょう。」




・・・・・・



3日後 ペンドリシス大陸沖


20隻余りの輸送船が船団を形成して黒い蒸気機関の煙をたなびかせ大海原をヤマート国へ向けて航行していた。

その中の一隻。外側を航行しているのは総排水量20900トンの輸送船エスポワール号の甲板の上。


2人の男たちが煙草をふかしながら雑談している。


「まったく、また戦争するのか?前さんざんになるまで負けてやっと休戦したのに、すこしは庶民のことを考えろよなー」


「そういうなって、オブシウス帝国に蹂躙されて奴隷みたいになりたいのか?なら準備するしかないだろ?」

1人が後ろに備え付けられた爆雷とやらを投下する装置のほうを見る。

「しかも今回はあなんとか帝国の支援があるらしい。今回はましな負け方になるかもな!」

甲板に笑い声が響く。


「こらーお前ら!こっちで荷物の整理でも手伝え!さもないと....」

「やべー甲板長だ!またたたかれるぞ!」


二人はタラップを下って行った。





オブシウス帝国海軍所属 潜水艦ヴァリャーグ

4人の男たちが双眼鏡を覗いて獲物を探している。


「艦影多数!水平線!」

一人が報告する。

「久々の獲物だ。行くぞ。」

「充電は?」

「完了しております。」

「よーし急速潜航」

4人は艦内に入っていき、艦は速力を上げていき、やがて海の中に潜った。


艦橋


「よーし潜望鏡深度」

「潜望鏡深度」

副長が復唱する。


艦長は潜望鏡で獲物を観察し始める。


「ヤマートの国旗だ。しかも多数。護衛もなしで航行とは....不用心だな」

「ん?見慣れない船だな...大砲があるが2連装が1つだ。側面にあるのは...魚雷発射管か?なぜあの角度で?」

艦影リストを見ていた副長が答える。

「そんな艦船は記録にないですね...対潜を意識して新しく建造したんですかね?」

「(さてはあなんとか帝国の艦船かもしれないな...しかし報告より弱そうだな....)」


「前部発射管魚雷戦用意!発射弾数2」

「魚雷戦用意!」

復唱され、指示は前部発射管のところにいきわたる。


「魚雷装填完了!」


「てぇっ!」


圧縮空気で勢いよく魚雷が放たれる。


「魚雷走行中。到達まで1分9秒。」



あああ帝国海軍 アドミラル・アアアノフ級フリゲート

CIC

水測員が報告する。

「艦長、潜水艦のエンジン音を探知しました。ディーゼル機関と思われます。」

「ふむ、例のオブ何とかとかいう国の潜水艦だな。念のため警戒せよ。」


「魚雷音を探知!雷速30ノット!」

「迎撃できません!」


エスポワール号 甲板

「お!なんだありゃ?魚かな?」

「あ、当たるぞ!」


大きな爆発音が響く。

エスポワール号はマストから真っ二つになってしまった。


積荷のA型戦車が大きな音をたてて海中に落ちていく。


「何があったんだ?」

「ぎょらいとやらが命中したようだ。オブシウスのせいだな!」

命からがらほかの船に救助されたのは120名の乗組員のうち甲板でサボっていた2人と彼らに鉄拳制裁していた甲板長、船長など計20名であった。


隣の船も同じような惨事になっていた。



潜水艦ヴァリャーグ

「全弾命中!」

「さすが艦長の測的ですね。百発百中ですね。」

「また勲章が増えますよ!」


「(......)」


艦長をたたえる艦橋員だち。しかし艦長は何も答えなかった。


「次弾装填急げ」

「装填完了」

「てっ!」


あああ帝国海軍 アドミラル・アアアノフ級フリゲート

CIC

「今度は我々がやり返す番だ。」

「対潜ミサイル発射!」

前部発射管より、RPK-3が勢いよく打ちあがる。


やがて魚雷を切り離し、魚雷は目標に向かう。


潜水艦ヴァリャーグ

「命中!」

「敵対潜艦、ロケット弾発射!」

「ロケット弾だと?なぜ対潜にロケットを?」

「魚雷音探知!」

「敵魚雷、探針音を発しています!」

「(誘導魚雷だ!)」

艦長はそれを見抜いた。

「機関停止。音を立てるな。」

「機関停止!」

「(さて、敵が普通の音響誘導ならこれでどうにかなるはずだが...」

「どうだ?」

水測員に尋ねる。

「まだこっちに近づいています!左弦より魚雷接近!」

艦長の顔に一瞬焦りが見える。

「前進一杯!取舵一杯!」

「とーりかーじ、いっぱーい。取舵三十度」

「(どうだ?)」

「敵魚雷向きを変えました!」

その瞬間、潜水艦ヴァリャーグの左に着弾。


水柱があがる。

あああ帝国海軍 アドミラル・アアアノフ級フリゲート

CIC

「敵潜水艦、撃沈。」

「対潜戦闘用具収めー」


「ふう、まさかこんな近海まで進出しているとは。」

損害は5隻であった。

しかしA型戦車および武器弾薬の類はそこまで失われることもなく、ヤマート共和国トンキン港に到着した。

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